10.レッスン③
「まずはおさらい」
逃げようとすると、両手首を押さえつけ奴は私を捕えた。
そしてゆっくりと唇が降りてくる。
「ん・・・」
最初は遠慮がちに優しく私の唇を覆っていたが、少し唇が開いてしまった瞬間、激しく舌が口内を暴れまわった。
どんどん頭が真っ白くなってくる。
彼の呪いにかかっていくようだ。
「ここまでがおさらいね。今日は上半身といきましょうか」
そう言ってすぐに私の唇はふさがれた。
何も反論はさせないと言わんばかりに。
ただ昨日と違ったのは、手が私の首筋をスーッとつたいはじめた事だった。
「ッッ」
くすぐったいような感覚に体も心もどうしたらいいか分からない。
その間も唇は私を食らうように覆っている。
「顔真っ赤。」
やっと唇が離されて、私は必死で息を吸い込んだ。
「息しづらかった?ごめんね。」
「そ・・そんな事よりどいて!!」
「それは無理なお願いだなぁ。だって和音ちゃんは誰のものなの?」
「!!!!」
「誰のもの?」
「・・・・・龍平のもの」
「なら異論はなしだ」
ファサという効果音がピッタリだと思う。
気が付いたら私のパジャマの前ボタンが全て外されていた。
イコール下着が丸見えである。
「ちょっ!!!」
「いい眺めだなぁ~やっぱり胸大きいね」
私の両手首を布団に押しつけ、どんなに力を込めてもびくともしない。
女って非力だ・・・
「味見していい?」
「だ・・・やだ、やだ」
「嫌がっても俺を興奮させるだけだって」
あ、1人称が変わった。
諦めが大きくなる。
奴は私の首筋に唇を落とした。
舌と唇が先ほどの指よりずっと心臓を速めた。
鎖骨まで降りてくると体が疼く感覚を覚える。
「っっん」
「声我慢しなくていいよ」
そんなの嫌だ!
でも・・・我慢しようとも抑える手が使えないし、唇をかもうとしても力が上手く入らない。
「ん・・んはぁ・・・」
「1つ弱いところ発見だね。」
重点的に鎖骨を本当に味見するようにキスを落としたり舌でつたってみたり・・・
体がどんどん熱くなる。
そして少しずつ唇は下へと下がっていく。
ブラジャーに差しかかり覚悟を決めたその時・・・
そこには一切触れず、お腹の方に降りていった。
十分それでも体は反応してしまう。
ためらいがちに這う舌はゆっくりと私を責め立てていった。
「ふぁ・・・」
「本当にかわいいね、和音は」
「はずかし・・・い・・んぁ・」
私の体は力が抜け、いつの間にか手首から彼の手が離れていても抵抗がうまくできなかった。
そして彼の手は私の胸へと伸びた。
「や!やだ!!恥ずかしいっ!!」
「もっと抵抗して?っていっても他の所ゆっくり責めていったから力入らないよね」
これが最初から目的だったんだと何故か頭は冷静に分析している。
そんな冷静になってる場合ではない、決して!!
大きな手が私の胸を包み込んでいく。
初めて男の人にブラジャーを見られ、初めて胸を触られている。
どうしたらいいか分からない。
頭がショートする・・・。
すると背中に急に手をまわされて胸の締め付けが消えた。
まるで魔法のような手際の良さにあっけにとられる。
またたく間に手のひらは直接私の胸をまさぐる。
「感じてる?」
「んん・・ん」
自分の唇に手を覆うのが精いっぱいの抵抗だった。
「その手邪魔だなぁー。まぁ、そのうち手やる余裕もなくなると思うけどね」
ただ首を振る私。
彼の目なんて見れない。
「ほら、固くなってるよ」
言いながらいつの間にか固さがついた蕾を指で挟む。
「あぁ・・やぁ!」
「初めてなのに感じてるんだね。素質あるよ」
どんな素質よ!
そんな素質いらない!!!
言い返したくても声を抑えるのがやっとの私には到底不可能である。
ためらいがちだって指も段々と激しさが増す。
きつく結んだと思ったら緩め、の繰り返し。
いつの間にか私は完全に体を預けていた。
「じゃあこっちの味見もね」
言ったのが早かったか動いたのが早かったか・・・
彼の唇が蕾に触れる。
「あっんっ」
声がこらえきれない。
蕾を乱暴に転がして、時折歯を立てて私を追い詰める。
片方の胸もしっかり手で弄び私は両胸を遊ばれていることになる。
「はぁ・・ん・あぁあ!」
強く吸われたと同時に指も蕾を強く挟んでいく。
段々体が熱くなる。
熱い
熱い
熱い
熱い
息が苦しい・・・
チュッ
と音がしたかと思うと私の目の前に奴の顔がありそのまま唇を落とした。
「ごちそうさまでした。今日のレッスンはここまで」
私は息を整えながら思い切り奴を睨みつけたのだった。