怪獣襲来の真実
車は滅多にお目にかかれないリムジンという奴で、向かい合わせの広い座席に座るやいなや、僕の心拍数が一気に上がった。
室長は窓越しをずっと眺めながら、黙り通している。
「あの、どうかしたんですか?」
「いやね、私はこの車から流れる景色が好きなんだよ。こうきらーっと光が流れていく光景、素敵とは思わないかい?」
相変わらずどこかずれた人だ。僕は黙って鈴埜さんと向かい合った。
「あ、あの……お久しぶりです、になるんでしょうか」
「い、いやこちらこそ約束を果たせなくて済まない! 君に会いに行こうかと思ったんだが、人に阻まれて……その」
と、鈴埜さんはまた自分を責めるように萎縮しだした。その彼女の姿を見たリュウカは口をとがらせ、彼女をじっと見つめた。
「かっこいい国の英雄はどこに行ったんですかねぇ」
「おい、リュウカ」
「い、いや、彼女の言う通りだ。毅然としてなきゃいけないのに……」
彼女が無理矢理背を張ろうとする。僕は頭をかきむしってそれを制した。
「いいじゃないですか」
「え?」
「鈴埜さんだっていっつもも張り詰めてたら疲れるでしょ? 僕達の前でくらい、普通の人でいてくれたっていいんですよ」
僕がそう言うと、彼女は申し訳なさそうに萎縮してから、ありがとうと小声で答えた。
「それにその、鈴埜さんに会いに行かなかったのは僕も同じですし……」
僕が小声で謝ると、不思議な沈黙が互いに過ぎった。それを見たリュウカは口を半開きにした薄い笑みを浮かべ、僕と鈴埜さんにそっと声をかけた。
「雲雀さぁん……それと軍人女……何かいい雰囲気ですね」
「そ、そんなのじゃない! な、長野くんに失礼だろ!」
鈴埜さんは声を荒らげリュウカに否定の言葉を飛ばした。彼女ほどの人間が僕に思いを寄せてくれるはずはないのだが、やはりこれほど美人の人と知り合える機会などそうない。それが僕にちょっとそわそわしたものを与えていたのも間違いない事実だった。
僕と鈴埜さんは結局二人揃って押し黙ってしまった。リュウカが嫌悪を示すように僕たちを睨むが、どう返答していいものか分からない。
室長は相変わらず鼻唄交りに外を眺め、僕たちに助け船など出さない。リュウカの視線とお互いにうつむく僕たちという滑稽な光景が、停車まで続いた。
二十分ほど車が走った頃だろうか。街が暗闇に覆われる中、僕たちはビル街の一角に突き進んでいた。
車が細路地を抜け、住宅街を思わせるような落ち着いたたたずまいの場所に入り込む。
「何がいいか迷ったんだけどね、まあ和食にしようかと」
車が止まりそうになると、神嶋室長が口を開いた。停車して降りた先にあるのは「和」とだけ書かれた、のれんのかかった店だった。
入り口に飾りのような灯籠がある。そしてしっかりとした門構えはただの和食屋の雰囲気ではない。いわゆる政治家の皆さんが色々と話し合いをするような、そんな店だ。
こんな高級店に連れてこられるなんて知らなかった僕の心拍数が一気に上がる。しかし横にいるリュウカは、この和の文化が珍しいのか、目をきらきら輝かせながら店のあちこちを見回している。
店に入ると、着物を来た妙齢の婦人が丁重に頭を下げてきた。僕はつられて頭を下げるが、室長と鈴埜さんは軽く頭を下げるだけですぐさま進んでいった。
僕たちが連れられた部屋は、奥の静まった部屋で、まるで高級旅館の一室のような畳作りの花瓶や掛け軸の飾っている場所だった。
室長がくるりと部屋を見回し、ゆっくり掛け軸などのない壁側に座る。その隣に鈴埜さんもゆっくりつき、僕たちを見つめてきた。
「君達が上座だ」
彼に言われ、僕は目を泳がせた。何とか滑り込んで二人に上座を譲りたいと思うのだが、二人は僕達にその席を譲る意志を強く見せている。
僕が困惑していると、おそらく上座の意味なんて知らないであろうリュウカが、はしゃぎ調子で一番奥の位置についた。
「こう見えても、雲雀さんのところで椅子のない生活に慣れているんです。任せて下さい」
何を任せろというのか分からないし、すぐさま上座についていくその姿にも呆れてしまう。室長はリュウカの元気な姿に失笑し、鈴埜さんは少しうつむいてから僕を見た。
「その……一応報告では聞いているのだが、長野くんとリュウカはその……何というか一緒に生活しているのか?」
「こいつが勝手に上がり込んでるだけです! 変なことは何にもないですからっ!」
