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21.戦闘準備

前回の続きとなります。楽しんで頂けますと幸いです。



デルヘナ村の南東を中心に、土塁を作って、スケルトン兵士達を作り終えたのは、16時頃だろうか。


空を見上げると日も落ちてきて、空が暗くなりかけていた。


一通り、土塁と手前の堀の深さを歩き回って確認すると、特に問題がなさそうだ。


「あ~……ようやく終わった」


俺は、地面に腰を下ろした。


これで、ようやくゴブリンの群れに対抗するための最低限の準備は整ったと言えるだろう。


「本当ね~……走り回って疲れたわよ~……」


「お疲れ様です、みなさま、御主人様」


俺の近くに待機していたクリム、ホワイト、イルディッシ、クロ、シロ、キーもそれぞれ石の上などに、


腰を下ろしてホッとしている。


「お疲れ様、みんな~よくやったぞ~!」


みんな本当に頑張ってくれたのだろう、


唯一先ほどまで元気一杯のナビゲーターのナビたんだったが、疲れて眠ってしまったのが、


お供スライム達の体を使ったベッドで寝ている。びちゃびちゃになっているが、気持ちよさそうな寝顔だ。


案外寝心地はいいのかもしれない。


そして、丁度いい高さにクリムの頭があったので、思わず撫でる。


相変わらずクリムは、赤い髪がサラサラで触り心地あるよな~。


「だ、だからナデナデしないでよ~……もう……マスターったら……」


クリムは俺に、ナデナデされるのは好きらしい、卑猥なことは大嫌いなんだがな。


その違いがよく分からんのだが。


クリムをナデナデしてると、イルディッシュがゆっくりと俺に近づいてきた。


「僕もいっぱい頑張ったから……だからご主人に……その、ナデナデしてもらっても……いいかな?」


どうやら恥ずかしいのか、顔が少し赤くなっているのが分かる。


普段は強気なゴスロリ少女のイルディッシュが、こんなにしおらく……!?


しかも、俺にナデナデして欲しいなんて……!


