EP13 武器を求めて
市場の喧騒を抜け、街の奥へと歩を進めていた時、ふと自分の腰に下げた剣に意識が向いた。
(……そういえば、これはカインのものだったな。)
戦闘中、倒れた彼のすぐそばに落ちていた剣を拾って使った。あの時は状況が切迫していたが、今思えば勝手に使ってしまったようなものだ。
オーガとの戦いの最中、俺は武器を持っていなかったため、カインが落としてた剣を使った。彼の表情はよく見えず確認する余裕こそなかったが....。
(カインの容態はどうなっただろうか……)
軽傷では済まなかったはずだ。ギルドに行けば容態を聞けるかもしれないが、それよりも先に自分の武器を調達しておこう。
(ずっと他人の物を使い続けるわけにもいかないしな。)
この街には武器屋があるはずだ。冒険者が集うギルドの近くか、商業区の一角にあるだろう。
俺は周囲を見渡しながら、武器屋を探し歩き始めた。
しばらく街を歩いていると、目に留まる看板を見つけた。鍛冶屋の紋章が刻まれた木製の看板が軒先に吊るされている。
(ここが武器屋か……)
扉を押し開けると、中には壁一面に剣や斧、槍などの武器が並んでいた。鋭く磨かれた刃や、重厚な装飾の施された柄が目を引く。
「いらっしゃい、冒険者さん。何か探し物かい?」
店の奥から、鍛え上げられた腕を持つ店主がこちらを見ていた。
俺は軽く頷き、並んだ武器をじっくりと見回す。
店主は俺の様子をじっと観察しながら、カウンター越しに声をかけてきた。
「新顔だな。初めて武器を買うのか?」
「ああ、そうなるな。」
「ほう……」
店主は顎に手を当てながら、俺の立ち姿や体格をじっくりと見定める。
「剣を探してるのか? それとも槍か?」
「まだ決めていない。どんなものが合うのか、少し見て考えたい。」
店主は少し考え込むような仕草をした後、棚の奥から二本の短剣を取り出してカウンターの上に置いた。
「だったら、これなんかどうだ?」
俺は短剣を手に取り、軽く握ってみる。刃は細身だが、バランスが取れていて扱いやすそうだ。
「片手で使うのもいいし、両手に持って戦うのもありだ。お前さん、反応が鋭そうだからな。剣よりも軽い武器のほうがしっくりくるかもしれん。」
店主の言葉に耳を傾けながら、俺は短剣を構え、試しに軽く振ってみた。確かに、違和感はない。
「悪くないな……」
「短剣は動きの速さが求められるが、お前の立ち回りならうまく扱えそうだ。どうする? これに決めるか?」
(どんな武器が俺に合っているのか……考えないとな。)




