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08.5 黒髪の少女(番外編)

今回は番外編です。

私は奴隷の女の子。名前はない。


両親の顔などはうっすらと思いだせるが、その程度。


気が付けば、私は売られて奴隷と言われる身分となっていた。


理由は、黒い髪は不吉だと。


でも、それはもう記憶のかなた。


きっかけすら忘れそうな、ずっと過酷な毎日が続いていたから。


私は、普通の人間で特にこれといった能力も技能も持ち合わせていない。


もしも獣人であるとか、有利なスキルを持っているならば、もう少しまともな生活が出来たのかもしれないけど、それはないものねだりだった。


商人に二束三文で売られ、買われて、あちこちを点々とした。


毎日汚いトイレ掃除をやらせたり、自分よりも重いバケツを持って何度も何度も運んだりしていた。


私は女の子だから、他の男の子より力も弱く、奴隷の中でも力関係が弱く、その中で虐められたりもした。


でも生きるために必死で毎日をやり過ごした。



そんなある日、こいつ等は使い物にならないと商人に返却されて、


馬車に積めこまれた私は他の二人の少女と出会った。


それは白い髪の少女と黄色い髪の少女の二人。


白い髪の少女は、比較的に無口だけど、必ず何かしら反応を示してくれて。


黄色い髪の少女は、思ったことを正直に言わない性格みたい。


それを指摘すると顔が真っ赤になって、束の間仲良くなることが出来た…でも、結局私たちは商品で。


まだ誰かの元で玩具のように働かされるのだろう。


と思っていたその時、馬がいななきを上げるが聞こえた。


そして、私は馬車の外へと投げ出され、やがて意識を失った―――



―――気が付くと、私と他の少女2人は、それぞれ緑の化け物…確か、ゴブリンだったかな。


それにそれぞれ担がれて運ばれていた。


どこかの洞窟の奥に運ばれた。


そこには見るも堪えない女性たちがいた。


既にゴブリンから何度も辱めを受けたのだろう、白い白濁液にまみれていた。


それに凄い異臭がしていた。


けれど、彼女たちは最初に抵抗をしていたのだろうけど、もう意識が混濁としており


時折「ぁぅ…ぅぅ…ぁぅ…うぁ…」とうめき声をあげている。


次は、私はゴブリン達の慰み者にされるんだって…思っていた。


今まで、そういう事は幸いにも無かったけど、知識としては持っていた。


だからその恐怖が…とても怖くて、体を丸めて震えていた。


運ばれたその日は何も起こらず、ただ、ただ何事も起きないようにと思っていた。



洞窟の中だから、時間間隔が分からないけど、


どこか遠いところで、何かがが鳴り響くが洞窟に聞こえて来た。


近くを見張っていたゴブリンも、出て行ってしまった。



もしかすると誰かが助けてくれたのだと悟った。


こんなところに来るのは冒険者かそれぐらいだろうし。


一際大きい剣が響く音がした後、何も音がしなくなり、


徐々にこちらへと誰かが近づいてくる足音が聞こえた。


もしかして、助けに来てくれた人は、大きいゴブリンに負けたんじゃないか、


そう思って顔を上げると――


―――その人は見たことがない立派な黒い服を着ていた。


どこかの貴族か何かだろうか。傍らには、赤い髪の凄い美少女と妖精が立っていた。


しかし、彼は貴族らしい恰好をしているが決して傲慢そうでもない顔つきで、こちらを見ていた。


それも貴族にあるまじき行為、奴隷を心配するということを。



だから、私はこの人について行きたいと思った。


何故かはわからないけど。とても優しそうな人だったから。


理由なんて大層なものはない。


そうしたいからそうしたいだけ。願わくば、彼のもとでこれからも―――

次回は、本編に戻る予定です。 次回 更新予定日9/9

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