僕が強い口調で反論すると、横からリュウカの鋭い視線が飛んできた。ここでやりあうことほど馬鹿げたことはない。僕は諦めて静かにリュウカの横、そして鈴埜さんの向かいにあたる席についた。
妙に重苦しい空気がよぎる。鈴埜さんと少しは親しくなったとはいえ、国を代表するような人物とこうして向かい合うこと自体、現実感がない。僕にとってそれは、宇宙人が隣で共に食事を取ろうということよりも信じられないことだった。
無言のまま正座していると、障子がすいと開かれた。優雅なたたずまいの和服美人が一礼し、お盆を僕達の側へ近づけてくる。
小鉢に生麩の緑や黄色といった彩りが華を添える。室長の手元にとっくりとおちょこが置かれ、和服美人さんが頭を下げ障子を閉めて立ち去った。
「おお、これはおいしいですね!」
誰もどうぞと言っていないのに、いきなりリュウカが出てきた前菜を食べていた。見た目の清楚さとは裏腹のどうしようもない態度に僕は他人を装いたくなった。しかし室長はそのリュウカの元気の良さを気に入っているのか、にこにこ笑いながらおちょこに酒を注いでいた。
「いや、私だけ飲んで済まないね」
「いえ……僕とか飲むわけにはいかないですし」
「まあ君や鈴埜君に飲ませた注がせたとなると大事になる。だから寂しく手酌なのさ」
室長は笑いながらまた酒を注ぐ。鈴埜さんは申し訳なさそうに頭を下げるが、まだ料理に手をつけようとしない。
「ほら、君達も早く食べなさい。せっかくの場なんだから」
と、彼に促され、僕と鈴埜さんも箸を手に料理に手を伸ばした。鈴埜さんは背をぴしりと伸ばし、丁寧な箸使いで前菜の生麩を綺麗に半分に切っていた。
僕はほんの少し料理を口にした後、黙ってそれを見つめていた。もしかすると、こんな機会は二度と無いかもしれない。
なら悔いのないように聞くしかない。僕は思いきって口を開いた。
「あの、こんな場で聞くことじゃないかもしれないですけど、いいですか?」
「どうしたんだい、そんなに改まって」
「……以前から気になっていたんです。どうして鈴埜さんも室長さんも、父のことを知っていたのか」
僕の静かな切り口に、鈴埜さんが視線を落とした。神嶋室長も、ひげのない顎を撫でながら、少しばかり天を仰いだ。
「まあ秘密にするほどのことでもないし、語らねばいけないな」
彼は箸を置き、また酒をついだ。そしてそれをくいと一気に飲むと僕の方をちらりと見た。
「私も鈴埜君も、長野宗徳についてはよく知っているよ」
「知り合いだったんですか?」
「知り合いではないよ。存在としてよく知っていた……ま、いわば本物の英雄だったということかね」
まるで弔辞を読むかのような、静かな語り口で彼は僕に話しかけてくる。
「彼は国に存在をなかったことにされたのさ」
彼の発した一言に、僕の顔が固まった。
「……え?」
「考えてみたまえ。宇宙人や怪獣の蹂躙を食い止めるヒーローが国の対応の遅さを批判しながら人々を守る。政府に取っちゃこれほどない迷惑な存在さ」
僕の目が点になる。その傍らで、リュウカが半身を乗り出して向かいの室長に食ってかかった。
「それじゃあ……宗徳さんは!」
「国のネガティブキャンペーンにやられたのさ。でかいロボットは街を壊す邪魔者、街を壊さず小型のメカで国を守るのは命をかけている軍人、そういう報道を片っ端から使われてね」
彼の言葉にリュウカが歯ぎしりをする。だが僕はリュウカのその肩を叩き、笑顔を見せた。
「雲雀さん! お父様が愚弄されてるんですよ!」
「分かってる。室長さんはそれに関わったんですか?」
「いや。私の就任前の出来事だよ。まあそこまでさせるほどに長野宗徳は、鈴埜君でも比較にならない英雄だったのだろうな」
彼は思い出すように、酒に口を付ける。リュウカはいらだちを抑えきれない表情のまま浮き上がった腰を下ろした。
「リュウカ、別にいいだろ」
「どうしてですか!」
「僕はあの人がどう死んだかなんて、興味ないんだ」
リュウカが僕の言葉に一瞬押し黙る。そして僕は横を向きながら呟いた。
「でも、最近どう生きたかってことだけは気になるようになってきた」
「雲雀さん……」
僕の言葉に、向かいにいる鈴埜さんも微笑んでいた。そして室長もなるほどとばかりに顎に手を当てている。
「まあそれならいいんだがね。鈴埜君も長野宗徳に助けられた人物の一人だし、その言葉がなければ救われなかったよ」
「鈴埜さんが助けられた……?」
「湾岸大災害、知っているね?」
何のことだろうと僕は少し考えた。そしてそれに気付いた瞬間、僕の口から声が消えた。
