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なんかやばい匂いがプンプンしますな

こんな感じで書いていきます。

幸せとはいったい何なのだろうか?

普通とは不幸とは、いったい何なのだろうか?


いったい何をもって幸せとなされるのか。

いったい何をもって不幸とするのか。


もしも、この世に存在するすべてのものが幸せでも不幸でもなかったのなら。

もしも、この世の中に具現する普通が幸せとあらば。

何故我々はこんなところで生きているのだろうか。



はたして俺は、幸せなのだろうか。それとも不幸なのか。



――――こんなのはおかしい。

もうこれを思ったのは何度目だっただろうか。

 俺が通っている学園――私立春多喜学園は、普通に一般的な学園のはずなのだ。学園は俗に言うマンモス校で、三万人と言う人数がこの学園に通っているが、それだけだ。みな同じ受験と言う試練を乗り越えて集った、高校生の集団。条件はみな同じはずなのだ。この俺、東堂優一だってそれは同じのはずだ。

――――なのに、何故なんだ。何故こんなにも、こんなにも………

「俺の周りにいるのはリア充ばっかりなんだー!!??」

俺は空の向こうにおわすであろう神様バカに届けと願い、絶叫と成り果てた悲鳴を上げる。

俺の絶叫がこだまする一の七教室。時はすでにお昼。みんなおのおの作ってきた弁当を食べている。そう、おのおのの彼氏彼女が作った弁当を食べているだけだ。

右を見てみる。

女の子が彼氏と思われる男に「あ~ん」ってしている。結構かわいい子だ。それに対して男の方は不細工と行かないまでもぱっとしない外見だった。あれだったらきっと俺のほうがいい。

 今からでも遅くない、彼女に俺という存在を教えてやったほうがいいんじゃないか?

うーむ、何とかしてアピールなるものを………。

「はぁ」

羨ましい。とっても羨ましい。……あの男はいつか呪われて爆発する。いや、させる。絶対!

帰ってさっそくポストを開けた瞬間時限爆弾がドーン。

…………さすがにそれはまずいな。後で水筒に鼻くそでも入れておこう。そうしよう。

 左を見てみる。

 男が彼女と思われる女の子の頬に付いたご飯粒とっていた。ご飯粒をとられた女の子は恥ずかしそうに頬を染め僅かにうつむく。………いいねぇ。もしあんな女の子が俺の彼女だったら………考えただけで華々しい世界が広がる。ばら色だ。マジばら色だ。………それに比べて男の方ときたら。頭に髪の毛と呼べるものが存在しない。野球部かなんかだろうか?

 ……不釣合いだ。俺が勝手に思っているだけかもしれないが不釣合いだ。

 まず一つ聞いていいか?何で野球部ってもてるの?坊主だからか?運動できるからか?

 客観的に考えていこうか。野球部がもてる理由についてだが……まず坊主についてだ。坊主だからもてるというのはおそらく当てはまらないだろ?だってお坊さんがもてていないしな。

 次だ、運動できるからか?一応いっておこうか、俺は中学の頃野球やってたぞ?ピッチャーやってたぞ?運動神経バリバリあった。なのに、なのに……もてなかった!!!いったい何が違うって言うんだ?あいつと俺と。

首を正面に戻す。

いちゃいちゃするカップル。

右斜め四十五度を見てみる。

いちゃいちゃするカップル。

左斜め―――………。




「喧嘩売ってんのかー!!!!」

おかしいだろ!?あんまりだろ!?そりゃあね、高校生にもなれば彼女の一人や二人できると思いますよ?でもね、何で俺には出来ないの?そりゃあね、みんなきっと色んな事やったんだろうよ?だけどさ、だけどさ!


入学式からまだ三週間しか経ってないのに、もうリア充になっているとかどういうことだよおおぉぉぉぉ!!


 今四月の終わりだぞ!?やっと顔と名前が全員分覚えられた頃だろう?やっとクラスになじんでみんなでゲーセンとか行くようになった頃だろ?

 どれだけ段階を飛ばせばクラスのほとんどが彼氏彼女持ちになんてなるんだ!!??

どんなテクを使ったんだよ!?俺なんかようやく女の子とまともに話せるようになっただけだぜ!?しかも全員彼氏持ちなんだぜ?あーむしゃくしゃする!!

