07.発見
前回の続きです。生暖かい目で見て頂けますと幸いです。
◇
ゴブリンを討伐したら、洞窟の奥に白濁液に塗れた女の人達が座り込んでいた。
その数10人。
この謎の白い液体は、腐った魚の様な異臭を放っている。
ていうか、マジ臭い。
洞窟の中が既にゴブリン臭いが、これは本当に酷い。
「これは…酷いわね…」
「ああ…確かに、これは…」
俺とクリムが顔を背けるほどの悲惨な状況であった。
しかし、よくよく見ると、服は薄布一枚だが、何も怪我もしてなさそうな女の子達がいた。
彼女たちは、既に満身創痍といった状況な7人と、五体満足な女の子が3人。
「あ…あの…冒険者の方、ですか?あの…冒険者様…助けて頂いてありがとうございました……」
その中でも、一番年長者なのか、
比較的元気な黒い髪の少女が声をかけてくれた。
ただ、それも本人は元気よく話してくれているのだろうけど…声が掠れていた。
それに布切れ一枚という大変魅力的な恰好ではあるが、栄養失調なのかとても痩せている。
どうやら事情を聞くと、この少女たちはこの辺りを偶然通りかかった商人に乗っていた奴隷たちだそうで、
その商人は既にゴブリン達に殺されて、この少女たちはここに運ばれたのだという。
ここは、クリムとナビたんに此処は任せるほかないだろう。
クリムには回復魔法が使えるし、一応、人間であるとは言え女の子だ。
俺なんかより、よっぽど適任だ。
それにナビたんもいるし、何かあれば呼んでくれるようにした。
俺は、洞窟で万が一にも他のゴブリンが残っていないか見回ったが、特にいなかった。
その中で武器庫というか、ゴブリン達が人間から奪っていったものの倉庫を発見した。
その武器や、回復薬など使えそうなものを拝借していった。
◇
クリムが回復魔法を弄られた女性や少女達に掛けたので、疲れていたのだろう、少し休憩をしていた。
「すまない、クリム、ナビたん…お前たちばかりに働かせてしまって…」
「いいのよ、マスター、こういうのは私たちに任せておいて」
「そうなのっ!ヒデキの出る幕はないのっ!シッシなのっ!!」
「いやまあ…そうなんだろうけど、ほら、回復薬を持ってきたから、一番疲れてる少女達にあげてくれ…」
「おーっ、ヒデキにしては気が利くのっ!!」
「うるせえよっ!?」
俺は女の子には優しくするというモットーなのである。
スマートフォンのなけなしのポイントを使用して、彼女たちに着る物を用意してあげた。
村娘の服 一式50Pという質素なものだが。
それを10人分、用意する。 500P消費
けっこう痛手だが、女の子には優しくしようというモットーなので
必要経費なのである。 まあ、せっかくゴブリンを退治して手に入れたポイントではある。
有効利用しないとな。
あ、そうだ、ご飯も用意しないとな。
再びスマートフォンのPアイテム交換一覧から、食べ物一覧を表示する。
質素なパン 1つ (10DP)よし、これにしよう。
試しに1つ交換すると、俺の手に1つ、でかいフランスパンみたいなのが出てきた。
そして食べる。かなり固いが一応食べられるので、13個用意した。130P消費。
これらをクリムとナビたんに渡し、配ってもらう。
すると、少女たちや女性達は最初は拒んでいたが、しばらく碌なものを食べていなかったのだろう。
皆貪るように食べた。
俺も、異世界に来てから何も食べておらず、戦闘なのでお腹が減っていたので、食べた。
とても固かった。
◇
しばらくして、パンを食べてから元気になったのか、満身創痍だった女性達も村娘の服を着て、ポツリポツリと話をしてくれた。
聞くと、彼女たちは近くの村に住む女性達だという。
最近この辺りで、売り物にする薬草を摘んでいたら攫われたとのことだ。
「あの…助けてもらって、大変図々しいのですけど、そこまで連れていっては…くれませんか?」
そのうちの青い髪のショートヘアーの女性が涙を浮かべて、俺に頼んできた。
クリムには負けるが、かなりの美人さんである。
それに、胸がおっきい。
いやかなり大きいのである。
そんな女性に頼まれているとするならば―――
「ねえ、マスター……どうするの?」
俺の邪な考えにも関わらず、クリムは俺が断らないかを心配しているようだ。
そんなこと答えることは一つである!!
