フランと美鈴
紅魔館地下牢
「お姉さま遅いなあ・・・」
トントン
「お姉さま?」
「誰かいますかあ?」
「え?誰?」
「あ、いるんだwお邪魔しまーす」
赤いロングヘアーに武道着の女が入って来た。
「お姉ちゃん誰?」
「あ、すいません。私は、紅・美鈴と申しますw美鈴とお呼び下さいw」
「美鈴?私フランドール・スカーレットていうの、よろしくねー」
「実は迷子になってしまいwフランドールちゃん、食堂はどこか知り・・・・え?スカーレット??ま、まさか、主様の娘!?」
「そだよー、食堂はねー・・」
「いやいやいや!食堂はもういいです!」
その場にひれ伏す美鈴
「こ、これはし、失礼を!フランドール様!」
「あははは!いいよ、別にー、それからフランのことはフランて呼んでー?」
「そ、そんな恐れ多い、無理です!」
「むっ。・・・んじゃー許さない!」
「・・・わかりました・・フ、フラン、様」
「さま?・・・うーん、ま、いっか」
ホッと胸を撫で下ろす美鈴
「フランね、フランて呼ばれるの好きなんだー!お姉さまが呼んでくれてる名前だから」
「お姉さまが好きなのですね」
「うん!美鈴も好きだよー、面白いし、フランて呼んでくれるしw」
ん?お姉さま?・・・・
「フラン様、お姉さまというのは、レミリア、様、のことですかね?」
「そだよー!美鈴、なんでも知ってるねー」
確か主様が・・・・・・レミリア様は・・もう・・
「-リン!メイリン!美鈴!」
ハッ
「な、なんですか?フラン様?」
「どうしたの?ぼーっとして?お腹空いたの?」
「そ、そうですねー、背中とくっつきそうですw」
「あはははは!仕方ないなあ、フランのごはんあげるよー」
「あ、いやいや、そんな豪勢なもの・・・」
(・・・・目の前に出てきたのは、明らかに昨日の昼に自分たちが食べ、そして残したパンだった)
「フラン様、これは?」
「ん?今日の晩御飯だよー?あれ?パン嫌いだった?それともメイリン大きいから足りない?今日は二枚もあったんだけど、一枚はお姉さまのだから、ごめんね?」
(・・・くそっ!私は馬鹿だ!こんなとこに閉じ込められてそんないい境遇なわけがない!恐らくなにもしらないまま幽閉されたのだろう、この子に外の世界を教えてあげたい!この子に自由を!)
「フラン様!」
「こっちのは駄目だよー?」
「フラン様!ここからでましょう!」
「・・・?でる?でもお姉さまがまだ・・」
「レミリア様は死んだのです!!!」
(し、しまった・・・)
「・・・・・・・・」
「美鈴?いま・・なんて?」
もう全てを話そう、フラン様の為に・・・
「レミリア様は、もう・」
「嘘だ!!嘘だ嘘だ嘘だ嘘だーーーー!!嘘つきメイリン嫌いだー!」
「くっ。確かに主様が、そして、次は妹の、ほ、う、、だと・・?」
妹?・・・・・・フラン様のことか・・こんな年端もいかない子供を・・・なぜ?・・・・・・・・いや、理由がどうのではない!
「美鈴なんか嫌いだあー!うわーーーん!」
(レミリア様の件も見たわけではない。可能性は低いが、私はフラン様をこの境遇から救いたい!悲しませたくない!つらい思いをさせたくない!あの無邪気な顔で笑ってて欲しい!死なせたくない!・・・・・なら、やることは一つだ!紅・美鈴!!!)
「フラン様!!!」
ビクッとしてフランが一瞬泣き止んだ
「申し訳ありませんでした!!レミリア様は生きています!嘘をついてすいませんでした!お詫びにこれからレミリア様の所へご案内します。そして、この先いかなる障害があろうともフラン様を守ると誓います」
「グスッ、それは嘘じゃない?」
「この紅・美鈴!生涯!フラン様に嘘は言わぬと誓います!」
「・・・・・・絶対だよ?」
「絶対です!」
「それじゃあ、まずお姉さまに会わせて!」
「お安い御用です!」
図書館隠し部屋
(パチュリーが来るまで本でも読んでいようかしら)
すぐわかる吸血鬼講座・・・・・・・・私の彼は吸血鬼・・・・・・・・・・吸血鬼血液型占い・・おいしい血液はB!・・・ろくなのがない。
(ん?・・吸血鬼の弱点100選・・・嘘くさいけど見てみましょうか・・)
日光
灰になります
(・・・・ならないわよ。昔遊んでたし・・・苦手は苦手だけどw・・)
水
溶けます
(・・・・溶けません!泳げないけど・・・・)
銀のナイフ
傷を再生出来ません
(・・これは、分からないわね、、あっ!ナイフ見つけ!試してみよ!)