しかも………

「五月蝿い。優一氏」

俺の近くには男が一人。一応言っておく。俺と関係を持っているのは決まって変わり者か変な者だ。この男も例外ではない。名は夢和登勢ムワトセ。名前だけでもたいそう変な名前ではあるのだが、こいつが変なのは名前だけじゃない。いや、高校生ですらないように感じる。なぜならこいつは、高校一年生にして三十五歳という年齢だからだ!!おじさんだ。留年二十年目だ。

しかもおたくだ。おたくのくせして筋肉達磨だ。今時本当に名前に氏を付ける人なんてここに来てはじめてあったぞ?

そのおっさんは椅子が小さく座りにくそうだ。だが気にすることもなく正面に俺も座りなおす。

「すいませんおっさんと違って俺は忙しいんです」

「誰がおじさんだ?」

「あんたのことだろ!!??だいたいどんなことをすれば留年二十年なんてなるんだ!?」

というか留年二十年なんていいのか?いろいろ問題あるだろ。こんなおっさんが同じ学年同じクラスで一年間過ごすなんて………どんなトラウマ植えつけられるかわかったもんじゃねえよ。

「まったくお主は、年長者に対しての礼儀を欠いているぞ?」

「だったらどんな態度で接すればいいんだよ……」

「普通でよい普通で」

「だから普通に接していたでしょ!?」

「そうだったか?………まあそんなことはどうでもいいだろ。留年した理由だったな。いやーお恥ずかしいことだが、俺も昔は結構やんちゃでな。家に彼女連れ込んでいろんなプレイであなぁ塞いでたら――――」

「すいませんもういいです。爆発してください」

こんな奴でさえも昔はもてていたのか………。世界はどこまで理不尽なんだ!!!

「あの時の女の子たちのやめてーと言う悲鳴。思い出すだけでもぞくぞくするなあ」

……………。

…………ははは、なんだか俺、ずいぶんと年取ったらしいな。

まさか目の前にいるおっさんがそんなことやって留年二十年なんかで許されるわけが………。

俺はおっさんに思いっきりひきつった笑みを見せると、おっさんもにっこりと笑みを返してきた。

―――すべて本当だと、その笑顔は語っていた。

「おまわりさーん!」

断言するが、こいつはやばい!


「おにぃちゃぁんー!」

「がふっ?」

我が妹がものすごい勢いで腹に突進してきた。

「お兄ちゃんパン買ってきたから一緒に食べよ?」

俺の妹、東堂幸。双子ではない。背は俺よりもはるかに低く、髪は肩まで伸びたストレート、桜をかたどった髪飾りがよく似合っている。こいつも俺の妹とはいえ変わっているのだ。まず頭がおかしい。こいつは十二歳だ。今本当なら中学一年のころあいだ。なのに、何故か飛び級なんぞでこんなところにいる。一応これだけではただの頭のいいやつなのだが、こいつが小学の頃にはすでに大学も卒業している。

 みんなも名ぐらい聞いたことがあるだろう、アメリカにあるハーバード大学首席で卒業。存在そのものがチート過ぎる。


 何で神様は人を平等に創らないんだ?


で、なぜか俺と一緒にいたいという理由だけでこんなところにいるのだ。能力の無駄使いもいいところだ。


「んっふぅー。お待たせ優一、トセさん」

「おお、さんきゅう佐奈」

「すまないな、佐奈氏」

幸と一緒に入ってきた佐奈がパンの入った袋を机に置く。

 斉藤佐奈。俺の幼馴染である。他に比べれば……普通の部類に入るかもしれない。こいつは普段接している分には特に問題はない。昔いろいろあってメンタルがものすごく弱い。幸とは違い出るとこ出ててプロモーションはすばらしい。

