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104,合流即戦闘24

 ものすごい速さで遠くなっていくクロイサスを見送って一息つく。

「………ふー…。きっつ………。」

 さすがにこれはきつかった。クロイサスと、あとライガー、デルタのコンビの連携はさすがにきつかった。

 あとから来た二人と合流される前に行動を起こせなかったら、完全に詰みだったような気がする。

 わざわざあいつらには話してはいないが、戦闘を長引かせたのはクロイサスのインターバルタイムを狙っただけではない。クロイサスは10分のフルのインターバルを必要としていたことからも分かるように全弾本気の精いっぱいの攻撃だったし、ほかの二人は素早さ以外はこちらのステータスを完全に上回っていた。

 そんな状態で、さらに連携して攻撃してくるからたちが悪い。しかも二人はともかくクロイサスのほうは即席の連携のはずなのに、攻撃を外されたり、受け流されたりしたときなどの隙を完全に補い合っていた。向こうはこちらの隙に攻撃をガンガンねじ込んでくるのに、こちらの攻撃はほとんど潰される理不尽。しかも無理やり攻撃をねじ込もうとすると一気に押し込まれて終わってしまうクソみたいな状況である。

 そこで俺はある程度の攻めの姿勢を見せながら時間を稼ぎながら、俺の切り札が発動するのを待った。

 そのスキルはサブスキルの”底力”である。これは残りの体力、ゲームで言えばHPヒットポイントと呼ばれるものが、残り3割を切ったときに発動するもので、その時点からスキルレベル×5パーセントで攻撃力と速さといった身体能力が上がるというものである。

 このサブスキルは強力な分、取得条件とレベルが上がる条件も厳しい。基本的には残り体力(HP)が3割以下の状態を維持したまま戦っていればいいが、ゲーム内での有志の検証結果によると敵は自分達よりある程度上のレベルでないと上がらないらしいようである。

 <人魔大戦>では結構敵の攻撃が強力で、格上の敵だと一番強力な攻撃はくらえば5割くらいの体力を持っていかれることはざらにあるのだ。しかもこのサブスキルは発動しても防御は上がらないためプレイヤーは、このスキルを上げるためには常に一撃死の可能性のある状況で戦い続けないとだめなのである。

 しかもこの状況を維持できても、そもそもこのサブスキルはレベルが上がりにくいのだ。条件がそこそこ厳しいとはいえ、効果は高いのでバランスをとるための措置ともいえるのだが、そのためこのサブスキルは大体が1から2で止まっている人が主である。

 そんなサブスキルの”底力”だが俺のレベルはなんと8である。文字通りレベルが違う。<人魔大戦>時代の追い詰められまくりの生活のおかげだが、こうしてみるとなんか物悲しいものがある。

 あのときサブスキルの発動していたが、すぐには反転攻勢には出られなかった。彼らの連携はレベルが高く、”底力”が発動したからといって安易に攻撃すると返り討ちに会う可能性が高かったのだ。このサブスキルは能力は上がっても防御力は上がらないのだ。

 そういうわけで俺はわざと隙を作って大技を誘って、カウンターで仕留めたのだ。

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