09.滞在
前回本編の続きです。生暖かい目で見て頂けますと幸いです。
◇
「ようこそ来てくださいました”ヒデキ・イケダ”様、及びパーティーの皆様」
村長の家から出て来たのは、洞窟から助け出した、短髪で青い髪の素敵な女性だった。
名前はここに来るまでの道中に聞いていた、”エレナ”だったか。
所々髪が濡れているのは、おそらく急いで水浴びでもしていたのだろうか。
そして、髪から滴り落ちる白い薄い布地に、その上から見えるはちきれんばかりの胸。
なんとなく、エロい。いや、とてもエロい。エロすぎる。
まるで、どこぞのエロ同人みたいに出てきそうな人である……まあ、既にゴブリン共に酷い目にあっているので、不謹慎と言えば不謹慎なのだろうが。
だがしかしなんというか、人妻感というか。
エロいのである。エレナさんまじエロいのである。
俺がエレナさんをジロジロと見ているのに気が付いたのか、
「ええっと、ヒデキ様申し訳ありません、このような姿で……」
顔を赤らめながら謝るエレナさん、とてもいい!!
「いえいえいいえいえ、全然素敵です!」
とくにその胸とか胸とかうなじとか胸とか!!
「ヒデキはエッチだねーっ!!エレナさんの胸ばっかり見てたよっ!」
「ええっ……!?そうなのマスターっ!?」
ナビたんが俺の視線の先を見ていたのか、周りの皆にバラした。
「あ、こらナビたんちがっ!!ちがうんですっ!!これにはわけがっ!?あとクリム、刀こっちに出して向けないでえええええっ!?」
「ふふふっ…気にしてませんよ、殿方ですから」
エレナさんは俺たちが繰り広げるやり取りが面白かったのだろうか、さっきよりも硬かった表情に笑みが浮かんだ。
「むう~…それなら仕方ないわね」
クリムがエレナさんの言葉に納得したのか、刀をしまってくれた。
どうやら俺がクリムに斬られる世界線からは逃れられそうである。
今後命がいくつあっても足りなさそうではあるが。
気を取り直してエレナさんに質問をする。
「それで、エレナさんがここの村長さんなのですか?」
「……はい、私がここの村長ですよ?ふふ、見えませんでしたかね?」
「いえいえいえ、そんなことはないですよ!村長さんにぴったりです!!」
一瞬エレナさんに間が合ったのは気にはなるが、俺が全身をくまなくエロい目でエレナさんを見ていたからだろう。
そう、やはり村長さんと言えば、優しくて綺麗で胸がおっきくて胸がおっきくて可愛いエレナさんみたいな人がいいのである!!
「「「「「じ~~~~……」」」」」
エレナを除く女性陣から(何故か奴隷少女2人も含む)の何故か冷たい視線を受ける。
ドMにはぴったりな待遇だろうが、生憎俺は普通なのだ。ただのエッチィ22歳である。
「さあさあ、皆さま遠慮せずに家に上がってくださいね」
エレナさんが仰ってくれたので、村長さんの家改め、エレナさんのお家にお邪魔する。
「し、失礼いたしますっ!!」
お辞儀をしながら、元気よく失礼がないように家にお邪魔するのは、社会人として当然である。
「お、お邪魔するわね……」
「お邪魔するのーっ!!」
俺に続いて、クリム、ナビたんが続く。
「あなた達も、遠慮しないで入っていいのよ?」
エレナさんは、何故か家のドアの前に佇んでいた少女3人に声をかける。
しかし、エレナさんに進められても彼女たちは進もうとはせず躊躇しているようだ。
「えっと…その、まだ私たちは、ヒデキ様の奴隷と認められたわけじゃなくて……」
「……私たちは元々奴隷だけど……入ってもいいの?」
「別に……私は……気にしてないし」
少女達は自分たちが奴隷である、ということを気にして家の中に入ってこないようなのだ。
ナビたんから聞いたが、この世界において奴隷というものは人として扱われず物と同じように扱う所もあるとか。
「私は、そんなことは全く気にしてないから……遠慮しないで、入ってきて」
だが、この世界においても優しい人はいるようで、エレナさんはその部類に入るだろう。
いや、絶対に入る。
「ほらっ…エレナさんが言ってるんだから、遠慮せずに入ろうぜ」
俺はエレナさんに助け舟を出した。決してエレナさんからの高評価が得たいだとか、エレナさんの胸揉みたいなとか全然思っていないのである。
「ありがとうございますっ!!エレナさん、ヒデキ様っ!!」
「ありがとう……エレナ…さん」
「あ、ありがとう……」
黒髪の少女と白髪の少女と黄髪の少女は、それぞれエレナさんにお礼を言って、部屋の中に入った。
