6 始まりの街-2
無事、始まりの街まで戻ってきて、
タク達のパーティーと別れた後。
「まずは、装備だよね…。」
と言うことで、防具屋へ向かう途中、
露店を見つけた。
「あの…すみません。
此処って何を売っているのですか?」
気になったので、店主に聞いてみる。
「いらっしゃいませ。
此処は…まあ、色々売ってるよ。
例えば、回復薬も売ってるし、
武器や、防具も
素材を持ち込んで貰えば製作するよ。
あ、そうだ!!
フレンド登録しようよ。」
いきなり、フレンド登録を持ちかけられたが、
断る理由も特に無いので、承諾する。
「良いですよ。
寧ろこちらこそお願いします。」
「あぁ、いいよ~。
でも、敬語と言うか、もっと砕けた感じで良いよ。
私の事もリニ-で良いし。
実は、3人で、このお店をやっているんだ。
私が防具で、1人が武器、もう1人がアイテムを作っているんだ。」
そう言えば、防具を新しくしようとしていたなと
思い出した。
「そうなんですか。
私は、ヨミって言うけれど、
防具を作ってくれないかな?」
「おっ、早速お仕事だね。
もうこんな時間って事は、もうどこかに行った?」
「えっと、始まりの森で、4時間半位、
臨時パーティーでやってました。」
「と、言う事は、下位狼の皮って持ってる?」
「25個位ならば。
足りますか?」
「それだけあれば、頭から、足まで作れるよ。
出来れば、スライムの皮もあるかな?」
「15個位ならばありますよ。」
「良くやった!!
私が、腕に縒りをかけて、
今作れる最高な物を作るよ!!」
「ありがとうございます。
あの…代金は?」
「そんなの無くて良いよ。
下位狼の皮25枚と、スライムの皮15枚で、数枚使わないし、フレンドのオマケってコトで!!
明日の朝には完成だから、その位に来てね。」
どうやら、良い人に巡り会えたようだ。
そう言えば…。
「後、この2つを、修復して貰えませんか?」
「えっと、『錆びた金属塊』?
よく2つも見つけられたね。
普通は、今はまだ見つかってないよ?
…まあ、キイに明日の朝までに
修復するように言っておこう。
こっちは、明日、キイから代金をきいてね。」
…すみません、キイさん。
私は心の中で顔も知らぬキイさんに謝りながらお店を後にした。