チート名鑑2
活動報告で、この作品について報告があります。
チートの分類について。
例えば山登りの場合……。
「登山の練習をしよう」と思っていると、スタミナ関連のスキルを習得しやすくなる成長補正型。
「俺は体力に自信があるぜ」と思っていると、スタミナの最大値が増える能力向上型。
「ずるして先回りしてやろう」と思っていると、攻撃するときにワープできる戦闘補助型。
「疲れるの嫌だな」と思っていると、スタミナの回復が早まる自己保存型。
「最短ルートは?」と思っていると、地図が頭に浮かぶ特殊能力型。
「車とかロープウェイに乗りたい」と思っていると、乗り物を作り出す生産型。
……になる。
戦闘補助型
『致死』〈クリティカルヒット〉
〈攻撃に即死判定が生じる〉
最大レベル3
反則性 A 事前の対策を要する
優秀性 D 正直ハズレ
発覚 モンスターに攻撃していると、たまに即死したため
糸杉不芳のチート能力
言うまでもなく、ぶっちぎりで危険な能力。
自分の攻撃に『一定確率で即死』という効果が加わる、典型的な戦闘補助型チート。
幸運の上がるバフやら、即死耐性を下げるデバフやらをかけても、この『一定確率』は変わらない。
チート能力を変動させることができるのは、チート能力だけだからだ。
逆に言うと糸杉の幸運値を下げても、攻撃を受ける側の即死耐性を上げても、『一定確率』に変化はない。
この一定確率はお世辞にも高くないので、使い手本人からすると戦術に組み込めるものではなく、当たったらラッキー程度である。
だが敵対した理にしてみれば、その一定確率が具体的にはわからないし、わかったとしても運次第で死ぬので怖くて仕方ない、最悪のチートの一つだった。
作中でも描写されたように、彼が生きている限り一年A組には勝ち目があった。ゼロではない、という程度だが。
ちなみに、自己保存型チートの『生還』〈セイブライフ〉や特殊能力型チートの『無駄』〈シンプルモード〉に対しては全く無意味となる。
また運を上げる『豪運』〈キングロード〉なら『一定確率』に干渉でき、非現実的なほど即死成功率は下げることができる。
同じように『一定確率で発動する追加効果』を無効化する自己保存型チート『定数』〈トリックダイス〉でも、完全に無効化できる。
『倍速』〈フラッシュフラッシュ〉
最大レベル3
〈攻撃回数が増える〉
反則性 C 注意が必要
優秀性 B 選択できるのなら候補に入る
発覚 的に攻撃したとき、何回も攻撃できた
勝飛 駆のチート能力。
物理攻撃をした場合、攻撃回数が増えるという単純で強力なチート能力。
攻撃力が何倍も増えるのだから、弱いわけがない。
ただ相手の防御力が高いと、何回もかすり傷を与えたという程度に収まる。
凶悪な性能を発揮するわけではないが、安定して高火力を出せる。
効果もわかりやすいので、あたりの部類だろう。
『延長』〈コードレス〉
最大レベル3
〈攻撃の射程が伸びる〉
反則性 B 戦術で対応しなければならない
優秀性 B 選択できるのなら候補に入る
発覚 的へ遠くから攻撃できた
遠藤 当のチート能力
物理攻撃の当たり判定が拡大するという、やや変則的なチート能力。
相手の攻撃が当たらない距離から一方的に攻撃できるため、とんでもない大ぶりもできる。
また敵にしてみればどこからどこまで届くのかがわからないため、非常に厄介。
実力が近く、一対一での戦いなら、相当優位に進められる。
『蓄積』〈ダメージジャンキー〉
〈チャージスキルが高倍率で発動〉
最大レベル5
反則性 B 戦術で対応しなければならない
優秀性 A 大当たり
発覚 チャージを覚えて使用したとき、大威力が発揮できた
甲賀 累のチート能力。
力を溜めて次の威力を上げる、チャージ系スキルの効果を上げるチート。
ダメージジャンキーの名に恥じず、極めて高火力を出せる。
ただそれだけと言えばそれだけだが、チームプレイにおいて優秀性は極めて高い。
仮に最大レベルまで成長すれば、理をワンパンできたかもしれない。
それぐらいに、高い火力が期待できるチートだった。
『弱体』〈ダウンコード〉
〈攻撃に能力低下が加わる〉
最大レベル5
反則性 C 注意が必要
優秀性 C 当たりでも外れでもない
発覚 モンスターに何度も攻撃したところ、相手がどんどん弱っていったため。
出羽 風のチート能力