白髪の少女と黄髪の少女は、俺に対してはスルーだったが。
ともかく彼女たちが部屋に入ってくれて、エレナさんの家が賑やかになったのだ。これは喜ぶべきことだろう。
後、彼女たちにとりあえず名前を付けて上げないとな。
◇
時刻は、夕方。ちょうど日も傾き始めた頃。
エレナさんは、先ほどこの家に帰ってきたのであるが、俺たちに料理を振舞ってくれた。
と言っても、固くて大きいフランスパンみたいなパンとコーンスープが薄くなったようなスープだけではあるが。
この世界に来て初めて人間味を感じたのである。
それに、奴隷である少女3人にも同じように料理を配ってくれているのだ。
結論的に言えば、セレナさんマジ天使なのである、言い換えれば…天使のように優しくて美人ってことなんだけども。
後、前から思っていたが、ナビたんも食事って食べれるようで、身の丈よりもデカいパンをガジガジ食べている。
食事をしながら、エレナさんはどうして自分がゴブリンに捕まったのか、つらいだろうに話をしてくれた。
その理由は、エレナさんは、いつも草原地帯で薬草を取っていて生計を取っていたらしいのだが、突然、ゴブリンからの襲撃を受けて捕まえられたのだそうだ。
そして、旦那さんはちょうどその時いたので、エレナさんを助けようとしたのだが、ゴブリンの数に返り討ちにあって死んでしまったそうだ。
俺はそれを聞いて、なんとも言えない気持ちになったのだ。
どうやらクリムやナビたん、他の少女達3人も同じ気持ちなようで、明るかった食事風景が一気に暗くなった。
でも…とエレナさんは話を続ける。
「それは、当たり前だから、それに夫の敵も討ってくれたから…あの人も喜んでくれていると思うわ」
「エレナさん……へ?」
エレナさんは、急に席を立つと俺の隣に来て、おもむろに抱き着いてきた。
「これからは…ヒデキ様が私の旦那様になってくれるから……」
エレナさんは、先ほどよりも密着してきて、大きいお胸が俺の体にふにゅんふにゅんと当たっている。
「「「「えっ…ええええええ!!?!??」」」」
突然の告白に、俺、クリム、ナビたん、一部少女の声が響き渡る。
俺、ヒデキ・イケダ22歳にもどうやら春が訪れたようです。お母様、俺を生んでくれてありがとう!!
◇
俺はなんとか、己の煩悩を総動員してなんとか振り切り、エレナさんが主張している奥さんになりたいとの返事を待ってもらうことにした。(もしくは第2夫人などでもいいそうだが)
本音であれば、オッケーとすごくいいたい、言いたいけども。
オッケーと言うと、もれなくクリムの日本刀と、ナビたんの罵声が飛んできそうだ。
選択肢を間違えるとここで俺、死にそうである。
先ほどから、エレナさんの熱い視線とクリムの煮えたぎる視線が交錯していて、
「「ぐぬぬぬぬぬ……!!!」」
バチバチと火花を散らしていた。ナニコレエ。
それはさておき、先ほどエレナさんが作ってくれた料理を食べている最中、
俺は奴隷少女3人の名前について試案していた。
「というわけで――きみたちの仮の名前を決めたいと思う!!」
「いえーーい!ドンドンドン!パフパフパフっ!」
ナビたんだけが俺が予め発表するという宣伝文句を盛り上げてくれていた。
当の当事者である少女3人は、ポカーンとしているが。
まあいい、勝手に進めるだけだ。
「えーと、右から順にクロ、シロ、キーだっ!!」
「あっ…わかったよっ!!黒い髪だから、クロ、白い髪だから、シロ、黄色い髪だから、キーだねっ!!」
「そのとおーり!!」
そう、俺は黒い髪の少女を”クロ”、白い髪の少女を”シロ”、黄色い髪の少女”キー”である。 うん、捻りも何もないが。
よくよく考えると動物か犬の名前っぽい。やっぱり変えた方がいいか。
「どうだ?3人とも、とりあえずの名前ってことで……その、いいだろうか?」
それぞれ3人の反応を伺うと、
「私にも名前が…クロ…クロって…いいです!」
「わたし……シロ…名前、好き」
「キーって…なんだか変な名前だけど…とりあえず使ってあげるわ」
一部気に入らない人がいるみたいだったが、どうやら当面はこの名前で呼ぶことになった。
「それじゃあ、当分仮の名前はそれで呼ぶからな、”クロ”、”シロ”、”キー”宜しくな」
こうして奴隷少女達3人の仮の名前は、”クロ”、”シロ”、”キー”に決定したのであった。
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NEW!!
