14:ドントプッシュ ザ ボタン
ジャンル:空想科学〔SF〕
作者:瀬川雅峰
あらすじ
あらゆる場面にAIが導入された近未来、
サラリーマンが担う仕事はどんどん少なくなり……
ついに「ボタンの管理」のみとなった。
未来の労働現場をモチーフにしたブラックユーモアSF。
5分で読めるショートショートシリーズ第6弾です。
キーワード
近未来 人工知能 ギャグ ダーク 男主人公 未来 職業もの ロボット
掲載日
2019年 02月23日 12時11分
文字数
3,359文字
URL
https://ncode.syosetu.com/n3503fi/
感想
後書きにこの作品はチャップリンの映画、モダン・タイムスに着想を得ているとある。
モダン・タイムスのテーマとは、労働とは何か、人は何のために働くべきか。
特に有名な前半部分のベルトコンベアと歯車のシーン。工場の機械の速度に合わせ、監視されながら過重に働かされる主人公が正気を失うそのシーンは、資本主義及び機械文明への警鐘として有名である。
80年前にチャップリンは機械と資本主義に支配されて馬車馬の如く働かされることに警鐘する作品を描いた。
では現代の作家は何に警鐘し、何を描くのか。
人工知能に支配され、働くことを奪われた人類である。
ありがちと言えばありがちなテーマである。
だが、一般的にそれは極めて高い失業率とか「パンとサーカス」的な世界として描かれるのではないだろうか。
この作品の良いところは、限界まで無意味な仕事が与えられていること。主人公がその与えられた無意味な仕事に誇りを持っていること。モダン・タイムスのチャップリンのように、その仕事で正気を失っていく様が実に良く描かれていることだろうか。
つまり、単なる批判や風刺ではなく、ブラック・ユーモアとして秀逸であるということなのである。
タイトルは「そのボタンを押してはいけない」そう言われると押したくなりますよね!
ポチッとな。
……あなたはこの紹介エッセイの評価ボタンを絶対に押してはいけない。
押すなよ!絶対押すなよ!
次は日曜日の零時台に。
ξ゜⊿゜)ξ ノ ⌒◇ <えいっ、ころころ。
……2018年冬の童話祭、最高の作品にして最大の問題作ですね。
クトゥルフ×童話。