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38.売却

前回の続き、本編となっております。いつも見てくださってありがとうございます。


ルカナン奴隷商会。


そこは俺がイメージしていた、奴隷商のイメージと全く違っていた。



床は全て赤い絨毯が敷き詰められており、どこの金持ちだよと言わんばかりの豪勢な作りだ。


また所々に壺とか絵画などの置物があって、どれも高そうな代物だった。


奴隷商とは、それ程儲かる商売なのだろうか。



中央に位置する目の前には、受付のカウンターがあって、左右の奥にもそれぞれ扉があったのが見える。


その受付には、淑女然とした、綺麗なお姉さん、


いかにも受付嬢といったお姉さんが微笑みながら、こちらを見ていた。



俺がイメージしていた奴隷商は、用心棒のいかついお兄さん達がたむろしていて、


「ああん?お前のような貧乏人でひょろくせえ餓鬼は家に帰ってミルクでも飲んどきなっ!」


とか言われると思ったんだが。


どうやら違ったらしい。 俺22歳なので、餓鬼がきと言われる年齢でもないけども。


クリムとイルデッシュも俺と似たようなことを考えていたのか、


呆気にとられていた。



「皆さま、ようこそ、ルカナン奴隷商会へ、本日はどのようなご用件でしょうか?」


営業スマイルだろう、ニッコリと丁寧にハキハキと、挙動不審な俺たちに対しても話しかけてくれたのだ。



「はい、実は盗賊たちを捕まえたので、こちらで引き取って欲しいのですが可能ですか?」


「勿論です、当商店へはご紹介でしょうか?」


「はい、デルヘナ村のコープさんという方に言われてここにきました」


「なるほど、コープ様からですね……何か、それを証明するものはございますか?」


先ほど、コープさんにこの街の地図と一緒に、


コープさんの商店に掲げられている紋章が描かれた証明サイン入りの手紙を貰っていた。


流石コープさん、かなり手際がいい。こういった状況を察することが出来ることが凄すぎるのだが、


それはともかく、その手紙を受け付けのお姉さんに渡した。


「ありがとうございます、中身を確認しても宜しいでしょうか?」


コープさんに手紙の内容は見せても構わないと書かれていたので、頷く。


「……確認しました、しばらくお待ちいただけますか?」


一礼した後、受付のお姉さんは奥のドアへと消えていった。


すると、奥からドタドタと音がすると、すぐに物腰が良さそうな小太で、それでいて人が良さそうな


男性が出て来た。いかにも商人然とした格好である。



「お待たせしました、ヒデキ様、お二人様、コープ様からのご紹介ですね、当商店へようこそっ!


私が商会主のルカナンと申します、以後お見知りおきをお願いします」


コープさんの手紙によって、商会の主さんが出てくるとは、流石コープさんである。



ルカナンさんは、一瞬俺たちの顔をそれぞれ見て、驚いたようだが、すぐに笑顔に戻った。



特に気にすることもないだろう、こちらも簡単な自己紹介を済ませて、本題に入る。


「それで、捕まえた盗賊たちを引き取って欲しいのですが……」


「ええ、もちろんです! 当商店は、盗賊たちの買い取りも行っておりますよ!


それで、その盗賊たちは今どちらに?」


捕まえた盗賊たちを捕まえてはいるが、俺のアイテム∞ボックスに収納しているので、


そのままここに、盗賊たちを取り出すのはまずいだろうな。


だから誤魔化すことにしよう。


クリムとイルデッシュにアイコンタクトで、協力してくれるように頼んだ。


二人とも察してくれたようで、頷いてくれた。


「えっと、魔法で呼び出せるのですが、どこか広い場所などありますか?」



「なるほど……それでしたら、こちらへの部屋へどうぞ」


ルカナンさんに案内されて、ぞろぞろとついていくと、


少し広めの何もない部屋へと到着した。広さ的には3LDKぐらいだろうか。



「こちらの部屋ならいかがでしょうか?」


「はい、大丈夫です、それでは、魔法を発動します」


魔法と呼称しているが、いつも通りのスキル”∞ボックス”を発動するだけだ。



そして、クリムに俺の前に立ってもらい、ルカナンさんの死角にて、スキル∞ボックスを展開して、


盗賊たちを一斉に、それでいてなるべく、優しく地面へと下ろした。


ドサッ、ドサッ、ドサッ、ドサッと次々と縛られた盗賊が空中から降ってくるのはかなりシュールである。


空中から落ちた衝撃により、盗賊が起きないか不安だったが、


イルデッシュがその場で、密かに闇魔法でもう1度眠らせてくれたので、誰も起きることなく


スヤスヤと寝息を立てていた。


サンキュー、クリム、イルデッシュと、目線で感謝する。



ルカナンさんは、俺が盗賊たちを空中から召喚しているように見えているようで、


特に気付いている様子はなかった。


「おお、これは素晴らしい魔法をお持ちですねっ!これ程の腕があるならば、


盗賊をやっつけてしまえるということも納得がいきます」


「ハハハッ、ど、どうも……」


どうやらルカナンさんには気づかれずに、盗賊たちを取り出せたようだ。


今後は余り使いたくないな。


いつかボロが出そうだし、あまり危ない橋は渡りたくない。


「早速ですが、査定に入らせて頂きますね」


数分後……、


ルカナンさんによる盗賊たちの査定が終わったようだ。


「この奴隷の男たちは……ふむ、元冒険者が多いですなぁ……、1人10銀貨として……


街や冒険者ギルドへの報告も含めて……サービスで1金貨30銀貨というのは、いかかでしょうか?」


俺は予め、コープさんに男奴隷の相場を聞いていたので、10銀貨というのは健康的な男性の相場らしい。


盗賊たちは12人捕まえたので、相場ならば1金貨20銀貨となる筈だが、


街や冒険者ギルドへも報告してくれるようで、盗賊たちが持っていた冒険者ギルドカードを一緒に提出した。


特に問題もないし、これでいいや。 むさい男盗賊たちが重なって寝ている姿は、正直みたくないな。


取り出した俺が言うのもなんだが。


「では、それでお願いします」


「かしこまりました、では、そのように……おい!!」


「「ハッ!! ルカナン様っ!!」」 


ルカナンさんの呼びかけにより、屈強なお兄さんが4人ほどぞろぞろと部屋の中に入ってきた。


「おいっ!!立てっ!こっちだ!」


「起きるんだよぉ!!」


寝ていた盗賊たちを次々と蹴とばして、起こした。


「な、なんだぁっ!?」


「ここはどこだっ!?」


起こされた元盗賊たちは、状況を理解していないのか、困惑していた。


そして、屈強なお兄さん従業員の4人にグイグイと縄を引っ張っられながら連れ、店の奥へと連れられていった。


さらば盗賊たちよ。達者でな。



「金貨が1枚、銀貨30枚が入った袋です、受け取ってください」


「ありがとうございます」



盗賊たちの金銭を受付嬢さんから受け取ってから、俺、クリム、イルデッシュの3人は



奴隷商会を後にしたのであった。



●新たに得た収入


盗賊×12=1金貨30銀貨

更新が遅れました。申し訳ありません。作者は寝込んでおりました。現在も寝込んでおりますので、次回更新予定日は未定となります。


● 10/19 復帰しました。一部文章、後半部分を削除、変更します。


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