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第一話 意味不明!

ハハハハハハッ!

ビバ★意味不明!

ちらり、と光る、蛍の光。


蛍は、人の命だとも言われている。


少年――水倉蛍みずくら ほたるは、町の一大プロジェクト・「蛍を助けよう」という文字が書かれた、看板を見ていた。

これ以外にも、何枚・・・いや、何十枚もの看板があるだろう。

町の小学校が書いた、看板。

町が書いた看板。

団体が書いた看板。

見れば見るほど、飽きてくる。


「つまんねーのっ」


蛍は、黄色がかかった少し深めの茶色い髪をしていて、前髪が片方の眼が隠れるほど長い。

髪より、深い色をした眼。

太いとはいえないが、細いともいえない手足。

背は普通。

結構、暗く見られるが、内面・明るい。

だが、そこらの人ほど騒がない。


――蛍は、不思議な人であった。


蛍には、ある力があった。

それは、死んだ命を集め・自分の力にする力。

しかし、蛍はそんなことには使わない。

この命を蛍に変えている。


「なーんか、蛍が命を蛍にするって、自分が増える感じだな〜」


蛍は、すっ、と川のほとりに立った。

ここは、蛍の生息地。

深くは無い、浅い川である。ちらほらと、蛍が光っている。

すると、蛍は足を水の上に出し、その足に体重をかけた。

そして、もう片方の足も、前に出す。

これは、いわゆる、水上歩行ってやつだ。


「ふぅ〜〜〜・・・・・やっぱ、自然はいいな〜〜」


とか何とか言いながら、適当に川を進む。

すると、一匹の蛍が蛍に近づいてきた。


『こんばんわ、蛍君。元気かしら?』


蛍が喋った。そして、挨拶をした。


「あぁ、光山みつやまさん。元気ですよ。どうですか?蛍は」


『しあわせよ。だっていろんな人が来てくれるし、この前は、家の息子たちが、わたしを見つけて、「おかあさんみたい」って言ってくれたし。ちゃんと、蛍になっても判ってくれてたし。なにより、蛍君には感謝しているわ』


「そうですか、よかったです」


すると、また蛍が近づいてきた。


『ようっ、蛍!』


「あ、電気屋のおじさん」


蛍は、オジサン蛍に話しかけられた。


『いいな、ここは!自然が綺麗だし。しっかり、掃除もしてくれるし。見つけると喜んでくれるし』


「そっか、よかったです」


そして、また何匹も集まってきた。


『蛍お兄ちゃん!この前ね、お母さんたちが来てくれて・・・・・』


こんな、蛍の話を聞きながら、蛍は水上歩行を続けていく。

そのたびに、指紋が広がっていく。


が、その瞬間。




「危ないよ?こんなところで“力”使っちゃ、ね」




聞き覚えの無い声が、上空から降ってきた。


「えっ?」


蛍は空を見上げる。

そこには、光のように綺麗な黄色の長い髪を左右耳のあたりのほうで結った髪・綺麗な黄色の眼をした可愛らしい少女がいた。


「こんばんわぁ。蛍君だよねぇ〜?」


少女は、ゆっくりと、話し始める。


「えっ、誰?」


「あたしは、紫光むらさき ひかり。キミと一緒の“力”がつかえるよ〜んっ」


光と名乗った少女は、蛍より少し高い場所(もちろん、空中)で止まり、蛍を見ている。


「え・・・・・?つーか何でまだ、空飛んだまま?」


「キミこそっ、いつまで水面に浮かんでる気?ここにいる皆もキミのおかげでしょっ?」


「うっ・・・・何で判る?」


「さぁ?何ででしょーかっ?」


蛍は少女――光の言葉に詰まった。というより、言い返せない。

全て見破られている。


「あのさっ、キミさっ。あのねっ!」


「何だよ。さっさといえよ」


蛍は、あきれたように言う。

この少女は多分、蛍と同い年だろう。

なのに、全然フインキが違う。

蛍は13歳にしてみれば、落ち着いたほうだろう。

しかし、光は13歳とは思えないほど、幼い。精神年齢は5〜8歳だろう。


「キミ、「世界の番人ルイレーゼ」のこと知ってる?」


「ルイレーゼ?」


突然振られた、意味不明な話題に、蛍の頭が「?」を浮かべた。


「世界の番人」


「意味不明。・・・・・・・・・・つーか、オマエさっきいたか?」


「えっ?瞬間移動をしましたっ!」


「しました。じゃねーし」


光の普通に言った言葉に、蛍は少し眉をひそめ、言った。


「そっ?まぁいいや。あのさ、世界の番人はぁ、世界のバランスを守る、まぁ、いわゆる警官よ。でっ、最近この中の一人・・・・誰だか知らないけど、まぁ、誰かが、バランスを崩してるの。その人は、バランスを保つ中で、二番目に重要な役なの」