髪も長く華奢な外見もものすごくかわいい部類に入るから、お近づきになりたいと昔はよく思ったもんだ。

「ねぇ、お兄ちゃん?何で幸を無視するの?」


「はぁ」

昼飯のパンを貪りながら俺は溜息を漏らす。

「どうしたのお兄ちゃん?溜息なんかついて」

俺の膝の上でパンを食べている幸が声をかけてきた。

「幸氏よ、優一氏は男と言うものに嘆いているんだ。主に他の男に彼女が出来て、こやつにできないと言うのはどういうことかだがな」

「何だそんなことなら私と付き合おうよお兄ちゃん」

俺はたった今家族から犯罪者になれと言われた。

俺は幸の頭を一度撫で、

「俺は品乳に興味はねぇ。あと六年経ったら出直して来い。それとそこどけ」

あと、品乳に興味がないってのは嘘な。

ただ単に離れさせるための口実である。

「じゃああと六年経ったらお兄ちゃん私と付き合ってくれるの?やったー」

………ワ~なんというポジティブシンキング。

「付き合わん」

幸が「えー」ともらす横でおっさんは言った。

「それなら佐奈氏などどうだ?」

「――あ」

今言葉を漏らしたのは俺の膝の上に座る幸のものだ。

………空気読めよ。俺が彼女ほしいと言っていて、こんなかわいい女を理由もなくほっぽってるわけがねぇじゃねぇか。

「振られてるよ」

「なぬ!?そうであったか。仲睦まじい雰囲気であったからてっきり……」

佐奈は一瞬俺を見て少し俯いた。

嘘だ。佐奈に告白なんてしたことないし、されたことも無い。


佐奈だけはダメなんだ。


俺たちが互いに俯きあっていると、さすがにバツが悪いと思ったのか、ジジィが耳打ちしてくる。

「だが、優一氏よ。諦めるのはまだ早いぞ。ここだけの話だが、俺の誘いを断った奴には問答無用で家に招待してな。あの手この手を使ったら最終的に「トセさん、もっとしてぇ~もっとうってぇ~」と言うところまでいったぞ?」

……………。

………まあ落ち着けよ諸君。

こういう時はどうすればいいのかなんて、すぐにわかることじゃないか。

とりあえずケータイを片手に持って準備良し!!

「お前は何をやらかしたんだぁぁぁぁ!!!」

確実に逮捕レベルのことをやらかしてんじゃないか!何で学校留年になっただけなんだよどういう事だよ!?

「ねぇねぇトセおじさん。そのこと後で詳しく教えてくれない?……………それってお兄ちゃんにも効く?」

「………おい幸?お前何言ってんの?」

「効く効く、よく効くよ。……………後でおじさんの家に来るかい?」

「おいジジィ!!何俺の妹に変なこと教えようとしてんだコラ!!」

「行く行く」

「幸!??怪しい人には近づいちゃダメっていつも言ってるでしょ!?」

「………………………………どうせだったら幸氏もやっていくかい?体の底から気持ち良くさせてあげるよ」

「ジジイ!!テメェ本性表しやがったな!!妹には指一本触れさせないからな!!!」

「そうだよ。私はお兄ちゃんの物だもん」

………皆様には言葉の綾であることを理解いただきたい。

………さしずめとりあえず。


「お前らは黙ってろぉぉぉ!!!」


そんな俺たちの馬鹿ぶりを見て、笑うリヤ充共の視線が痛かった。



――――こんなのはあんまりだと思う。



午後一番の授業。それは古典だったのだが、当然そんなものに身が入るわけがない。

 疲れた。とっても疲れた。これから後半日もあるよ。………帰りたいよ。

「はぁ」

俺はまた溜息を漏らす。俺は今日だけで何回溜息ついた?…………四十回から数えてねぇな。

「では次の問題を………優一答えてみろ」

先生が俺の名を呼ぶ。まったく授業聞いていなかった。

とりあえず問題というものが何なのか黒板を探してみるが問題らしきものは見つからない。

おそらく教科書の問題なのだろう。あの先生は何かとウザく、授業に身が入っていない生徒を集中的にあてて、答えられなければそこから説教に発展する。

己のたどりつく未来が簡単に見える。なんだか憂鬱な気分になってため息をつく。

「はぁ」

「おい優一、溜息をしろと言ったんじゃないぞ」

先生が凄む。おそらく俺が問題がわからなくてため息をついたのだと思っているのだろう。

先生の方を見てみるとなぜか口元が緩んでいた。それはまるで勝ち誇っているかのようなそんな挑発的な顔だ。答えられるものなら答えてみろと。答えられないという確信をして、その後に起こる未来をこの先生も見ているに違いない。ただ単純に俺が先生に怒られるという未来が。

人間というのは不思議なものだ。人間は必ずストレスというものを感じるが、それと反対のものも感じる。それは脳から促される快楽物質である。そしてそれが流れるときは何かと快感を得たりする時なのだが、なぜか人間はだれかを叱るときにもその快楽物質は分泌されるらしい。

