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Chapter 2 俺の1限目 読む書籍ついて

✿毎日更新継続中。誤字脱字はあまり確認出来ていないので教えていただけると幸いです。

✿基本的にプロットを制作しないで頭で考えるタイプなので、パッとひらめいたら1日2話更新とかもあると思います。

✿完全にボケツッコミみたいなコント台本のような気もしています。なので、のちに【Chapter 2】に関しては大幅に変更する可能性があります。なんせ、ラノベ初心者なので(笑)

 キーンコーンカーンコーン、と授業開始の合図がいつも校内放送のスピーカーから流れてくる。1限目の授業開始前早々、俺はいつもこの合図音のせいで『キンカン』という食べ物しか思い浮かばない。というか皆そういうもんなんじゃねえの? どうなんだろ。こんな発想ができる俺ってやっぱり天才以外の何者でもないよな。うん、そうだ。


 そんなことを思いながら書籍を読むための『相棒』をバッグから取り出す。そう、度数がパーフェクトな俺の愛しき眼鏡! これがないと書籍がきちんと愛読できないからな。今日は何を読もうかな、なんて考えながらバッグにしまいこんでいた書籍たちを机の上に並べた。

 

 「今日はどれ読むかな。昨日は宇宙学のパラレルワールド要素を勉強したし、自己啓発は今日読む気分じゃないしな」


とボソボソと自問自答をする。ちなみに、自己啓発の書籍に関しては結構読み漁っていて、20代前に覚えておきたいシリーズはほぼ制覇したと言っても過言ではない。それぐらいこの世の中はハイスペックな民を求めているのだ! 


(さあ、今日読む書籍は……っと)


 「好きな人に好かれるためのテクニック!?」


 教室中に響き渡る声でこの書籍のタイトルを叫んだ後、1限目の授業が急にしらけた始めたのはいうまでもない。少なくともクラスの奴らは俺が『本当に』まともやつ、つまり学術的書籍を絶対に読んでいると信じてくれていたらしい。いや、実際ほんとうに読んでいるんだが……。というか、俺もそういう書籍しか読まない……。


 じゃあ、このふざけた恋愛タイトル本が俺の大事な書籍に紛れ込んでいたのはなぜなんだ? 俺の青春を返せ! ん? 待てよ。学術的書籍で青春が謳歌出来るっていう説のタイトル本を俺はまだ読んでいない。 ってことは、俺は青春を楽しめてないのか……。いや! そんなのはどうでもいい! この(ごみ)を俺のバッグに放り込んで恥をかかせた奴を探し出してやるからな! 俺がこんなくだらない(ごみ)を読むわけねえだろ!


 怒りが爆発する寸前の俺は少しでもその怒りを抑えようと必死だった。笑うこと以外で肩を揺らした事はここ最近はなくて違和感しかない。

 「くっそ!」

この一言を思いっきり叫んで『好きな人に好かれるためのテクニック』という名の本を机に思い切り叩きつけて誓った。


 この本はのちゴミ収集車で運ばれて燃やされて終わりだからな! いや、待てよ。このご時世、紙はリサイクルされるのか。じゃあ……学術の書籍に生まれ変わって俺の元にくるんだな――!


 「橘、何しているのか分からんが……とりあえず、座りなさい」

 「あ、はい……。座ります」

 

 と、おとなしく着席後に自問自答がまた始まる。


 数日前まで優等生だったよな。いや、今でも試験は校内1位のソシャゲでいうイベントの有名ランカー勢だぜ。一体なにがどうなってるんだ。頭をシャンプーや水もないのに手でわしゃわしゃと洗う仕草をする俺の机を挟んで仁王立ちする奴がいる。


 「あんた、授業中にヘマしてたけど大丈夫? 最近『お勉強道具(ごみたち)』とやらで頭やられてきた? 世の中は学問で解決なんて出来るわけがないって毎日教えてるじゃん? 理解できる?」

と鼻で笑っている。さすがの俺も今日はなぜかいつものように麗奈に笑って返せないほど腹が立っていた。

 「お前……だろ?」

 「え?なんか言った?」

と俺の顔を覗いた麗奈に対して初めて怒鳴ったと思う。

 「お前だろ? 俺のバッグに変なゴミを忍ばせたのは!マジでふざけんなよ!?」

怒鳴り声がクラス中に響き渡った。これで麗奈も何も言えないだろう。自信に満ち溢れた俺がマウントを取り満足する前に俺が目の当たりにした光景は予想とは違うものだった。


 麗奈は俺にニコっと不自然な笑みを浮かべて、哀しそうな顔をしたような気がした。そして奴は踵を返すとそそくさと教室から出ていってしまった。


 (え? ちょっと待ってくれよ。どうなってるんだ!?)

全く状況が把握できていない。というか追いつかない。これこそ幻覚だろ。


――麗奈が涙を流して泣いてるとかありえないよな。まさかな。


 とりあえず、1限目も終わったし休憩時間なにすっかな、と俺は伸びをして大きなあくびをした。とりあえず、あいつにまだいう事あるしな。

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