「へー。で、一番は?」


蛍は興味がなさそうに言う。


「キミ。命を保つ役だから」


「へー。で?」


「あれ?驚かない?なんか、つまんないっ・・まぁ、その人は、キミを狙ってるの★」


「そっか、んじゃ、バイバイ」


蛍は、この意味不明な人から逃げるため、話題(?)を変え、逃げるために前足を出した。


「うん。バイバイ。気をつけてね〜★・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・じゃないよ。キミ、もしかしたら、死んじゃうかもよ?いいの?」


光は、蛍見たく水面に着かず、その寸前の空中で浮かんだ。

蛍は出した前足を引っ込めた。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いいよ。別に」


蛍は、唇を少し開いて言う。


「はぁ?キミ、馬鹿ぁ?だってキミが死んだら、世界が崩れるから、キミの家族まで、死んじゃうよ?」


光は、呆れたように首を横に振る。


「あっそ。つーか、いねーし。家族」


「・・・・・・・・そうなんだ。ごめんねっ。まぁ、どーでもいいけどっ!」


どーでもいいなら、言うなよ。

つーか、どーでもいいって酷くねぇ?


「ということで、まぁ、これからは、今までの仕事と、その人探しをお願いね★えっとね、その人の特徴は、藍色の膝まである髪・眼は髪の色と同じ・キミと同じぐらいの背・黒の大きいマントに・ドクロの刺繍入りの黒いタンクトップ・膝までのやっぱし、ドクロの刺繍入りの、半ズボン。ブーツも黒だそうで」


「そこまで知ってんなら、名前ぐらい調べとけよ」


「そうだったね。まぁ、いいや。んバイバ〜イ★」


一体、何をしにきたのかと、問いかけてみたくなるような少女であった。

光は、空に急速で上がったと思うと、消えた。



「意味判んねー・・・。・・・・あっ、もう3時じゃん。ヤバイよ。新聞の人来ちゃうよ」



蛍はせかせかと、水上歩行をやめ、外に出る。


『バイバイ★お兄ちゃんっ!』


『ありがとうね。また来てね』


『じゃーな、蛍!』


たくさんの蛍に見送られて、蛍はその場を去っていった。



ボフッッ、とベッドにダイブする。


「あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」


蛍は、ごろんっ、と仰向けになる。

天上は、真っ白。蛍光灯も付いていない。


「なんだったんだ?アイツ〜」


自分に問いかけてみたつもりであった。なのに。


「変なヤツだったんだ、アイツ〜」


「そうか、変なヤツか。それなら納得・・・・・・・・・・・・・・・・・・・じゃねー、何で居るんだ?」


「ひっどーい!せっかく、ぜんぜん仕事の内容わかってないようだから、来てあげたのに〜」


と、光は頬を膨らませ言う。が、


ズルッッ


「ひあっ!?」


「うわっ!!」


光が、天井に出来た黒い穴から滑り落ちた。

そしてそのまま、蛍の真上に落下。


「ぐむおっっ!?」


「わっ!」


蛍――重症。光――無傷。

と言う結果でした。


「せ・・・・・・・セーフ・・・」


光は、安堵のため息をついた。が、その後すぐに、息切れした声がした。


「せ・・・・・セーフ・・・じゃ・・ねぇ・・」


蛍は見事に息切れを起こした。

光は、くるりと、向きを変え(降りていない)蛍の顔を見た。

蛍は、青白い顔になっていた。


「大丈夫?」


んなこと心配してるんだったら、さっさと降りろ。

と言う顔をしている、蛍を無視し、光は続ける。


「あのね、たまに戦いでこういうときもあるから、慣れておいたほうがいいよ★」


慣れたくねー。


「でねっ、その戦いってね・・・・・・・・・・・」


光の話は、1時間はかかった。

そして、光は蛍から降りた。

もちろん、蛍は、生死の二択を選びそうになった。


ギリギリ、生きれたが。


しかし。


「この家に、住むことにしましたぁっ!」


という、かなり最悪なプランつきの。


誰か・・・・・・・・・・・助けて。


つーか、本来の目的より、コメディーにいってるような・・・・・・・・・・・。


「ほったっる〜!テレビ、見ていい?」


呼び捨てだし。

もう、オレが蛍になりたい。

そして、コイツから離れたい。

わ―――――――――――――――――――――――――っっ!!


ヘルプ・ミ――――――――!!

う〜ん・・・・・・・。これからはもっとマシなものを作っていきたいと思います!

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