表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/29

新入りは狂犬

うちの新入りを紹介しよう。

俺と同じファムルスのオガ・マコト。


白髪にグレーの瞳を持つ狂犬だ。

いや、狂犬は比喩だ。犬じゃない。人間である。


狂犬って呼ばれているのは、あれだ。恐ろしく目付きが悪い上にいつも殺気だっていて背後に狼みたいな幻影が見えることから。

と、言いたいが、実は俺がボスに「野犬拾ってきたー」って連れてきた事から始まった。


軽い意味で言っただけだったんだけどなぁー。

反省はしてない。


で、つい先日俺と同じく相棒契約という名の首輪に繋がれたわけだが、まぁー強情だねあいつ。

よせば良いのに命令に背いては悶絶しているのをよく見る。

俺みたいに適当に従順してれば痛い目に遭わずに済むのに、ドエムなのか?とからかえば、十字架(大)で天井破壊して間接的攻撃をしてきた。

すげーな、短気にも程がある。


当然ボスや飼い主に知られれば酷い目にあうことは分かってたからお互い負傷してないことを察するや一目散に逃げ出したが。


まぁ、ちゃんとバレて折檻されたが。

でもアイツよりはマシだろう。アイツの飼い主はガチのサディストで有名だから、爪とか剥がされてないといいがな(笑)


なんでボスはあのダリルを付けたのか考えたが、やはり従順にしてなかったのが原因だと思う。

うちのボスは頭おかしいんだ。口に出すととんでもない事になるから言わねーけど。



ロンド地方最大の犯罪組織、スウェイ。

その歴史は古く、前回の聖戦にもちょいちょい出てきてた厄介な組織。何が厄介かって、あいつらファムルス狩りしてくるんだ。

しかも自前の召喚したファムルス使って。


あいつらは聖杯に興味がない。

興味があるのはファムルスの性質だ。


ファムルスの性質、それは神からもたらされた恩恵、と、ボスは言っていた。


ファムルスとバディを組むと、この世界の人間は急成長する。魔力を使えば使うだけどんどん増え、老化現象を遅らせ、スキルを大量に発生させることが出来る。


それはバディ・システムのせいだ。


女神からの勇者資格、バディの登録、武器の所持、これらの条件を揃える事ができれば、得られる経験値は三倍に跳ね上がる。

上手く使う事ができれば、誰にも負けない存在に成れるというわけだ。そしてファムルスからグラーテスされず聖杯を手に入れる事が万が一できたなら、世界の何もかもを我が物にできるのだ。まぁ俺は聖杯なんぞ無くても何でも手に入れるがな。


これが恩恵と言わずとしてなんと言う?

ということだ。


この世界の人間は、異常者を除いて、どんなに頑張ってもレベル30でステータスの成長が止まる。それが突破出来るのは特別な存在になれるという素晴らしい事らしい。


俺も最初聞いたときに興奮した。

ゲームのレベルアップを自分の体で体感できるのだ。

実際善かった。その感覚が忘れないから今回も参加したと言ってもいい。


だが、今回は運悪くこのスウェイに召喚されてしまった。


あいつらは自分よりも強い相手を踏みにじる事に快感を覚える。ファムルスはレベルアップする度にどんどん強くなって人間離れをしてくる。それを縛り付けて痛め付けるのが楽しいらしい。

くそ過ぎる。


だから今回他所の女神からの介入に心から喜んだ。

幸いにも俺のバディは頭が悪かったから上手くノせて誘導した。まさか他所の女神が、駒である勇者の居所を知らせるなんて思いもしなかったから少し警戒したが、実際に結界が綻んでいて、ファムルスも発見した。


予想外もあったが、見事巻き込むことに成功した。

いやー、嬉しいねー。同じ地獄なら、一人よりも二人ってね。あれ?もう友達になれるんじゃん?って。


蓋を開けてみたら狂犬だったわけだけど(笑)


あーあ、やっぱり俺が逐一アイツのこと『今日の狂犬』って報告してたからダリルつけられたのかなー?悪いことしたなー!

まぁいいかー!!


益々気配のトゲが鋭くなってるし、十字架を持って何かを高速で呟いてるけど、ファムルスだからちょっと壊れてた方が楽しいよな!


さーて、今日も絡みに行きますかー!
















今日も今日とて源本がウザイ。

そんなに俺が折檻されたのが面白いか。

しきりに俺の手の爪を見てくるが、なんだ。

爪でも剥がされたと思ったのか?


残念。むち打ちだ。

くっそ痛いアレ。


ウィンドウには複数のスキルが駄々上がりしていた。

主に《回復魔法》や《受け流し》スキルだが。

《耐久値》や《鑑定(攻撃予想)》もか?最近色々ありすぎて逐一確認できていない。


とにかく、間接的に攻撃出来ることは判明した。

だが、この建物内での武器発動を禁じられたので、別の方法を探さないといけなくなった。

どっかにダイナマイトないか?

一気に爆破して生き埋めにしてやりたい。


「背中痛い?」

「うっせえ触んな殺すぞ」

「殺してみろー」


まずはこいつを一番に始末する。

ダリルよりも先にだ。


十字架を弄りながら心のなかで全力で祈って(呪って)いると、《精神力》が上がるのがわかった。何に使うのかは知らねーが、増えるのなら増やす。

あとついでに文字の見えない■■■もレベルが上がってる。なんだかわかんないけどこいつも頑張って増やそう。


「お前これから馬車襲いに行くんだって?がんばれー」

「は?聞いてないぞ?」

「あれ?」


源本はしばらく考えて、はっとした顔をした。


「あ、今言ったわ」

「……」


忘れてたなこいつ。


「狂犬、お前の“ご主人”が呼んでるぞ!あと一分で来ないと刺すってよ!」


ギャハギャハ笑いながら通りすがりに男が言った。


「早く行けば?ご主人の元に(笑)」

「……」


源本に無言でファ●クサインをすると、急いでダリルの気配を探って向かった。

ムカつく野郎だが、折檻はがちで痛いので従うしかない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