第3話 逃走
圧倒的な力を見せ付けられたピーコックとモンド。
仮面シメジーの力をもってしても勝てないのか!?
「もうだめだ・・・」覚悟を決めた二人であった・・・
「ブル!なんでここに!」
モンドが目を見開いて、その男に向かって叫んだ
「モンドの知り合いか?」
2人の顔を交互に見ながらモンドに聞く
「あぁ・・・・研究所の仲間だ」
ブルと呼ばれた男はトレーラーのドアを開けて
早く乗れというしぐさをした
モンドは立ち上がり、ピーコックの手を取って
そのトレーラーに乗り込んだ
展開の速さに頭がついていかないピーコックをよそに
トレーラーは走り出した
空を見上げると
クロウは動かずに、まだ何かを語っているようだった
あいつ、実はちょっとバカなんじゃないか?とピーコックが思ったのはここだけの話だ
「・・・ブル、お前いつの間にこんなもの作ったんだ・・・?」
落ち着いたのか、刀を手入れしながらモンドが白衣の男に問いただした
こんな時にまで刀を磨くとは・・・・ある意味尊敬するとピーコックは思った
「驚いたか?実はお前に内緒で作ったんだー♪」
「内緒でって、そんな大きなものをどうやって・・・・」
「ま、それはおいおい教えるさ、それよりしっかり捕まってな」
「・・・・・そうだな、まずはこの場からさっさと立ち去るのが先だな」
「そういうこと、いいか!飛ばすからしっかり捕まれよ!」
「行くぞ!!」
そういうとブルはギアを引き、アクセル全開で街中を走り出した
「よっしゃぁ!行くぜぇ!ヒーヒッヒッヒ!」
「うわぁぁぁ、うわぁ!」
急な発進にピーコックはあわてた
バックミラーに映るブルという男の顔つきがみるみるうちに変わっていく
目を見開き、何かに憑りつかれたかのようにも見えた
正直、怖い!ものすごく怖い!
「ピーコックしっかり捕まってろ!こいつの悪い癖だ、ハンドルを握ると人格が変わるんだ」
モンドはちゃっかりシートベルトを締め、前の座席にしっかりしがみついている
「そんなことオレ知らねーよぉ!吐くー!!吐いちゃう!それよりモンド!刀しまえよ!あぶねーよ!」
モンドがしまい忘れた刀がピーコックに刺さるか刺さらないかという
危ない、非常に危ない状態だが、車のスピードはどんどん速くなる
車を止めて、いや、せめてもう少しスピードを緩めてほしいと思うが
運転をしているブルは相変わらず「ヒーヒッヒッヒ」とトランス状態だ
「人でなしー!助けてー!!!」
ピーコックの必死の叫びと
けたたましいエンジンの音だけが
荒れてしまった街に響き渡った
「あっ」という間でしたね。今回で第2章は完結です。
次回から第3章になりますが、第3章では、白シメジ族の悪の総統クロウの過去に迫りたいと思います。「グーフォ・ビヤンコの総統クロウの素顔とは・・」
今後ともよろしくお願いします。