「分かりましたっ……!俺が皆さんを村まで連れていってあげますから!」
「ありがとうございます……冒険者様……いえ、ヒデキ様っ……」
この青い髪の美人お姉さん、他、女性たちは皆、涙を流していた。
このうち、奴隷の少女が3人が俺に向き直った。
よくよく見ると皆やせ細っていはいるが、顔だちは皆とても可愛い。
1人目は黒い髪の少女。この子は先ほどから俺に話しかけてくれる年長者だろう。14歳ぐらいだろうか。
2人目は、白い髪の少女。なんだかお人形さんみたいな表情で、余り感情の機微が見えない。11歳ぐらいか。
3人目は、黄色い髪の少女。元々は綺麗な髪の毛をしていたのだろうが、今はくすんでいる。彼女は俺を睨み付けるようにこちらを見ているので、まだ警戒されているのだろう。12歳ぐらいか。
そのうち、さっきの黒い髪の少女が
「あ、あの…ヒデキ様、私たちを…奴隷にしてくれませんかっ?」
と言ってきたのであった。
「ああ、奴隷…奴隷…え…えええっ!!?!?いやあのええっ!?」
「ど、奴隷って!?マスター、奴隷は私だけで十分でしょ!?」
「いやいやいや、クリムは奴隷じゃねええええ!?」
「やっぱり…私たちなんかが…ヒデキ様の所有物になるなんて…おこがましいでしたね…」
「いやそうじゃなくてなんとういうかあのこれどうなっているんだあああナビたん!??」
「呼ばれて飛び出て、説明たいーむっ!!」
困った時には、ナビたんに説明を聞くのが一番なので、説明してもらった。
結論的に言えば、奴隷は、飼い主がいない状態のときは
自動的に、見付けた人が飼い主になるそうだ。
ただし、奴隷契約というスキルを発動させて、相手も了承した上で奴隷にしなければならないそうだが。
よくある小説で商人たちが持っているスキルなのだろう。
「あの…冒険者様、これから宜しくお願いしますっ!!」
「お願い…します…?」
「……ふんっ…」
二人は賛成に近いとは思うが、一人はどう考えても、俺の奴隷にはなりたくなさそうだが。
そのことを指摘すると
「大丈夫です、この娘、照れると口数が減るだけですから」
「違うわ…私はまだ認めてないだけ…ふんっ…」
黄色髪の少女はツンデレ少女なのだろうか。若干クリムとキャラが被る。
「お腹…減りました…」
そして、白い髪の少女は、マイペースだった。
「ええっと…とりあえず、これからみんな宜しくな…」
「はいっ…宜しくお願いしますっ…ヒデキ様っ!」
黒い髪の少女は、俺がOKと言ったのと勘違いしたのだろうか、満面の笑みだった。
そして、俺は結果的に、この少女達3人、奴隷少女3人の主となるのであるが、
現在の俺は、知る由もない。
そして、歩いて洞窟から近くの村を皆で目指すのであった。
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奴隷となる少女達:
黒い髪の少女(14歳)
白い髪の少女(11歳)
黄色い髪の少女 (12歳)
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今回消費したP:
村娘の服 一式50P×10
質素なパン 10P×13
合計 630P
残 705.3-630 = 75.3P
ここまでのステータス:
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NEW!!
名前:ヒデキ・イケダ Lv:7 次のレベルアップまで 210.1Exp
種族:異世界人間
所持金:金貨8枚
HP:38 MP:24 攻撃力:18 守備力:20 素早さ:19 賢さ:42 運:42
称号:異世界からのサラリーマン(Exp取得の際、経験値が10%上がる)
他の称号:初めてのスライム狩り(スライム系に与えるダメージが10%上昇する)
初めてのゴブリン狩り(ゴブリン系に与えるダメージが10%上昇する)NEW!!
取得スキル:オリキャラクリエイト、剣術初級
特殊スキル:異世界言語理解、アイテム∞ボックス、
総取得P:1205.3P 総取得CP:200
残P:75.3P
残CP:0
持ち物:仕事道具が一式入った鞄、スマートフォン、財布、新刊ライトノベル7冊が入った紙袋…etc
(スマートフォン以外、アイテム∞ボックスに収納中)、スライムの核×23個、錆びた短剣、錆びた剣、棍棒…etc
服装:背広のジャンパー、ズボン、ホワイトシャツ、ネクタイ、ボクサーパンツ 戦力評価:F+
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NEW!!
名前:クリム Lv7 次のレベルアップまで 289.1Exp
種族:人間♀
創造者:ヒデキ・イケダ
HP:37(+5) MP:23(+2) 攻撃力:31(+6) 守備力:27(+6) 素早さ:27(+5) 賢さ:23 運:42
称号:ツンデレる少女(創造者と共に戦闘すると、Exp取得時、2倍になる)
他の称号:初めてのスライム狩り(スライム系に与えるダメージが10%上昇する)
初めてのゴブリン狩り(ゴブリン系に与えるダメージが10%上昇する)NEW!!
外見:美少女ツンデレAセット(髪型:ロングヘア―赤、赤目、体系スマート、性格:ツンデレ)
取得スキル:火魔法初級、剣術初級、回復魔法初級、俊足、体力強化、逆鱗 NEW!!
装備:冒険者女の軽装服、ナビたんが選んだ下着類etc、対火マント、日本刀
合計使用 CPキャラクターポイント=200 戦力評価:E-
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通信障害により諸々時間が少し遅れました。次回の更新予定日09/05
文章は、また変更致します。
9/15 人間モンスター表記を変更しました。