EP2 邂逅
——轟音。
地面が揺れ、何かが叩きつけられるような衝撃が響く。
「うわぁぁぁっ!」
悲鳴が森にこだまする。その声に反応するように、俺の足が止まる。
「……何だ?」
視線を前方へ向けると、森の開けた場所で数人の人影が見えた。
彼らは荒い息を吐きながら、一つの巨大な影と対峙していた。
——巨大な二足歩行の怪物。皮膚は粗く、棍棒を握る腕は丸太のように太い。
「……こんな生物がいるのか?」
記憶がないのでわからないが、見たことがない気がする。
本能が警鐘を鳴らす。
**——オーガ。**
魔物。異世界の脅威。
冒険者たちは必死に武器を構えていた。しかし、明らかに戦力不足だ。
特に、一人の前衛が地面に崩れ落ち、足元に赤黒い液体を広げている。
「くそっ……持ちこたえられない!」
リーダーらしき少女が前に出て剣を構えるが、膝が震えていた。
「……やるしかないのか。」
気づけば、俺の足はすでに前へと踏み出していた。
——その瞬間、オーガが咆哮し、棍棒を振り下ろす。
少女が必死に剣を構えるも、その衝撃を受け止めるにはあまりに無謀だった。
「くっ……!」
刹那、俺の体が動いた。考えるよりも先に、地面を蹴り、少女の横へと飛び込む。
**ガキィィン!**
地面に転がっていた前衛の剣を咄嗟に拾い上げ、その刃を棍棒に叩きつける。
衝撃が腕を通して伝わるが、剣が軋みながらもオーガの攻撃を受け止めた。
「な……っ?」
少女の驚愕の声を背に、俺はすぐに次の行動に移る。無意識のうちに、敵の隙を見抜いていた。
「……まだ終わりじゃないぞ。」
目の前の脅威を倒すために——俺の戦いが始まる。