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2.物色

ドォォォオオオオン!!


 ゲートが開かれたと思ったら、目の前に町が広がっていた!


 ついに転生したのか!と驚いたのもつかの間、沢山の人がこっちを見てくる。

 まぁ、確かに何もないところから出てきたんだからびっくりするよね。


 とりあえず、手近な反射物で自分の姿を確認しよう。

 

 すぐ後ろにショッピングウィンドウがあるのに気づく、そして自分の姿を見る。


 ...なんと!裸じゃありませんか!

 しかし性別がわかるというのは大きなアドバンテージ

 どうやら女性に生まれたようですね、年齢は13歳、髪はロングの金髪で、目が赤色。

 うーん、天使の時と姿が変わらなくてつまらないなぁ。

 大きな特徴は翼がない事だ、って当たり前か。


 そしてまじまじと自分の体を見ていると、ショッピングウィンドウの向こう側の人間もこっちを見てくる。

 ムカつく奴らだねー、私は天使としてじゃなくて、お前たちみたいな人間として生まれたかったんだよー、記憶があるのはありがたいけどね。

 とか考えていたら、後ろから布をかぶせられる感覚。


「誰だ!」

 ビックリして叫んでしまった。

「私は巡査の中井です。ちょっとお話いいですか?」

 驚いた様子であったが、「中井」という男は丁寧に訪ねてきた。


 被せられた布で体を隠しながら考える...「巡査」って、警察の事?

 うお、困ったぞ、何聞かれても変な事しか言い返せねぇ...

 いやでも、目の前にいる中井とかいう男は警察の服を着ていないぞ?

 つまりこれは、ナンパなのでは!?

 全裸の少女を見つけて、欲情してしまった男が警察を騙って、誘拐しようとしているんだ!

 逃げるしかねぇ!


--


 いやー、ちょっと大人気なかったかな

 天使の本気で走ってしまった。

 体感速度だと時速120kmくらいで走ってしまった

 建物にぶつかる可能性があったから体を透過させてみたけど、すごい効果だ

 天界では絶対使わないような魔法がこの世界では重要になってくるみたいだ。


 瞬間移動でもよかったんだけど、瞬間移動すると、この持ってる布がなくなっちゃうからね、引きちぎれる。


 恰好くらいは人間らしくしないと目を付けられてお縄にかかってしまうみたいなので

 透明化したまま、人間界を物色してみる。


ーー


 それっぽい衣装を整えて、透明化を解除する。

 最近の服はインクのまき散らされる能力があったりして盗むのにすごい苦労する。

 ...てか下界に降りて一番最初にする事が泥棒とか、天使らしからぬ行為すぎて悲しくなるね。

 名前もないし、見た目も異邦人だし。


 あーーーー!!!とてつもない孤独感!!!!


(誰かー!!!!私の面倒を見てー!!!!!)


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