59:ティッシュの花
ジャンル:ヒューマンドラマ〔文芸〕
作者:花咲 潤ノ助
あらすじ
家族に最も金の掛かる40代での転職に失敗した中年お父さんの、再生に挑む転職活動日記小説です。
語り手は、新卒で入社した会社に20年以上勤めましたが、「何となく」という極めて曖昧な理由で40歳を過ぎて転職をします。この安易な選択はあっけなく失敗に終わり、おまけに自信のあった精神と肉体にも翳りが生じ、絶対に罹らないと思っていた「うつ病」を発症してしまいます。
就活には超逆風のリーマンショックという時代背景の中で、お金も身体も精神もギリギリの状態から、もう一度新たな道を切り拓かんと奮闘する日々を日記に綴ります。面接に辿り着くことも難しい就活の進捗、生活の足しにとはじめた日雇い派遣の仕事で学んだこと、そして日に日に生活が苦しくなっていく中での家族との交流など、実に日常的で他愛のない話ばかりを、時間の流れに沿って克明に描く中で、「仕事」や「家族」、そして「生きる」ということについて真正面から掘り下げていきます。
キーワード
日常 私小説 ホームドラマ ネット小説大賞八 男主人公 就職活動 平成 現代 職業もの 日雇い派遣 リーマンショック 家族 日記
掲載日
2019年 07月20日 07時00分
文字数
16,597文字
URL
https://ncode.syosetu.com/n2529fq/
感想
半年前にこの話を読んだ時のことを今でも憶えている。
レビュー一覧に、この作品を絶讃しているレビューがあって(ゲロ豚さんのレビューだった)、そして興味を覚えて読みにいったのだ。
いや、この作品には2つのレビューが書かれているが、その2つに書かれていることが全てだよ。名文には名レビューがつくというものだ。
だからここでとやかく言うよりも、レビュー読んで本編行けという方が速いのだがね。
だがまあ、エッセイだし、わたしの感想も置いておかないとな。
そうだな……。名作は沢山ある。これも明らかに名作に名を連ねる作品である。素晴らしい作品だった。
だが、『読んで後悔した』名作というのはそうそう無い。
あなたがおっさんなら。いやもう、あらすじを読んだだけでも辛かろうとは想像がつくだろうがね。純粋に精神が抉られる。
だがしかし、その衝撃の大きさたるや、あらすじから想像がつくレベルではない。
文章が巧い。
あなたが小説家を目指すおっさんなら、二重に衝撃を受けるだろう。
ここまで巧みで、ここまで圧倒的にリアリティをもった作品を執筆できるのかと。
その全てを以て、あなたの心を抉りにくる。
打ちのめされてこい。これが小説だ。
はい、次回は2/17ですよー。
ξ゜⊿゜)ξ ノ ⌒◇ <えいっ、ころころ。
地味なクラスメイトの川相くんですね!