EP8 ゴブリン討伐へ
ギルドを後にし、俺たちはまず物資の補充をするために街の商店へ向かった。
「ゴブリン討伐とはいえ、油断は禁物だ。最低限の回復薬や保存食は持っておいた方がいい。」
マルクスがそう言いながら、手際よく必要な物資を選んでいく。
「俺は魔法を使うから、それほど荷物は持たないが、武器の手入れはしておいた方がいいな。」
エリオットが自分の杖を軽く振りながら言う。
「俺は剣を使う。耐久性には問題ないはずだが、念のため確認しておこう。」
俺は腰に下げた剣を見つめながら頷く。
補充を終えた俺たちは、街の東に広がる森へと足を踏み入れた。
「ゴブリンは群れで行動することが多い。単独で動いているのは、はぐれか偵察役だ。」
マルクスが周囲を警戒しながら呟く。
「ゴブリンの巣が近くにある場合、奴らは周囲の村や旅人を襲うことがある。だから定期的に討伐依頼が出るのさ。」
「なるほど。」
俺は周囲の木々を見回しながら、慎重に歩を進める。
「レイヴン、お前はどう戦う?」
エリオットが肩越しに尋ねる。
「近接戦闘が基本だ。剣を使う。」
「ほう、じゃあ前衛担当ってわけだな。俺は後衛で魔法支援をする。マルクスは偵察とサポート。」
「俺は敵の動きを探りながら戦う。ゴブリンは狡猾だからな。」
マルクスが軽く笑いながら、森の奥を見据えた。
その時、茂みの奥から小さな影が動くのが見えた。
「——来たぞ。」
俺が剣を構えた瞬間、ゴブリンが低い唸り声を上げながら現れる。
「二体か……いや、三体だな。」
マルクスが素早く状況を把握し、戦闘の構えを取る。
「よし、やるか。」
ゴブリン討伐が始まる——。