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11/11

11.前進?

終わりと告げると彼は私から体を引き離し、服を着せてくれた。



「素質あると思うよー和音ちゃんって」

「・・・・・」


どんな素質よ!!


「んー例えば~・・・初めてなのに反応が良いところとか?僕好みだよ」

「何で私が答えなくても話を進めるのよ!!」

「顔に返答は書いてあるよ。僕は読めるんだ」

「・・・変態」

「エスパーと呼んでくれよ~★」


先ほどとは打って変わってヘラヘラと笑いだす龍平。

いつもこんな風にヘラヘラしていればいくらでも言い返せるのに・・・


「最近は仕事も疲れが吹っ飛ぶよ。」

「ふーん。」

「和音ちゃんがいてくれるからね」

「逆に私は疲れるんだけど」

「そういうのがカワイイよね、本当に」


何が可愛いのかが全く分からない。

普通なら憎たらしいでしょうが。


「あー眠くなってきちゃった・・・このまま寝ていい?」


奴はそういうなり、スーツ姿のまま私の布団に転がる。


「ちょっ!スーツしわになっちゃうよ!」

「そこなの~?」


本当に嬉しそうに笑うんだもん・・・

戦意喪失になるよ。


「いいよ、ほらおいで?」


腕を広げて私を試すように見上げる。


「・・・・それは嫌」


いくら戦意喪失でも出会ったばかりしかも私の体を許可なく触る変態の胸に飛び込むのは嫌だ!

何だか・・・今までの自分を否定してしまうようで。


「そうか。じゃあ僕はこっち向いてるからね。」


そう言って奴は布団にもぐりこみ、私の顔とは反対方向に顔を向けた。



・・・・

どうしたものか・・・

うーん・・・

明日も学校だし・・・

うーん・・・

眠いし・・・






私は数分考えた結果、仕方なく布団にもぐりこむ。

もちろん奴とは背中を向けた状態で。


「一歩前進かな?」


奴の誇らしげな声が妙に心地よくて、そんな気持ちになってしまう自分に嫌気がさす。



最近いつもこうだ。

自分の気持ちが分からない。

奴に心を開こうとするが、ストップする。

駄目だと、心の声が私と止める。


こうなったのも全てこいつの原因なのに・・・



なのに・・・










私はいつの間にか眠りについていた。

すごく幸せな夢を見たような気がした。


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