「彼女はあの時の生き残りさ」
思った通りの言葉を聞き、僕はどうとも言えず避けるようにただ視線を落としていた。
地球に宇宙人や怪獣が大挙して押しかけていた時、数多くの民間防衛組織が後手後手の国に代わり敵を蹴散らしていた。父の乗るSP1もその内の一つだった。
民間のロボットは何とか怪獣たちを地上に上げまいと必死に戦った。だがわずかではあるが沿岸沿いに怪獣の上陸を許してしまったことがある。
その内の一つが、湾岸大災害と呼ばれる大事件だった。
怪獣は海を越え、港町に立ち上り災厄をまき散らした。数多くの犠牲者が出たその事件から、国の根本的な対策姿勢は変わり、当時の政権を揺るがしたほどの大事件だった。
その時強力な怪獣と、雨降りしきる中一晩中戦いを繰り広げたのが、父の乗るSP1だったと聞く。当時の僕はまだ幼く、怪獣退治に出る父を、出勤する人間を見守るような無邪気な眼差しで見つめていた。だから僕は、あの事件がどれほど悲惨だったかを本当の意味で知らない。
それを知る人間が、僕の目の前にいる。僕は鈴埜さんを見た。悲壮のない目をした彼女は、穏やかに笑いながらゆっくり語り出した。
「あの時……SP1が来てくれなければ、私も死んでいたかもしれない」
「……鈴埜さん」
「あの大雨の降る暗闇の中で、私達は逃げ場もなかった。そんな時に怪獣に必死に立ち向かってくれるSP1の銀色の輝きは希望だったんだ。だから私も……あんなことになって悲しかったよ」
彼女の言う「あんなこと」とは、父の無残な最期だとすぐに察しが付いた。
「もしかして、鈴埜さんが僕に戦うなって言った理由って……」
「ふふ、怖かったんだ。あの時君とは知り合いでもなかったけど、自分を生かしてくれた恩人と、同じ目に遭わせるんじゃないかって」
「で、でも鈴埜さんだって命をかけてます! 僕はそれを手伝いたいですし……!」
何故か必死に、うわずった声で落ち込みかける彼女を励ましてしまう。そして自分の言ったことの軽薄さに気付き、また頬を赤らめてうつむいてしまうのである。
「そ、その……君の父上に憧れてこうして軍人をしているのに、君に助けられたのはその……何というか……済まない」
「あ、謝らなくていいです。本当なら僕なんて関われない人間ですし」
「そ、そんなことはない! 私だって普通の人間だぞ!」
僕と鈴埜さんが意味のない言い争いをしていると、横からリュウカが冷めた視線をよこしてきた。それに僕達は気付き、少し黙って振り上げた拳を引っ込めるようにお互い無言に返った。
そうこうしていると、次の料理が運ばれてきた。刺身や煮付けなど、魚を主にした料理だ。
室長はまた酒を少し飲むが、それには強いのかまったく酔った様子もなく僕達を眺めていた。
「おお、これが刺身という奴ですね。雲雀さんのところでは卵が主ですから、貴重な経験になるです」
リュウカは出てくる料理に感激したような言葉を発するが、僕には嫌みにしか聞こえない。ただその馬鹿さ加減が今のこの緊迫した空気を打破する要因にもなり、ありがたくもあった。
気持ちを切り替えるように僕が刺身に手を延ばすと、鈴埜さんが神嶋室長の方へ向き彼の目をじっと見据えた。
「どうしたのかね、鈴埜君」
「室長、私からも質問があります」
「君から質問かあ。私よりも君の方が聡明なんだから……」
「室長、防衛に関わる問題です」
軽口で流そうとする神嶋室長を鈴埜さんは厳しい口調でただす。彼も仕方ないとばかりに箸を置いて、酒を少し口にした。
「前回の超竜戦で、貫通弾が利かなかったという報告はすでに上がっているはずです。あれの回答をいただけておりません」
「あれか。まあ理由は分かってるんだがな」
「では、答えをお聞かせください」
「簡単に説明すると、あれは八割の怪獣を木端微塵に出来る。つまり奴らは残りの二割ってことさ」
僕は室長が何故そう言い切るのか分からなかった。現に、海から現れた怪獣は全て通称貫通弾と呼ばれる必殺の弾丸一発を食らって始末されている。その二割の違いが僕には分からない。
「そうだな、まず宇宙人が何故地球を攻めてきたか、それを説明しなきゃならんな」
「というと……?」
「セノフォトン、新種の合成反物質の名前くらい聞いたことはあるだろう?」
僕は頷いた。その特性から様々な物流変革を起こせると期待されている、この日本で研究が進められているまだ未知の領域にある化学物質だ。
「ゼロエックスの駆動系にも使われていて、あの機体の高速運動を可能にしていたりもするんだな、これが」
