8話 恭介帰還。そして、新メンバー
夕食。いつもならば男女分かれているので普通はないのだが、今日は珍しく恭介以外のメンバーが一緒に食べていた。
「来ヶ谷さん。部屋の引っ越しは終わった?」
「うむ。なかなか興味深い本がたくさんあった。楽しかったぞ」
「本がたくさんで大変でしたよ」
「本はいいものですよ」
「だからってお姉ちゃん。本多すぎ。部屋のほとんど本で埋め尽くされちゃったじゃん」
「そこまでひどくはないです」
「西園妹。本はいいものだぞ。西園姉。何かいい時代小説ないか?」
「そうですね……。宮沢さんはやはり侍が活躍する本のほうがよさそうですね。明日おすすめの本をいくつか持っていきましょうか?」
「いいのか?」
「かまいませんよ。直枝さんにもたまに推理小説などを貸しています」
「理樹もか? 理樹。いつ読んでいるんだ?」
「部屋で読んでるよ」
「……真人が邪魔にならないか?」
「謙吾! それはどういう意味だ」
「うん。はっきり言ってうるさい」
「理樹様―――――」
「本読んでるとき、後ろから『ふっ、ふっ・・・筋肉がうなる、うなりを上げる! やべぇっ、あまりのうなりにオレ自身がついていけねぇっ』とか言いながら筋トレしてるんだよ。はっきり言ってうるさい」
「井ノ原さん。最低です」
「う、うわぁぁぁぁぁぁ」
美魚の言葉に真人が机に倒れる。
「あ、死んだ」
「死にましたね」
「一体何をしているんだお前たちは」
そこに懐かしい声が聞こえる。全員がそっちを向く。すると、そこには、
「恭介!」
「恭介氏か」
「恭介さん……」
スーツ姿の恭介が立っていた。
「よぉ。元気だったか? お前たち」
「おかえり、恭介」
「おう」
恭介は空いている席に座る。
「理樹。俺の気のせいか? 西園が2人いるような気がするんだが」
「気のせいじゃないよ」
「恭介氏。実はな」
来ヶ谷が美鳥のことを話す。
「なるほどな」
恭介は席を立ち、美鳥のところに行く。
「棗恭介だ。よろしくな」
恭介が手を伸ばす。それを美鳥は取って握手をする。
「西園美鳥。あなたが噂の棗恭介……」
「噂になるまで俺は有名なのか」
「恭介氏。初めて会ったときに行ったはずだぞ。自分が有名人だと自覚したほうがいい。とな」
「ごもっとも」
「恭介。ご飯は?」
「食べてきた。気にするな。それで、西園妹。お前、リトルバスターズに入るか?」
「……お姉ちゃんも入ってるんだよね?」
「はい」
「お姉ちゃん。楽しい?」
「すごく楽しいですよ」
「しょうがないな~。入ってあげるよ」
「おう。よろしくな」
西園美鳥がリトルバスターズに入った!