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102:ウーアの住む駅

あけおめ!

紹介作がめでたくないけど!

ジャンル

ホラー〔文芸〕


作者

竹尾 練治


あらすじ

その駅に、一人のホームレスが住んでいた。彼の本名は誰も知らない。綽名は『ウーア』電車が通り過ぎる度に、子供のような声でウーアと叫ぶからだ。これは、俺たちとウーアの、一夏の事件。


キーワード

R15 日常 青春 サスペンス 怪談 サイコホラー 夏のホラー2020 ネット小説大賞九


掲載日

2020年 08月27日 23時54分


文字数

11,624文字


URL

https://ncode.syosetu.com/n7543gl/



感想

 正月一日からホラーになるあたり、さすがランダムという気がするチョイス。

 さらにこの作品はホラーと言っても、単に幽霊や怪物、超常現象によるホラーではない。人の心の醜悪さを描いたホラーであり、純文学ジャンルに投稿しても問題ないような作品である。


 ウーアとは田舎の駅にいる「頭のおかしいホームレス」のあだ名である。電車が来るたびに「うあー」と奇声をあげるためだ。

 主人公はその駅の側に住む男子高校生。鄙びた田舎から遠く離れた大学に行き、この土地から去りたいと思っている。


 人間の醜悪さ、特に時代に取り残されたような田舎の狭いコミュニティの悪しき側面、あるいは障碍者とは、と一般に人が目を逸らしているものを突きつけてくる。

 リアリティのある気持ち悪さ。

 しかしそれはどこにあるのか。主人公の醜さ、ウーアの醜さ、あるいはその他全ての作中の登場人物や社会の醜さは読者である私の・あなたの中に存在する。

 そう気づいた時に、この作品の恐怖・醜悪さは他人事ではなくなる。露呈するのは、自分の内にこびりついていた悪意なのだ。


 この短編の最後、どうなるのかは読者の想像に委ねられる巧みな終わり方である。作中に一切の無駄のないこのエンドには身の毛のよだつ思いがしたものだ。

 正月にはまるで向いていないが、お勧めの作品。



はい、明日は第103回は!


ξ゜⊿゜)ξ ノ ⌒◇ <えいっ、ころころ。


いんふれぬーぼー。

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ξ゜⊿゜)ξ <筆者のメイン小説をよろしくですの!
i521206
― 新着の感想 ―
[一言] 滅茶苦茶リアルなお話でしたね!! 私の地元にもウーアみたいなオジサンいたので、読んでて胸が苦しかったです……。
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