第十三話 喪失
え・・・?!
たけしさん今何て言いました?
酔っててもさすがに聞き間違いちゃうと思うんやけど・・・・・・。
「はやくーいこうやー」
たけしは私を急かした。
「はい・・・」
私はたけしさんと一緒に彼の部屋に行った。
そして彼の部屋の布団に、一緒に入った。
さっきまで寝ていたたけしさんの温もりが、布団に残っていて、温かく感じた。
「隣おいで」
彼は優しく私に囁いた。
「はい・・・・・・」
今まで以上にドキドキしていた。
こんな気持ち、初めて・・・。
私・・・今からたけしさんに・・・抱かれる。
こんなに好きになった人は生まれて初めてだった。
この人になら、私の初めてをささげてもいい。そう思った。
彼は私の方を向き、そっと抱きしめてキスをしてきた。
深く舌を入れながら・・・。
「あ・・・・・・」
胸を触られた私は、思わず声が出た。
「んっ・・・・・・」
舌で体中を舐められて又声が出た。
「まき・・・まき・・・まき・・・・・・」
彼は私を抱いている間中ずっと、私の事を‘まき’と言っていた。
まきさんの代わり・・・私はまきさんの代わり・・・・・・。
たとえ私がまきの代わりであっても、いい。そう思った。
たけしさんの事が・・・好きだから。
愛してる・・・・・・。
・・・その日私は女になった。