「おう、もちろんいいぞ~!ほら、こっちだぞ~」


クリムを片方の手でナデナデしながら、イルディッシュの流れるような黄色い髪ももう片方の手でナデナデと触る。


「えへへ……ご主人の手……あったかい……」


うむ、クリムと違ってイルディッシュは、きめ細やかな髪の毛で、お人形さんみたいだ。


そしてこの状況、両手に俺が創った人間モンスターである。


遠目でホワイト、クロ、シロ、キーがこちらを見ていたので、彼女たちにも手招きをした。


「ほら~、ほかのみんなも遠慮しないで来ても良いぞ~!皆ナデナデしてあげふぁああああっ!」


「ちょっと!?なんでよ!どうして、ほかの女の子にもデレデレしてるのよ、マスター!!」


どうやら調子に乗りすぎたようだ。


クリムの拳が、俺の腹にメキィっと音を立ててクリーンヒットしたのだ。



そして俺は、潰れたカエルのように、その場にドシャアっと崩れ落ちたのであった。






その後、一瞬天国と三途の川か何かを見た気がしたが、


気のせいだったようで、先ほど俺は目を覚ました。


曰くクリムはずっと回復魔法かけてくれていたようだ。クリムの膝枕で。


女の子に膝枕をされたという経験がないので、大変嬉しい。人間モンスターだけども。


いつまでも膝枕されていて悪いから、動こうとしたが、


殴られた箇所がいまだに痛いので、動けなかった。


しばらくクリムに膝枕されながら、横目でイルディッシュが整列させたスケルトン達を眺める。


その姿は、壮観だった。


手にそれぞれ、剣と盾、弓などの武器を持って整列しているのを見ると、


どこかの軍隊っぽく見えるかもしれない、全員骨だけども。


「しかしまあ~……クリムとホワイト……よく、こんなに骨を集めれたな」


改めてスケルトン達を眺めてみる。数は全て数えてはいない。


イルディッシュに、このスケルトン達は何体いるのかと聞いてみると


「えーと……スケルトン100体とスケルトンソルジャー10体ね」


と言っていたので、おそらくはそうなのだろう。


俺はすべて数える気にはなれない。


時々動くし、スケルトン同士で喋ってるっぽいし。



とにかく、これだけの骨を集めきったクリムとホワイトには感謝をしてもしきれないだろう。


「(`・∀・´)エッヘン!!私だって、やる時はやるのよー!」


クリムがわずかな胸を張っている。その胸はぺったんこだが。


「御主人様、実は、大半はこの村で戦って死んだ村人たちの骨です、他には冒険者のものや魔物のものも混じっていますが……」


なるほどな~!この村のために戦って死んだ人達の骨が大半か~!そうか、それならこの骨の量も納得できるぞ!なっとく……なっとく……―――――……ん?。


「――――これって駄目じゃないのか!?」


村の為に戦って死んだということは、ここの村人の男性だったわけで……。


それをもしかして、骨を得るために掘り返したとか……そういうことじゃないよな?



「ふふっ、そんな心配はしなくていいですよ」


「ふぉふぉふぉ、その通りですぞ!」


いつの間にか、エレナさんとゼーガンさんが俺の目の前まで来ていたようだ。


びっくりして、思わずクリムの膝枕から飛び上がる。


「あなた達は……エレナさんにゼーガンさん!それに、村の人たちも?」


よく見ると村の人たちも大勢こちらに来ていた。


ってことはさっきの俺がクリムに膝枕されているの……村のみんなにも見られてるじゃないけー!?


