5.食料問題
旅に出たあとの話です。
お腹すいた!どこかに、食べ物は……あっ!あれは!!美味しそうな苺、真っ赤な真っ赤な苺!
「いっただーき……ぐむっ!」
「…嬢ちゃん。死にたいのか?それ、サボテン」
え?サボテン!?
あー…苺がサボテンに……真っ赤な真っ赤な苺が、黄緑の黄緑のサボテンに…。
「よーくーもー……私の苺をーーっ!!」
「えーっ!?俺、何もしてない!!」
「煩い、黙って」
旅人さんは、ひぃっ!とでも言いたげな顔をしています。
そりゃあそうだね、私はとてつもない顔で睨んでるから。
そんなことより。
この旅人…っ、よくも……っ!よくも私の苺をサボテンに。
「本当に何もしてない!痛いって!」
「旅人さん」
「何!」
「死んでください」
「さらっと酷いこと言ったーーっ!!」
何?私はただストレートに死ねって言っただけ。
「食料あげるから許して!」
ピクッ。
「食料…ください。殺さないであげるから!」
「酷い!…あげるから許してくれよ?」
旅人さんはカバンから何かを取り出す。…干し肉。
「ありはほうごはいはふ。ほふひょうふれへ(ありがとうございます。食料くれて)」
「何て言ってんのか、わからない」
いやー、干し肉って意外と凄く美味しいんだねっ!
……脅迫ですね。