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107,戦いの後で………。2

 予想以上に聖騎士たちの後処理に時間がかかってしまったので、一緒に作業をしていた人たちは自分とソルを残して先に食事をとってもらうことにする。

 「それで、これから何をするんだ?」

 ソルが聞いてくる。

 彼も結構大変な目にあったはずなのに協力してくれる。この魔獣…いや神の守護を任されているらしいから神獣になるのか?………まあどっちかよくわからないから言及しないことにして。

 まあソルはものすごく面倒見がよくて、優しいやつだということだ。

 「あとは殺されてしまった人たちをこれに入れていこうと思う。」

 そういって俺はアイテムボックスから人ひとりはいれるくらいの大きな袋を何枚か取り出していく。

 「それは、どういったものなんだ?」

 「これは死体を入れる袋で、冒険者ギルドで登録した時にもらったもので、五枚支給されたんだ。それ以上の枚数が必要な場合は一枚につき100Gゴールド(一万円くらい)を取られることになるけどね。」

 「まあ死体を入れるといっても、用途は人だけじゃなくて倒した魔獣なんかが主な使い道なんだけどね。この袋は丈夫で、重量軽減と時間停止、中の空間を広くする付与魔法がかかっていてこういったことにも使えるようになっているんだ。あと当然だけど生きているものは入れられないよ。」

 「あー…。じゃあこの袋に亡くなった人たちを入れて運ぶってことか?」

 「そういうことだな。二人で手分けすればすぐだと思うから、分かれてやっていこう。」

 「そうだな分かった。」

 そうして二手に分かれて今回のことで亡くなった人たちの死体を袋に入れてひとところに集めていく。

 「そいつらも持って行って埋葬してやるのか?」

 俺が袋に入れようとした人物を見て声をかけてきた。その人物とはデルタたち異世界転移者たちである。

 ソルとしてはこの惨状を生み出した元凶みたいなものだから、運びたくないというのが本音なのだろう。わざわざ声をかけてきた時点でそういった心情がありありと出ている。

 そういえばソルに俺やこいつらが転移者って説明したっけ?まあ一応簡潔に説明もしておこうか。

 「俺とこいつらはこの世界と別の世界から来た転移者なんだ。まあ別の世界から来たからといって今回のことが許されるわけではないが、せめて遺体は元の世界に埋葬してやりたいんだ。」

 「………まぁ、俺自身も帰れるかどうかはわからないんだけどな。」

 そういうとソルはデルタたちの遺体を見ながら、何か考えこむように黙り込んでしまった。おそらく情報を整理しているのだろう。

 その間に俺は彼らの遺体を袋に入れていく。

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