名前:エレナ Lv5 次のレベルアップまで 86 exp
種族:人間
HP:20 MP:24 攻撃力:11 守備力:12 素早さ:11 賢さ:21 運:18
称号:王家の血筋に連なる者(パーティーを組んだ相手のステータスを20%上昇させる)
他称号:折れぬ心、復讐心
外見:青髪、ショート
取得スキル:鑑定眼上級、秘匿中級、薬草学初級、料理中級
装備:純白の服、一式
戦力評価:F-
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NEW!!
名前:クロ(仮名) Lv1 次のレベルアップまで 4exp
種族:人間 (奴隷)
HP:10 MP:7 攻撃力:3 守備力:5 素早さ:4 賢さ:11 運:13
称号:生への渇望(HPが30%以下になった時、元の能力値を2倍にする、但し効果はMPに比例する)
外見:黒い髪、ロング
取得スキル:特になし。
装備:村娘の服、一式
戦力評価:F-
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NEW!!
名前:シロ(仮名) Lv1 次のレベルアップまで 5exp
種族:人間 (奴隷)
HP:9 MP:6 攻撃力:5 守備力:4 素早さ:3 賢さ:9 運:12
称号:飽くなき探求心(飽きることがない探求心により、取得経験値が20%上昇する)
外見:白い髪、ロング
取得スキル:特になし。
装備:村娘の服、一式
戦力評価:F-
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NEW!!
名前:キー(仮名) Lv1 次のレベルアップまで 6exp
種族:人間(奴隷)
HP:7 MP:10 攻撃力:3 守備力:4 素早さ:3 賢さ:15 運:12
称号:貴族の再興(スキル鑑定眼の効果を2倍に上昇させる)
外見:黄色い髪、ロング
取得スキル:鑑定眼初級、
装備:村娘の服、一式
戦力評価:F-
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名前:ヒデキ・イケダ Lv:7 次のレベルアップまで 210.1Exp
種族:異世界人間
所持金:金貨8枚
HP:38 MP:24 攻撃力:18 守備力:20 素早さ:19 賢さ:42 運:42
称号:異世界からのサラリーマン(Exp取得の際、経験値が10%上がる)
他の称号:初めてのスライム狩り(スライム系に与えるダメージが10%上昇する)
初めてのゴブリン狩り(ゴブリン系に与えるダメージが10%上昇する)NEW!!
取得スキル:オリキャラクリエイト、剣術初級
特殊スキル:異世界言語理解、アイテム∞ボックス、
総取得P:1205.3P 総取得CP:200
残P:75.3P
残CP:0
持ち物:仕事道具が一式入った鞄、スマートフォン、財布、新刊ライトノベル7冊が入った紙袋…etc
(スマートフォン以外、アイテム∞ボックスに収納中)、スライムの核×23個、錆びた短剣、錆びた剣、棍棒…etc
服装:背広のジャンパー、ズボン、ホワイトシャツ、ネクタイ、ボクサーパンツ 戦力評価:F+
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名前:クリム Lv7 次のレベルアップまで 289.1Exp
種族:人間♀
創造者:ヒデキ・イケダ
HP:37(+5) MP:23(+2) 攻撃力:31(+6) 守備力:27(+6) 素早さ:27(+5) 賢さ:23 運:42
称号:ツンデレる少女(創造者と共に戦闘すると、Exp取得時、2倍になる)
他の称号:初めてのスライム狩り(スライム系に与えるダメージが10%上昇する)
初めてのゴブリン狩り(ゴブリン系に与えるダメージが10%上昇する)
外見:美少女ツンデレAセット(髪型:ロングヘア―赤、赤目、体系スマート、性格:ツンデレ)
取得スキル:火魔法初級、剣術初級、回復魔法初級、俊足、体力強化、逆鱗
装備:冒険者女の軽装服、ナビたんが選んだ下着類etc、対火マント、日本刀
合計使用 CPキャラクターポイント=200 戦力評価:E-
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次回の予定は、内容未定です。 次回更新予定日:9月7日
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9/6 登場人物のステータスを新たに”エレナ””シロ””クロ””キー”を追加しました。
9/15 シロ、クロ、キーの一部表記を変更しました。
9/17 外見を一部変更しました。