「神嶋室長、それと怪獣がどう繋がるのですか」
「人間はタマネギをおいしく食べられるだろう? だがタマネギの成分を分解する酵素をもたない動物にとって、タマネギはただの猛毒だ。つまりそういうことだ」
彼のたとえで、僕達は察した。夢の物質であるセノフォトンは、地球人にとっては無害だが宇宙人には猛毒そのものでしかない。
だから宇宙人は何度も地球の小さな島国である日本に攻めてきた。セノフォトンを宇宙から消すというその目的のためだけにだ。
「ちょっと待って下さい。そんな危険なのにどうして宇宙人は攻めてこなくなったんですか?」
「まあ色々あるが……一番の要因は、地球人が思ったほどセノフォトンを有用に扱えていなかったということだろうね」
「有用に?」
「何せ年に採取できるセノフォトンは小瓶一つ分だ。星の三つ四つは壊滅させられるが、宇宙を支配するのは難しいね。それにロケットなんかの技術も未熟だ。他の星を攻撃できるような脅威に非ずってのを彼らは理解したのさ」
小瓶一つと聞き、リュウカが難しい顔をした。
「確かに……そんな状態じゃ宇宙人も無茶しなくなりますね」
「研究が進めばまた宇宙人も攻めてくるだろうが、攻めれば自分の命を危機にさらすことになる。放っておいても危機にはならない。そこを天秤にかけたんだろうね」
僕とリュウカは静かに頷いた。宇宙人がセノフォトンの脅威を知っているということは他の星でもセノフォトンが開発されていたということだ。それと比較して、地球はまだ未熟、破壊する価値もないと見下されたのだ。
「海から現れる基礎六種と呼ばれる怪獣たちは自らに対し毒であるにもかかわらずセノフォトンを求める性質を持っている」
「自分に対して毒なのにですか?」
「飛んで火に入るなんたらって奴でね。そういう習性を持たされたという説もあるが、だからいつも日本の同じような場所を狙ってくるのさ、奴らは」
彼は難しい顔で口をつぐんだ。
「セノフォトンを研究している中央研に怪獣が上陸したら、大変なことになる」
彼は額をとんとんと人差し指で叩き、言葉を続けた。
「怪獣の体とセノフォトンが反応して大爆発。ま、ざっと見積もって日本の三分の一は消し炭になる。セノフォトンもどこかへ失せるだろうな」
「じゃあ、他の国がセノフォトンを研究しないのは……」
「うむ。やっかいごとが片付いて、技術が確立したらこの国から技術を分け与えてもらおうという考えさ。今は怪獣に襲われるリスク、そのくせ低い生産性となればメリットなんてほとんどない」
「神嶋室長はセノフォトンをどう思っているんですか?」
「いずれ時代と技術が辿る道。セノフォトンが実用化された時、君のお父さんはセノフォトンの発展に貢献したと言われるよ」
彼の笑顔で僕は幾ばくか助けられた。あれだけ嫌いだと言っていたのに、父の死に意味を求めている自分がどこかにいる。それを今、この人は肯定してくれたのだ。
「貫通弾……特殊薬物甲一号弾には貴重な微量のセノフォトンが注入されている。これで怪獣を倒せるメカニズムを理解してもらえたかな?」
彼がにっこり微笑むと、鈴埜さんは凛とした顔で頷いた。
「たとえ必殺の一撃がなくとも、敵に立ち向かう心得と民を守りたいという意志があれば強敵と戦えると、私は長野くんに教えられました」
「ならばよろしい。最終的に敵と戦うのは本人だ。その勇気があれば大丈夫だろう。それと――」
と、彼は僕の目をふいに捉えた。
「近々正式な書類を出すが、長野君に超竜と呼ばれる新種の敵を倒す協力をしてもらいたい」
酒を口にしていたとは思えない彼の真顔で告げる言葉に、僕は息を飲んだ。
「……ほ、本当ですか!」
「ああ。敵は強大だし、それに君のギアを隠し通すのも無理がある。仲間と共闘するゼロエックスというイメージになれば、鈴埜君の好感度も更によくなる。やってもらえるかな?」
僕の胸が激しく鳴るのが手に取るように分かる。のど元が圧迫されるように、息が苦しくなる。目の前にいる鈴埜さんは、視線を下に落としたり、こちらに向けたりしながら何か言いたそうな顔をしていた。
僕は少し目を閉じ、室長に真っ直ぐ視線を返した。
「やらせてください」
「君ならそう言ってくれると思っていたよ」
「僕は父のようにはなれませんけど、今も父がいたら、きっとこの脅威に立ち向かおうとしていたはずです。僕も鈴埜さんと一緒に戦わせて下さい」
僕の直視する瞳を神嶋室長も真っ直ぐ受け止め、何も言わずまた酒に口をつけた。