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2話

「宇宙からきた、古代人?」


「多分そう説明した方が、私の経緯はわかりやすいわ」


 突拍子もない事を言うので、私はつい、女性の前で呆れそうだった。


「私は、あなたたち、現人類の前に繁栄していた種族。今の科学を遥かに超えるほど高い技術があったの。私は、仕事でとある星に飛ばされて、今帰ってきたところ。それにしても、何で滅びちゃったのかしら……」


「あの、すいません。訳がわかりません」


 敬語だけれど、つい、強く言った。


「まぁ、しょうがないわ……」


 女性は失笑したようだ。私の反応が面白かったのかな?


暗くてさっきまではよくわからなかったが、女性の顔色を見ると、目のあたりに少し赤味がかかっている。


泣いていた?


「一応、カエルちゃんが貴女に懐いちゃっているから、また来ると思うわ」


そう言って女性は去って行った。


あ、私はこれからどうしよう!





次の日


毎週通っているコンビニに赴くと、昨日会った女性に会った。アルバイトをしているらしい。ビックリして、「ふうぇい?」などとヘンな声を出したら、女性がくすりっと失笑。ううぅ。


「当分はここにいると思うわ」


 にこりと笑う。きっと、モテモテなんだろうなぁ。そんな事を思った。


「失礼」


コンビニでいつも通り、お茶を買い終わると、突然、スーツ姿の男性に声をかけられた。


「音川さんについてなんだけれど」


 音川……?


そういえば、あの女性のネームプレートに、音川って名前が記載されていた覚えがある。


「はい、どうかしましたか?」


「よかった……。なら、彼女の事情も知っているのかな?」


「じ、事情ですか……?」


「ええ、どうやら、彼女が生きていた頃の文明は消えてしまったようだけれど」


 そうか。


最初こそ、私はこの人が音川さんと接点を持ちたいだけのナンパ師さんかと身構えたけれど、そう簡単にはいかないらしい。


「実はね……僕と彼女は婚約者なんだ。事情があって彼女と別れたんだけれど、よかった。君は音川さんの居場所を知っているのか。教えてくれよ」


 ??


この人は音川さんの居場所を知らないのかな? 


嫌な予感が漂うなぁ、と躊躇していると、心の中にいるカエルちゃんが、まるで『こいつを音川さんに近づけないで』と言いたいように鳴いた。


「あの、すいません、彼女がいる場所はよくわかりません」


「……昨晩会ったようだね」


「はい。その後は……」


「チッ」

 

突然、乱暴に舌打ちをした。


「忌々しいヤツめ。まぁいい本当に知らないのか調べてやる」


 そう言って、男性はこちらに近づいてくる。怖い。自分よりも一回り大きい体躯が、自分との距離を詰めて来る。普通の女子高生の私にとって、恐怖以外の何物でもない。


バシン!


怖い顔をした形相の男声の手が、何かに払われた。しかし周囲に何かある様子はない。誰かが私を守ってくれたのかと思ったけれど、それは妖しいところだ。


「クソ! またかっ!」


 男性は吠えるように言うので、私は心臓が締め付けられそうだった。


「フンっ! また来るからな!」


 やめてほしい


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