攻撃にデバフが乗る、『致死』〈クリティカルヒット〉と同類のチート。
攻撃力を下げる、防御力を下げる、素早さを下げる……という効果であり、毒などの状態異常とは別。
能力低下を防ぐことは無理だが、治療は可能。
そのため反則性は低いが、逆に言うと相手の手を一つ潰すことになる。
その点も含めて、速攻よりも遅攻向けのチートと言える。
ぶっちゃけデバフ魔法は結構あるので、そんなに特別ではない。
そのため優秀性は低い。
自己保存型
『無敵』〈ダメージシャッター〉
〈攻撃でダメージを受けない〉
最大レベル3
反則性 A 事前の対策を要する
優秀性 A 大当たり
発覚 自分の手にナイフを刺しても、まったく刺さらなかったことから
星 光のチート能力。
物理攻撃、魔法攻撃でダメージを受けないという、典型的な自己保存型であり、その中でも最強候補にはいる。
シンプルに強いため、反則性も優秀性もぶっちぎり。このチートを持つ者に対しては、即死や状態異常などで攻めるしかなく、それが無ければ詰んでしまう。
状態異常を防ぐアイテム、装備などを固めれば、一方的に攻撃できる。
無敵の名に恥じぬ、強力なチートと言えるだろう。
『金剛』〈ノイズキャンセラー〉
〈状態異常を無効化する〉
最大レベル3
反則性 D 単体なら問題ない
優秀性 B 選択できるのなら候補に入る
発覚 弱めの毒を自分の手に垂らしても、ダメージを負わなかったため
目次 伽藍のチート能力。
毒、酸、麻痺、火傷、呪い……などの状態異常を無効化するチート能力。
毒蛇に噛まれた場合、傷は負うが毒は効かない、というもの。
それだけと言えばそれだけだが、未知の攻撃に対して警戒を薄くできる、ということでもある。
敵対した相手からすれば普通に殴ればいいだけだが、本人からすればあたりの能力だろう。
メッキ、がらんどう。
『代謝』〈オートヒール〉
〈状態異常やダメージが勝手に治る〉
最大レベル3
反則性 C 注意が必要
優秀性 B 選択できるのなら候補に入る
発覚 試しに傷をつけたら、凄い速さで治ったため
生酢 菜緒のチート能力。
自然治癒能力が高くなる、というチート。
能力向上型に近いが、あくまでも自己保存型。
もちろん傷自体は負うので、痛いものは痛い。
状態異常と普通のダメージの両方に効果があるため、『無敵』〈ダメージシャッター〉や『金剛』〈ノイズキャンセラー〉の下位互換というわけではない。
傷が治る
『無尽』〈エンドレス〉
〈スタミナ、魔力の回復が早い〉
最大レベル3
反則性 D 格下なら問題ない
優秀性 B 選択できるのなら候補に入る
発覚 試しに走ったところ、すぐ疲れが抜けた
日野 のぼりのチート能力。
『代謝』〈オートヒール〉と同じタイプの、能力向上型に近い自己保存型チート。
能力向上型の場合は、持久力や魔力の最大値が増す。
なお、効果はだいたい同じ。
本人からすれば便利な能力だが、格上の敵にとってはさほど意味がない。
『生還』〈ライフセイブ〉
〈即死攻撃無効〉
最大レベル3
反則性 E 考慮に値しない
優秀性 D 正直ハズレ
発覚 不明のまま終わった
黄泉 行のチート能力。
即死を無効化する、という単純なチート。
『金剛』〈ダメージシャッター〉と同じタイプだが、即死を仕掛けてくる敵が少ないことを考えるとかなり使いどころが限られる。
もちろん即死攻撃しかしてこない敵、あるいは即死が強い敵と戦う場合は強いのだが……。
そうした限定的な条件でしか意味がないと言える。
自己保存型の中では、異例なほど反則性も優秀性も低い。
『無償』〈リスクレス〉
〈呪われた道具の代償を支払わなくて済む〉
最大レベル1
反則性 ? 評価不能
優秀性 ? 評価不能
発覚 家にあった呪物をもっても、呪いを受けなかった。
ボール・マックス(円木 全威)のチート能力。
強力な効果を持つ代わりに寿命を削るなどのデメリットがある呪われた道具を、なんのリスクも負わずに使用できる変則的な自己保存型チート。
反則性も優秀性も武器防具道具に依存しているため、環境に左右される能力と言えるだろう。
少なくとも1年A組が転移した世界には、そうした道具はほぼなかった。
ただボール・マックスはフル活用できる世界に生まれ、これで世界を救っていた。
収集力や運に左右される、主人公向けのチートと言える。
特殊能力型
『無駄』〈シンプルモード〉
〈チート能力を無効化する〉
最大レベル1
