01.名前設定
ようやく本編を投下できます。生暖かい目で見て頂けますと幸いです。
スーツ姿で密林なう。
どこの神様のせいかは分からないが、会社帰りの俺は異世界に来てしまったらしく、
この世界の密林地帯にいるようだ。
うん、どこかって言われても、周りが木ばかりで、説明のしようがないのだ。
強いていうなら、グンマーっぽいところにいる。(グンマー県民さんすいません)
今日から、君もレッツ異世界生活!!なんて突然言われても、
某農家アイドルグループぐらいの生活能力がないと、普通に生きていくのは無理だろう。
もしこれが普通にゲームであれば、異世界に飛ばされる前に謎の白い空間に神様が現れて――
色々とこの世界についての知識や常識などを教えてくれた上で、スキルなどこの世界で言うチート性能なスキルをくれる筈である。
そこから何をすればいいのか分かると思うのだけども、
それがないということは―――あれ、これは詰んでませんか?
とにかく俺が分かっていることと言えば、ここが異世界であり、
偶然神様に飛ばされて、尚且つここが、グンマーっぽい密林地帯ということだ。
◇
とりあえず、今の所持品を再確認しておこう。
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名前:池田秀樹 年齢:22才 性別:男性
持ち物:仕事道具が一式入った鞄とスマートフォン、財布、新刊ライトノベル7冊が入った紙袋。
服装:背広のジャンパー、ズボン、ホワイトシャツ、ネクタイ、etc…。
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この中で異世界で役に立つのは、服と鞄、それにスマートフォンと――って……あれ?
でも俺
、異世界に来ても、メールが普通に来たよな……?なんで?神様だからか?
そう考えていると、またまたその神様から一通のメールが届いた。
今度はこう書いてあった。
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差出人:神様 件名:親愛なる君たちへ
「あ~sorysory、ひげソーリー!さっきのメールで伝え忘れていたけど、君たちのスマートフォンには、それぞれナビゲーターをつけておいたから、文字通りの意味でね!今後、君たちが生きていく上で重要な事になるからね!あっ……そうだ、君たちのスマートフォンのアプリは、公平を期す為に、メールのアプリとナビゲーターの部分だけにしておくから!それじゃ、また何かあったらメールするから!覚えておいてよ!またね!」
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ねえ、何か今思い付きでしませんでしたかね?
そして、この文面を読み終えたその瞬間、スマートフォンが一瞬光った。
すると、スマートフォンの画面に、魔法のステッキを持った女の子でアニメ柄のアプリアイコンが追加されていた。
その名も"ナビたん”。
身も蓋もない名称だが、これが神様とやらが作ったナビゲーターなのだろう。
しばらくこのアプリを眺めていた俺は、異変に気付いた。
他にもゲームのアプリやら辞書アプリなどをインストールしていた筈なんだけども、
俺のアプリは、この”ナビたん”アプリとメールのアプリだけしかスマートフォンの画面に表示されていなかったのだ。
他の機能はほとんど消滅しており、時計や電源の残りの表示、電波が立っていることを示す以外のデータは文字通り、無くなっていた。
使えるアプリが他に残ってないが、探してみるものの、なかった。
つまり、俺がインストールしていたゲームアプリやら辞書などは全て消滅していた……?
せっかく進めたゲームがああああああ!!!ソシャゲに課金しまくったカードデータがあああああ!!!
とまあ……異世界に来ているのは現実であり、このままなげていてもしょうがないのだが。
こういうのは理屈じゃないとおもう。
とりあえず、俺はもう”ナビたん”を起動するしか残された道はなかった。
スマートフォンに残された機能と言えば、後はメール機能だけだし。
試しに、ここからメールで元の世界にメールを遅れるかなぁと何度か試してみたけど、届きませんでしたし。
もう俺は、これを起動するしか道が残されていないのです。
暗ーい気持ちで”ナビたん”をタッチすると、
俺のスマフォがまたもや一瞬光り、アニメ調子で軽快でリズミカルなBGMがどこからか流れてきた。
テーテーテーテーテー♪テテテーテーテー♪
「呼ばれて飛び出て、ジャジャジャーン!貴方だけの愛の天使、世界一ラブリーで可愛いい”ナビたん”だよおー!華麗にとうじょぉーう!」
謎のポーズを決めながら、空中に、生身の女の子が出て来たのだ。
何故か魔法少女風のヒラヒラした服を着ており、白いステッキを持っているピンク髪ツインテールの女の子。
圧倒的なアニメ声で超かわいかった。
ただし、手のひらサイズだが。
いつもの俺ならば、心の中で、ウヒョーーー!幼女だあーーーー!ピンク髪ツインテールだああーーーーー!まったくロリは最高だぜええええっ!
