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101,合流即戦闘21

 話を戻すと、裏ギルドの拠点を狩っていたらクロイサスが当主のガルフォード家から連絡が来て、その依頼が妹の病気の治療に協力してほしいというものだったのだ。

 ゲーム内でのクロイサスは結構調査を進めていて、俺が依頼を受けた時にはもう必要なアイテムも持っている裏組織も突き止めていた。

 ゲーム内でのクロイサスが言うには、

 「この組織の規模自体はそこまで大きくないが、この組織の裏には表の世界では結構大きい権力をもった人物がいてね。へたに私が動くとこの商業都市が大混乱に陥る可能性があるわけなのさ。

 この人物は妹の病気についても関わっている可能性が高いから、この一連の出来事は彼が主導していた可能性が高いわけだけど、今のところはこの説は裏付けか取れていないので仮説にすぎない。偶然の可能性もあるからね。」

 「なので君には、妹の病気を治すアイテムの”虹のしずく”を手に入れて、できればついでに裏のつながりの証拠を手に入れてきてもらいたい。」

 こんな感じの依頼をされたわけである。このころはいろいろ追い詰められ気味だったので、とにかく報酬がもらえるし裏の拠点のお宝も取り放題だということで受けた記憶がある。

 だが楽勝だと思っていたこの依頼も、ボス戦になってから失敗したと後悔することになった。

 というのもここのボスは悪魔と契約していて、魔人化してきたのだ。魔人化とは人と悪魔が融合することで、こうすることで悪魔はカルマの消費を抑えられて、好きなだけ強力な攻撃を使えるし、防御面でも物理も魔法も7割カットのチート能力も健在なので強いし硬いというとてもめんどくさい仕様になるのだ。

 このせいで、このボス戦だけで4時間ほど戦い続けることになってしまい、回復薬や足止め魔法スクロールなどほかにも苦労して集めた様々なアイテムもほとんど使い切る散々な結果になってしまったのだ。

 その依頼の報酬として受け取ったのがこの”黒き隼のグローブ”である。このグローブは苦労した依頼の報酬に見合った強力な性能をしている。

 このグローブは普通のグローブで一対だが、つけるのは片方の左手側だけである。そして反対側のグローブの内側は亜空間になっていて、指輪だけしか入れられないがその中に入れた指輪の効果を発揮させることができるというものである。もちろん効果も重複させることができる。

 <人魔大戦>では状態異常対策は一部の装備を除いて指輪が一手に請け負っている。なのでこのゲームでは効果の高い指輪はものすごく重宝されていて高値で取引されている。

 しかし指輪はその性質上最大でも両手で10までしかつけれないということになる。現実ならば同じ指に2つ3つつけるということもできるかもしれないが、ゲームでは最大10個までとされていたし、現実問題としても一つの指に2つも3つもつけてたら邪魔にしかならない。もちろん指輪の効果はつけないと発動しないので、プレイヤーは少しでも性能が高いものや複数の状態異常を防げるような指輪を探して躍起になっているのである。

 その点このグローブは優秀で状態異常を防げる確率の低い指輪も効果が重複させられるので、複数入れて効果を底上げさせられるし、10個までという制限もない。つまりこの装備は指輪は必要になるが、状態異常に対し無敵ともいえる性能を持つグローブなのである。

 おそらくこれはPK職に対する救済措置の一環なのだろうと思われる。

 このゲームではPK職は基本ソロでの活動になるし、ゲームオーバーの条件も多く厳しいものが多い。特にソロでの活動は状態異常が一番危険になってくる。

 なので、そのような過酷な状況を少しでも緩和するための措置として作られたのが、このグローブだというわけである。

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