53:猫が死んだ日。或いは野良を効率的に手懐け掴まえる迄の日。
ジャンル:エッセイ〔その他〕
作者:稲村皮革道具店本館
あらすじ
野良猫に、みだりに餌を与えてはいけません。このお話はあくまで実話を元にした創作であり、作者は無断で飼ったり名前を付けて愛玩したりは……していません。
犬派だった作者が洗脳され、その洗脳はある日突然終了する。そこに残されたのは……
キーワード
日常 サキュバス バンシー 野良猫 猫パンチ タマは無い 微モフモフ
掲載日
2019年 01月23日 10時12分
文字数
1,969文字
URL
https://ncode.syosetu.com/n6718fg/
感想
おもしろい名前の作者さんである。
彼のエッセイといえば、『俺達は今だからこそ「宇宙船サジタリウス」について深く考えなきゃならんのだ』がすばらしいのだが、アレについては以前わたしが活動報告で紹介していることや、年齢が割と上の方でないとそもそも「宇宙船サジタリウス」を知らない問題があるので回避。
よってこちらのエッセイを紹介させていただこうかなと。
猫の死はなぜかそれだけで1つの作品として成立する力がある。もちろん、死や恋愛は古代から未来まで文学の一大テーマであるのだが、人間以外の死を描いたモノの中で、猫の死は別格にパワーがある。
わたしも、「『神谷』さん家の『ネコ丸』が死んだ。」という短編を書いていますしね。
つい先日もマンガですが『三月のライオン』の15巻、話と話の間のページにある一コマのオマケマンガで作者の愛猫の死が詩的に昇華されていて、……泣ける。うぼぁー。
さて、この作品、1文目からの荒涼とした感じ、全体からふと人間のエゴや業を感じさせる文章。筆者の飲食店勤務ならではのリアリティ。
そして猫らしさを伝えてくる文章である。
ヘミングウェイから短編を好むようになり、ハードボイルドやサイバーパンクを好んだ時期もある読者にとって。
この作品のようにドライさとウェットな感傷の混ざる作品は好物であり、店の裏路地などというシチュエーションもまた大変好みなのである。
次は1/17ですよ。
ξ゜⊿゜)ξ ノ ⌒◇ <えいっ、ころころ。
不老不死×守護の獣ですね。猫のようで猫ではない。




