116:今日も電波塔で龍が死んでいる
ジャンル
純文学〔文芸〕
作者
ふとんねこ
あらすじ
今日もまた、神秘と幻想が死んでゆく。
※カクヨムにも掲載しています。
キーワード
伝奇 日常 ファンタジー 龍 現代 書き手 夏 123大賞3
掲載日
2022年 07月04日 19時12分
文字数
2,560文字
URL
https://ncode.syosetu.com/n3949hs/
感想
2022年の純文学のランキングに長くいた作品なので
文明は神秘を、幻想を殺す。
圧倒的な闇の中、焚き火や洋燈の橙の明かりは、かき消されそうにか細く。闇の中には無数の神秘が、幻想が、怪異が存在できた。
だが電気による白き光は闇を切り裂き、科学が迷信を駆逐した。そうして彼らの存在を殺していったのだ。
文化人類学や民俗学では良く語られる類の言葉であろう。この作品にそういった意味でのオリジナリティがある訳ではない。
だがこの作品はそれを2500字の作品で過不足なく表現している。
タイトルからして完璧であろう。
龍は、英雄の剣でも、銃や爆弾ですらなく、電波塔で死ぬのだ。
なろう的なゲーム的ファンタジーではなく、エンターテイメントでもなく、幻想文学を、民話を、迷信を、そう言ったものを愛したことがあるなら。そうでなくとも古き世界に思いを馳せたことがあるなら。
この文章はあなたに刺さることだろう。