反則性 C 注意が必要
優秀性 D 正直ハズレ
発覚 星光を叩いたら、ダメージが通った
無情愛のチート能力。
他のチート能力を無効化する、という主人公向けのチート。
修行の段階で効果を発揮する成長補正型や、道具を生み出すときに効果を発揮する生産型には無意味。
ただし他の種類、特に自己保存型にとっては天敵と言えるチート。
また多くの特殊能力型にしても、かなり怖いチートと言えるだろう。
だがこれは他の特殊能力型にも言えることだが、ある程度地力が無ければ意味はない。
またチートを持っているのは味方だけなので、理が敵対しなければまったく無意味に終わっていた。
『再開』〈ドッグイヤー〉
〈セーブポイントへ時間逆行する〉
最大レベル1
反則性 A 事前の対策を要する
優秀性 E 大外れ
1 保持者が死亡すると発動する。この死んだ時間をゴールポイントに設定する。
2 保持者は死亡した時間の一年前に戻る。その戻った時間がセーブポイントとなる。
3 以降一年の間は、何度死亡してもそのセーブポイントへ戻る。
3-2 つまり際限なく過去へ戻ることはできない。
3-3 習得した魔法やスキル、レベルや能力値は更新される。
4 ゴールポイントで死亡せず生き残った場合、セーブポイントは消える。
5 ゴールを超えた場合、一年の間この能力は再発動しない。
特記事項 保持者が自殺した場合、この能力は発動しない。
いわゆるループ系の特殊能力型チート。
武装などは無理だが、経験が蓄積されるため成長補正型の完全上位となりうる。
しかるべき人間が手に入れていれば、この上なく脅威となる能力。
とはいえ、それこそ『物語の主人公』でもなければ本人がつぶれる。
周囲へ情報の開示をしても能力そのものでデメリットが生じることはないが、周囲との軋轢を生みやすい。
理の『解析』〈ウォードウィスダム〉とは相性が悪い。
ループを終わらせる方法が分かるのだから、自殺するまで拷問するという方法であっさり対応できてしまう。
とはいえ離島自身も理がステータス閲覧の能力を持っていることは理解しているので、この点はあまり意味がないともいえる。
ただ理が彼へ拷問をしなかったのは……。
ぶっちゃけ拷問をしたくなかったということと、下手に拷問をしてそのさなかに死なれると『絶対ぶっ殺してやる』という心境になるのを防ぐため。
また本人へ伝えたように『今まで頑張らなかった奴が、何十年も努力できるわけがない』と考えていたから。
もちろん魔王への配慮として『自分のチートを使いこなせず無様に死ぬ』ところを見せたかったというものもある。
離島来人 りとらいと リトライ
生産型
『建城』〈セーフティエリア〉
〈建造物を生み出せる〉
最大レベル10
反則性 E 考慮に値しない
優秀性 B 選択できるのなら候補に入る
発覚 なんか出ろ、と願ったら小型のテントが出てきた
天宮 まもりのチート能力。
他の生産型同様、最初は弱いが成長と共に強大になっていく。
最初は積雪にも耐えられない小型テントぐらいしか作れないが、成長と共に宿屋や、果ては要塞までどこにでも建造できる。
ただそこに至らなければ、戦闘で役に立つものではない。
理にとっては、意味のないチートだった。
『底無』〈ビッグボックス〉
〈アイテムボックスを生産できる〉
最大レベル10
反則性 E 考慮に値しない
優秀性 B 選択できるのなら候補に入る
発覚 なんか出ろ、と願ったら小箱が出てきた
風呂敷 つつみのチート能力。
中に入れた物の重さを消せる、大きなものさえ収納できるアイテムボックスを生産できる。
そこだけ聞くと強そうだが、生産型であるため、最初は弱い。
初期レベルでは、あまり多くの物、大きなものを収納できなかった。
成長すれば、中身を長期保存できたり、巨大な船さえも手のひらサイズの箱に収めることができた。
『製薬』〈ハイポーション〉
〈効果の高い薬品を生み出せる〉
最大レベル10
反則性 D 格下なら問題ない
優秀性 C 当たりでも外れでもない
発覚 なんか出ろ、と願ったら薬草が出てきた
草冠 楽のチート能力。
そのまま、薬を生産するチート。
初期レベルでは傷薬ぐらいしか作れなかったが、成長すれば瞬間的に強化できる薬や、強い効果のある薬も生産できた。
だがそこに至るには、多くの挫折や奮起、再起が必要だった。
今後もよろしくお願いします。