特にエレナさんは、俺に好意を持っている筈で、こんな光景見られたら。大目玉である。


ここは、一目散に退散を……。


「ふふふっ……ヒデキ様、あとでお話いいですか?」


「はいっ!もちろんですーっ!!」


どうやら逃げることはできないようだ。エレナさんの目が全く笑っていなかった。



「えっと……そうよマスター、私が骨を集めたいってエレナさんに言ったら、皆で村中から骨とかを集めてくれたのよ!」


クリムの話をまとめると……


「つまり……その骨は……みなさんの旦那さんとかじゃないのですか?」


「ええそうよ、でも死んでからもきっと、ゴブリン達にやられて無念だと思うから……きっとこれでよかったのよ……」


「エレナさん……」


「それにこの村を守るためでしょ……そのためにということは、皆分かっているから……」


「ふぉふぉふぉ、皆の安全はこのゼーガンにお任せくだされ」


「土の壁を補強する役割は、私たちが引き続きやりますから」


エレナさんやゼーガンさん、それに村の皆が協力をしてくれたのだ。


「ありがとうございます、エレナさん、ゼーガンさん、デルヘナ村のみなさん!」


こうして俺たちはゴブリンの戦いに専念することにしたのだ。



時刻は夕方になった、村人は、一部の住人が既にほかの村に行くなど退去をしていたが、


エレナさんが説得したのか、大半の住人は残っていた。


そのほとんどが女性である。


今もゴブリンの襲撃に備えて土の壁や柵などを作って補強してくれているのだという。大変有難い。


それ程、俺たちがゴブリンを退けてくれると思っているのだろうか。


クロ、シロ、キーは、どうやら俺たちと一緒に戦ってくれるようだ。


そして、彼女たちのお供のダーク・スライム、ホワイト・スライム、イエロー・スライムもそれぞれ彼女たちの傍にいる。



ちなみに、ナビたんとそのお供のスライム達は、エレナさん達と一緒に行動してもらっている。


何かあった時のためにである。




なので、現在、この南東の土壁にいるのは、


スケルトン×100とスケルトンソルジャー×10体。


それを指揮するイルディッシュ。 


俺、ツンデレ少女”クリム”、白騎士”ホワイト・ナイト”、死霊術師”イルディッシュ”、奴隷少女である、クロ、シロ、キーと、その少女達のお供スライムである。



スケルトンはそれぞれ、弓隊とそれを護衛する隊に分かれて、土壁の後ろに立っている。


だいたい一つの壁に10体ぐらいの配置で3つの壁が連なっている。


ちなみに、第一防衛ラインから第3防衛ラインの土壁を設定しており、


それぞれ壁の前には落とし穴がある。


現在、俺、クリム、ホワイト、イルディッシュ、クロ、シロ、キーと、お供スライムは、


第3防衛ラインの土壁から遠くを見回している状況だ。


ここからが一番遠くを見渡せるからである。


この第3防衛ラインが、村を守る最後の要となっていて、ここを突破されると村への進行を進ませてしまうことになる。



また土壁に、最低限のかがり火を焚いているが、とても周りが暗い。


それぞれの土壁にもかがり火をつけてはいるが、大変見通しが悪い。


なので、先ほど、暗闇でも目が見えるというスキル”夜目”を取得(100P使用)して、


俺、クロ、シロ、キーの4人にそれぞれ取得させた。


それでもまだ暗く、ぼんやりと先が見える程度だったが、このスキルがあるとないとでは大違いだった。


クリム、ホワイト、イルディッシュの場合、ある程度は暗闇でも目が見えるから、戦えるみたいだが。


これでは、俺が満足に戦えるか心配だ。


その不安な俺の顔が出ていたのか、


クリムは俺に手を添えてくれた。、


「マスター、あまり無理をしなくていいわよ」


そう、声を懸けてきてくれた。


「この僕が居れば、万事おっけーだからね~♪」


死霊術師ネクロマンサーのイルディッシュ。


「御主人様、皆さまは私が守ります」


白騎士リビングアーマーのホワイト・ナイト。


「ヒデキ様っ……私がまもってみせますっ!」

「えっと~……頑張るよ~?」

「もう……ここまで来たなら手伝うわよ……」


奴隷少女である、クロ、シロ、キーの3人も、俺を元気づける為だろう。励ましてくれたのだ。


「ありがとう、皆で必ず生き残ろうな!」


決意を新たに、平原の向こうを睨み付ける。


「あっ……マスターっ……あれを見て!!」


クリムが何かを発見したようだ。


目を凝らすと、遠くから小さい明かりが見えた。


何の光か分からなかったが、その明かりは徐々に数を増していったのだ。


遠くから、ゆっくりと……だが、確実にこちらに近づいてきている。


「おいおいおい!?数が多くないか!?」


それは、明らかにゴブリンのシルエットだった。


それぞれ、ゴブリンが松明を掲げもっている。


ゴブリンの大半は、棍棒だけだが、一部、剣や槍、弓などの形状も確認できたのだ。


「ゴブウウウウ!!!(ヒャッハー!!)」


「ゴブゴブウウウウ!!(飯だーっ!!女だーっ!)」


遠くからゴブリン達の雄叫びが聞こえてくる。


それは、進撃のゴブリンならぬ、ゴブリンの大群だった。


全体の数は全くもって把握できないが、ゴブリンの数はおそらく500ぐらいはいるんじゃなかろうか。


俺はゴブリン達に負けじと、味方にげきを飛ばす。


「よーし、みんな!一匹残らずゴブリンを駆逐するぞおおおお!」


「「「おおおおおおお!!!!」」」


「「「「「カタカタカタカタカタカタカタカタ」」」」


俺たち&スケルトン連合軍  VS ゴブリン集団 



戦いの火蓋が切られた。




●今回のP消費:

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

夜目スキル取得:100P×4=400P


合計:422.3P-400P= 22,3P

ーーーーーーーーーーーーーーーーー-


文章に色々不備があると思いますので、修正する予定です。 次回は戦闘回予定です。9/20 投稿予定

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