そのゆるんだ笑みの向こうにこいつの趣向を垣間見た気がした。

だからこそ、私利趣向のために生徒を叱ろうとしているこの教師に対して俺はため息をついたのだ。

――――まだまだ甘い。

この程度鼻で笑ってやる。

「どうした優一、わからないのか?問題が?」

「ふふふ、あっはっはっはっは」

俺は大げさに笑ってやった。

先生はぽかんと、教室のクラスの奴らも皆何事かと俺を見てくる。

「いや失礼しました。答えですね、えっと―――」

端的に言うが、さっき大声で笑ったのは幸への合図だ。幸ならば俺がわかっていないと最初の反応で気づいていただろうが、念のためだ。そしてカムフラージュのためだ。

全員が俺の方に向いている。いきなりのおかしな行動に、何かあったのかと。前の席の奴らはわざわざ体ごと俺の方に向けている奴もいる。それは幸も同じ。幸も俺の方に顔を向けていた。

他の生徒と違いがあるとしたら、それは目だ。さっきの合図。それは簡単だ。

『幸、問題がわからないからアイコンタクトで答えを教えてくれ』

幸は不自然なほど瞬きをして、俺はそれを不自然なほど見つめていた。

………実はこれは結構目立つ行動なのだ。幸の席は教師のななめ左前。俺が座っているのはその幸からさらに二列左に、三席後ろに座っている。その二人だけが見つめ合っているという状況はかなりわかりやすくばれやすい。

だが今回は違う。教師から見れば幸の行動はみんなに紛れているので発見が困難になり、俺は教科書の適当なページを開き先生からは目が見えにくいように構える。

ものの十秒ほどでそのサインはすべて終わる。

「お兄ちゃん、三百四十五ページの問題で、答えは―――」

見事この通りだ。ふふふ、無能な教師度もめ。この俺にはこの天才がいるのだよ。だけどこのアイコンタクトってほんと役に立つよな。まあ何回も笑ったりなんて怪しい行動はとれないからこれから少しづつ手を変えていくが。えっと、何々?

「答えは、先生鬘がずれてますよ?」

………ずいぶんマニアックな答えだな。というか、三百四十五ページって昨日やったところだったよな?そんな問題………あったっけ?

「あははは」

俺の答えを聞いたクラスメイトの何人かが笑い声をあげていた。

実際三百四十五ページを開くが、鬘が答えに入るような問題など載ってはいない。

………間違えたのか?さっきのアイコンタクトが間違えだっただと?読み間違えた?この俺が?ありえない。長き間にわたって培ってきた幸とのコミュニケーション方法だぞ?こんなところで誤差が生じるものか!

ならば何故?なぜこんな答えになった?

俺は確認の意を込めて幸の方をちらりと見る。幸はにっこりと笑顔を浮かべていた。


…………あぁ、なんだろう、このいやな感覚。まるで蛇にでもにらまれた蛙のような感覚。


いやまて、なんで俺は間違えてるなんて考えた?先生鬘がずれてますよ。

ちゃんとした文になっている時点で、間違っていないってわかるじゃないか。幸のアイコンタクトを俺が素敵に間違えたらたまたま偶然こんな文ができたと?ありえないな。

しかも、俺はこの分から想定されることを真っ先に確認してなかったな。

俺はいまさら遅いかと思いながら、先生を見る。

先生は顔に青筋を立て、髪は乱雑に乱れて血管を浮かび上がらせていた。

その髪型はさっきまでとはまるで違う髪型にすらなっているように思う。心なしか、少し鬘がずれているようにも見える。

「優一君?」

しかしなぜか先ほどよりもずっと口元が緩んで―――嗤っていた。

嗤うという行為とはいったい何なのか。それは本来攻撃的なものなのだとはじめて俺は知った。

有無をいわさぬその迫力を前に、おれはもう、自分の未来さえ想像できないものになってしまった。

「優一君。忠告ありがとう。だけどね、私が髪を確認してもどこもおかしいところなんてなかったんだ。それより―――――私が鬘だといつからしっていたああ!!??」

知りませんでしたああ!!


 体罰だ。体罰を受けてきた。地獄と言ってもいいくらいとんでもない事された。警察に通報してやろうか?百パーセント裁判で勝てる自身あるぞ?


とりあえず今日は幸のめしは抜きだな。腹抱えて笑っていたからな。後で絶対に仕返ししてやる!!