・・シャッ!
(・・・・・普通に再生します・・・)
(あーもう!役に立たないわね!)
ガチャ
「あ、パチェ、おかえり」
ニヤニヤしながら様子を伺うレミリア
「ただいま、てレミィ、仕返しのつもりかしら?略すなら、パチェじゃなくて、パチュよ・・」
ッ・・・!!?
顔が赤くなるレミリア
「わ、わ、わざとよ!パチェのほうが呼びやすいでしょ!」
「はいはい、なんでもいいわ、続きをやるわよ」
「ほ、ほんとよ!?・・・てかお父様はやっぱり続きの期間を?」
「・・・ええ、でもなんせ吸血鬼を殺せるような、大掛かりな魔法よ?目一杯、時間はとったわ」
「流石パチェ!私の親友!で?期間は?」
「・・・今日入れて三日・・」
「・・・え?聞き間違い?それって明後日にはフランが殺されるってことじゃない?」
「あら?私とレミィの二人なら長すぎるくらいだと思わない?」
「そ、そうよね、一日余るくらいだわ!」
・・・・なにか憎悪のかたまりのような視線を感じる
そちらを振り向いた!
小悪魔が泣きながらこちらを睨んでいた・・・・・・
(わすれてた)
「こあ?なにを勘違いしてるの?」
首をかしげる子悪魔
「こあ。あなたは私達がどうしても駄目だった時の最・終・兵・器。なのよ?切り札をあてにした策なんて策じゃないわ」
徐々に笑顔になる小悪魔
(・・・・さすがパチェ)
「さて、続けるわよ?まず美鈴については確実性もなく、最悪相手に情報が洩れる恐れがあるから後にするわよ?」
「といっても兵は全部向こう、あと屋敷にいるのは・・メイドくらいよ?」
「そう、メイドよ」
「・・・・はあああ??メイドなんて戦えるわけないじゃない!スプーンとフォークで剣に勝てるわけないじゃない!」
「惜しい!・・・ナイフよ」
「は?」
「しかも銀のね」
「銀?あー、本に書いてた?あれなら無駄よ?」
「あなたには、ね。あなた忘れたの?あなたはハーフの吸血鬼、だから耐性が少しはあるの。その分、吸血鬼としては少し劣るけど。それに、あの実験の前まで毎日乗っていた魔法陣、あれは本来物凄い激痛を伴うのよ?平気なあなたを見て、正直驚いたわ」
そういって、ナイフに向かい詠唱を始めた
「銀のナイフ、これだけでも十分だけど、魔力を帯びたらかなり強力よ?・・・試してみる?」
「こんなの利かないって、私達吸血鬼には魔法耐性もあるのよ?」
グサ!
ナイフを取り、左手を思い切り刺してみせた
「ほら、なんとも?あれ?塞がらない?」
出血と共に痛みもでてきた
「レミィ!!」
慌てて治癒魔法をかけるパチュリー
「もう!加減しなさいよ!」
「ご、ごめん、でも本当にすごいわね」
「あなたでこれだから純血なら、もっとよ?」
純血・・フランの周りには銀を置かない様にしなくちゃ・・・
『ツッ!」
『レミィ?まだ痛むの?」
「ん?大丈夫」
(なんだ?今の頭痛は?ものすごい一瞬だけ意識が飛んだような・・・・まあいいか・・)
「パチェ?でもこのナイフ、誰が使うの?戦えるメイドなんていないわよ?」
「あなた、大事な人忘れてるわよ?」
「大事な人?」
「ヒント、メイド長」
・・・・・・・・・・
「ヒント、作法」
(・・・・・・・え?)
「ま、まさか、あいつ?てか、あいつてメイド長なの?」
静かに頷くパチュリー
「えええええええぇ!!!!」
「あなたには作法の訓練ぐらいでしか面識ないから、知らないだろうけど、この屋敷全体の管理は彼女1人によるものよ」
「えええええぇぇぇ!!」
「それに彼女の強さはあなたもよく知ってるはずよ?」
「でもなー、あいつ、妙にベタベタしてくるから苦手なのよねー」
・・・・
「・・妹様の為でも?」
「うーん・・仕方ないか・・・でも生きてたんだ、あいつ・・」
(ツ!まただ、またこの頭痛。なんなのよ、これは?)
「レミィ?」
「あ、ごめん。寝てないせいかぼーっとしてた」
「頼むわよ?大事な話なんだから」
「で、なんだっけ?」
「そう、彼女は十六夜様の妹ということも主様だけに限らず、私以外の誰にも伏せてましたから標的にはされませんでした」
!!!!!!!
「ええええ!!!姉妹!!!!????」
「元は十六夜様と同じく吸血鬼ハンターでしたしね」
「えええええ!!!!・・・・・ぶっこみすぎ・・・・」