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13.5 クリムの思い(番外編)

短編の番外編です。クリム側の視点です。


私はマスターによって創造された人間モンスター、クリムよ。


名前の由来は”燃えるように綺麗な赤い髪”ということだから”クリムゾン”から取って”クリム”という名前から付けられているわ。


私のマスターが考えた名前にしては、上出来だと思うわっ!


マスターって本当っに名前を付けるセンスないのよっ!


元々奴隷の女の子たちに、仮の名前だけど”クロ”、”シロ”、”キー”ってそれぞれに付けるぐらいだもんっ!


髪の毛の色で名前を決めるなんて―――って思ったけど、私もそうだったわね……うん。


私がこの世界に生まれてからマスターの記憶とか、この世界の常識の知識とかを予め持って生まれたから、


なんていうかその……もうちょっと可愛い名前とか、付けてあげたらどうなのっ!って思ったのよ?


でも、それを言うタイミングを逃したのよね……名前を付けられた本人達は満更でもなかったし。


だから言わなかったわ。


それに、私の使命はマスターの邪魔者を排除することだからよ。


このマントや刀もそのためにマスターから貰ったもので、


私はそのために存在していると言ってもいいから。




今日は、マスターと出会ってから2日目。


マスターとナビたんを待ってから、”エレナ”の家で朝食を食べた後、


マスターに連れられて冒険者ギルドというところに行ってきたわ。


見たところ小さい外見は小さい山小屋なんだけども、外の看板に看板があったから間違いないみたいね。


建物の中に入ってみると、


昨日の衛兵をやっていた”ゼーガン”というお爺さんがギルド職員をやっていたことには驚いたけど、


この人は只者じゃないみたいって何となく分かってたから、余り驚かなかったわ。


顔がなんだか鋭いし、昨日だって、何やら隠れてこそこそ活動していたみたいだから。


私的リストの中でも注意した方がいいわね。


それは別にしておくと、ギルド職員としての説明は、簡潔で丁寧で分かりやすかったわ。


うちのマスターにも見習ってほしいぐらい。


それから、私も晴れて冒険者カードを貰って冒険者になったわ。


その時は、ナビたん程じゃないけど……とっても嬉しく思ったわよ。本当に。


これで私も、少しは……本当の人間に近づけた気がするから。





先ほど、マスターと他の女の子達を合わせて、今後どう活動するのかという会議が終わったわ。


まあ、この会議はマスターが積極的に主導しただけだから、会議と言えるのかは微妙なんだけど。


その会議内容は、


まず、私やマスター以外にも戦える人を増やして、この村を整備していくとのことなんだけど、


本当に出来るか不安だわ。  


それについては、マスターが持つスキルを使って、私の様なモンスターを増やすって聞いたけど……。


マスターには、なるべくなら危険な目にも合って欲しくはないし……。


死なれたら私が、困るんだからねっ!!



そりゃあ……私がマスターに、この村に住んでみたら?と提案はしたんだけども。


これは、マスターの為を思って言っただけなんだからねっ!! 


決して、他の子のためじゃないわっ!


でもねぇ……私がそんなことを考えていても、


マスターの目がいつもいつも”エレナ”の胸に目が言っているのは明らかにみえみえだわっ!!


そうよっ!やっぱり他の女に目を向けるなんて……いい気はしないわっ!!


だって、私がマスターのはじめての人間モンスターなんだからねっ!!


成り行きとは言え、私の他に女が4人も増えたわけだし、”エレナ”とかいうお邪魔虫は、特に要注意だわっ!


なによ、あの胸っ!! 大きすぎじゃないのっ!?


マスターの世界で例えると、スイカかメロンぐらいの大きさがあるじゃないのよっ!!


マスターがわたしを創った割には、私に対してあんまり積極的でもないし……一体どういうことなのよ?


やっぱり……胸の大きさが原因なの?


マスターが私を創造した筈なのに……ぅぅぅ…。


やっぱり、その対策を考えないといけないわね……。


そうだわっ!確かこの村には牛がいたわねっ!


ナビたんに、ちらっと聞いただけだけど、


牛の牛乳を分けて貰えれば……少しは私の胸も大きくなるみたいだからっ!


「マスターっ!!私、村の見回りに行ってくるから、心配なんかしなくていいんだからねっ!」


マスターに一言そう告げてから、村の外縁部の見回りに出かけたのだった。


次回は本編に戻ります。 更新予定日9/11

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