とかなるのだろうけど、俺のアプリがほとんど亡くなったせいで、ドヨーンとしたテンションだった。
「お、おう……君がロリではなく、ナビたん……なのかな?」
「そうだよー!私が、世界一可愛いいナビたんって――あ、あれ?なんだか、君、テンション低いね~!大丈夫?」
「あ、あんまり大丈夫じゃない……かな」
「へえ~そうなんだー!でもまあ気にしないでこれから説明するねっ!」
「おねがいしますです……」
「オッケー!それじゃあ、耳をかっぽじってよーーく聞いておいてね!!」
そして、俺はこのナビたんからこの世界について説明を聞いたのだった。
◇
”ナビたん”曰く、この世界は異世界”レナトゥス”という名前である。
そして科学の代わりに、剣と魔法のスキルが発展している中世ヨーロッパの時代である。
特にスキルが使える者が重宝されているらしい。
また人間のほかにも魔族、ドワーフ、エルフ、竜族など、様々な種族も生活をしている。
その上で、様々な国が乱立している巨大な大陸。
また島国も多く、未探索の島国も多い。
現在は、大きな紛争は起こっていないらしいが、どこかで小競り合いなどの紛争は毎日の様に起きている。
奴隷制度が、ほとんどの国で適用されており、金持ちとそうでない者の貧富の格差は大きいらしい。
典型的なファンタジー世界みたいだ。
◇
さて、この世界に飛ばされた目的だが、Pを集めればいいらしい。
なので世界を救えとか、勇者になれとかいう話ではなく、
神様曰く、ほんとうに自由に過ごしていいらしいのだ。
モンスターを討伐しまくって、有名冒険者を目指すも良し、犯罪を犯しまくって有名犯罪者を目指すのも可能らしい。(俺は目指したくないが)
このポイントを手に入れる方法だが、基本的にモンスターを倒すことによって、Pが手に入ることが多いので、積極的に倒すべし。
但し、何らかの条件を達成するとPがたくさん手に入るので、そのクリアも狙うべし。(ナビたんは、余り条件をしらないようだった)
このPは、スマートフォンから確認が可能で、一定のポイントが貯まるとスキルに交換したり、アイテムなどへと交換が可能となるので、積極的に交換すべし。
また、総取得ポイントランキングが、スマートフォン上で表示され、上位者には特典なども付与されるので積極的に狙うべし。
例、スライム1体=0.1P ゴブリン1体=0,2P 何らかの条件クリア=100P ……etc。
他に、質問はない?とナビたんが言ったので、
現在の俺がいる地点を聞くと、
どうやら俺が飛ばされた地域は、
初心者向けの魔物達(スライム、ゴブリン、ウルフ、etc…)が湧く地域だということなので、
一先ず俺は安心した。
基本的に、元の世界から飛ばされて、この世界に来る地点は完全にランダム設定で、
下手をすると、いきなり野生のドラゴンが生息する地域に飛ばされる可能性もあるらしい。
「それじゃ~一通りの説明を聞いてもらったところで、君の名前を教えてね!今、スマートフォン上に名前を入力して下さいってなってると思うから」
すると、スマートフォンの画面に
”名前を入力して下さい、この世界での名前を決めます”との表示が現れた。
よくソーシャルゲームなどで見かける入力画面っぽいな。
俺の名前か……無難に、俺の名前でいいよな?
よし、”ヒデキ・イケダ”をポチポチと押して入力っと。
これで――ん?
「ちょちょちょちょっと待って!そんな名前でいいの!?せっかく異世界に来たんだよ!もうちょっと、こう、良い名前とかないの!?」
入力を完了して、OKとしようとしたところで、ナビたんが待ったをかけてきた。
「良い名前かあ~……俺、自分の名前は、言いなれてる方がいいし、特に使いたい名前とかないからさ」
「でもでも!色々とあるんじゃないのかな?†最速の死神†とか、†堅牢なる騎士†とか†最強の剣士†とか!」
「なんで横にダガーマークつけないと、いけないんですかね!?どこぞのオンラインゲームじゃないし!?中二病じゃないかなあ!?」
「もしくは、おち●ぎん大好き!とかアナ●雪の女王とか!フェ●大好き!とかどうよ!?」
「やめてえええ!ギリギリな下ネタかそうじゃないかの下ネタやめて!俺、幼女からそんな卑猥な言葉聞きたくないからぁ!R18オンラインゲームじゃないしいい!?なにより、この世界での名前になるんだろうう!?俺の名前、おち●ぎん大好き!とか嫌だよおお!?」
俺とナビたんの卑猥なトークが、誰もいない密林にて響き渡る――――
「――――とまあ…これでも~私なりに気を使ったんだけどね♪色々な名前に出来るんだけど、それでもいいの?」
ナビたんは、どうやら、俺に気を使ってくれたらしい。
優しいロリ魔法少女だ。(俺にはそうは聞こえなかったが、そうなのだろう。)
「まあさ、いいんだよ、これで聞きなれてるからさ」
そう言って、俺は、表示画面されていた画面のOKを押した。
この世界での名称は、ヒデキ・イケダとなったのだった。
次回は、オリキャラクリエイトの話になる予定です!予定です。 次回更新予定08/27
●9/15
文章を一部修正致しました。