「はぁ」

本当に今日は溜息が多い。

 

 遂に放課後になった。

「お、終わったー」

毎日こんな感じだ。周りには取り残され、その他もろもろには振り回され……やっと四月が終わった。周りには彼氏彼女がいて、いて、いて………

「東堂、お前川西先生とやらかしたらしいじゃないか。担任と言う理由でこの私まで怒られたぞ?どう落とし前つけてくれるんだ?とりあいず帰りパチンコで憂さ晴らしてくるから五百万円寄こせ」

俺にはこんなんばっかりなんだぜ。

「岬先生、パチンコばっかりやってたら婚期逃しますよ?」

「ハハハ……死にたいのか?」

岬花、現在二十八歳。どうやって教員免許を取ることが出来たのかわからない人材。口が悪い。短髪で目つきが悪く猟犬のような顔立ちだ。後ボインボインだ。胸とかお尻とか。

「それで、あのハゲに何をやらかしたんだ?何で私は怒られたんだ?」

それはすべて幸のせいだから幸に言ってください。

「鬘がずれていると言ったら、ぶちぎれました」

「それだけか?」

「それだけです」

俺の肯定の言葉を聞き、岬先生は顎に手を当て考え込むような仕草をする。

「なあ東堂。お前なんか武道とかやってたっけ?」

すると岬先生は、さっきと打って変わって真面目そうな顔で意味不明なことを聞いてくる。

「?やってないですよ?」

「お前、何か部活やってたっけ?」

「高校生活は帰宅部で通すつもりです」

胸を張って言う。

「このクラスはかなり帰宅部が多かったよな?」

そう言えばいっぱいいるよなこのクラス。幸やおっさんとかそこらへん。

「?そうですけど……それが何だって言うんですか?」

岬先生は「なるほど」と頷きしばらく考え込む。

 そしていたずらっ子のように微笑み―――。

「東堂、このクラスの帰宅部全員を集めろ。そんなちんけな理由でこの私に不快な思いをさせた川西の野郎に目に物見せてやろうじゃないか」

そう、俺と関係を持っているものは教師だろうが関係なくやばい奴だったりする。完璧に子供だった。負けず嫌いだった。ストレスが出来たら誰かにぶつけないと気が澄まないそんなガキだった。

「川西先生って先生の上司じゃありませんでしたっけ?」

「ん?そうだが?」

「上司に喧嘩吹っかけちゃまずいでしょ!?」

「何だ?上司だったら逆らっちゃいけないのか?上司もくそも関係ないだろ?ムカつくんだから」

「そんなこと教師が言って良いとは思えないんですけど」

それ以前に女性がくそって……。

「意外に小さいこと気にするのだな。私たちは同じ時代に生きてるんだぞ?年の差の十や二十見逃さなくてどうする」

「あんたそんなのが通用すると思ってるんですか?」

「思ってるが?」

いや、何かって顔されても。

「小さいこと気にしてるからお前はいつまでも彼女が出来ないんだぞ」

「今その話関係ないでしょ!?」

「いつまでも頭良くならないぞ」

「余計なお世話だよ!!」

「いつまでも不細工なままだぞ」

「余計な――って、ホント!?俺不細工なの!?」

「ああ、整形することをお勧めする」

「酷いなあんた!!」

「まあお前の場合、整形したとしてももてることは無いだろうがな」

「何でだよ!!??」

「お前がもてるとこなんて想像出来ない。―――っプ」

「何で笑った?今なんで笑ったし?」

「哀れな奴だ」

「うるせええぇぇー!!!」


 で、この俺が放課後というとっても貴重な時間を割いて捕まえることが出来たのは、おっさん、幸、佐奈の三人だけだった。


「あれ?もっと帰宅部いただろ?何でお前らだけなんだ?」

俺たちの教室の教壇に腰掛ける岬先生は驚いていた。

「放課後に残ってないから帰宅部なんだろ?」

こいつらを捕まえるのだって苦労したんだぞ。

「ふむ、まあいいか。みんな話は聞いているな?」

「おう」

「はい」

「うん」

「伝えてますよ」

俺はもうどうにでもなれと、諦めやけくそ気味に返事をした。

「クフフフフ、この私の機嫌を損ねさせるとどんなことをされるか教えてやろうじゃいか」

「女の悲鳴じゃないのが残念だが、岬氏とは長い付き合いだからな」

「あははは、程々にしようね」

「お兄ちゃん頑張ろうね!」

「頑張らなくていいからな!?」


 そして俺はこの後すぐに、変わり者は敵にしてはいけないと言うことを理解するのだった。



まだまだ続きます(たぶん)

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