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105,合流即戦闘25

 正直、”縮地”での移動の際にやられた魔法による妨害がなかったら、あの後の奇襲攻撃をかわすのは難しかったように思う。

 あの手痛い失態のおかげで自分のピンチを自覚できたし、<人魔大戦>時代の立ち回りを思い出すことができた。そのおかげであの二人が姿を消して近づいてきているのを察知できたし、そのあとの立ち回りのスムーズさにもつながった。

 そう考えるとあの魔法の土壁を食らったのはいいことだったのだろうか………?

 いや...。状況次第ではあの時点で何もできなくなってやられる可能性も十分にあった。俺の場合は<人魔大戦>の時も死イコールそのままゲームエンドだったが、この世界ではそれはそのまま実際の死につながる。

(結果オーライで助かったからよかったではなく、そもそもくらわないような立ち回りを意識すべきだろう。)

 そう結論付けたところでふと我に返ると後ろのほうではまだ戦闘音が響いていた。

(しまった。まだこちらの戦闘は終わっていなかったんだった!)

 そう思ってすぐに踵を返してまだ戦闘が続いているほうへ駆け出して行ったが、すぐに走るのをやめてしまった。

 というのも、こちらのほうももう消化試合の様相を呈していて、もうあとは残っている聖騎士たちを仕留めていくだけになっているようだった。

 そこで八面六臂の活躍をしていたのは、うちのロナーとその背に乗っているユグとフウラの二人である。

 「いっけえええーーーー!!」

 「ホエエエエエエーーーーーー!」

 二人の息の合った掛け声に合わせてロナーは頭の三本の角からそれぞれ竜巻が発生してロナーのいる上空から地面すれすれをなめるように聖騎士団に向かっていく。

 そして多くの聖騎士たちを巻き込んでそのまま上空に向かって飛んでいく。そのままはるか上空で聖騎士たちを残して霧散する。残された聖騎士はほとんど何もできないまま地面にたたきつけられてやられていく。

 その脅威を目の当たりにして聖騎士団の面々は、ロナー達に攻撃を集中させようとするが、ロナーは体の周りに荒れ狂う風を身にまとっていて魔法などの攻撃は弾かれてしまう。そうでなくてもロナー達ははるか上空を飛んでいるので、攻撃を届かせにくい。そうなってくると一方的に駆られるだけになってくる。その状況に嫌気がさした聖騎士たちは散りじりに逃げていくが、その分散した聖騎士たちをソルが指揮する死司天団の面々が狩っていくという図式になっている。

 そのためどんどん聖騎士団は減っていき三十分くらいで全滅することとなった。 

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