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仮面シメジーJ(カケス)  作者: クロシメジ
第2章 伝説の仮面シメジー
7/21

第1話 対峙

ピーコック達の前に舞い降りてきたのは、シロシメジ族「グーフォ・ビヤンコ」の総統クロウだった。

初めて対峙するが・・・

「ピーコック、詳しい話をしている暇はない。とりあえずあいつらを何とかしないと地球が乗っ取られる」


「・・・・・お、おう・・・そうか、そうだな・・・」



聞きたいことは山ほどある

目の前にいる奴らの正体

自分がなぜこんな姿に変身したのか

そして、モンドはなぜこいつらのことを知っているのか

俺が変身できたこのベルトを持っているのか

だが、今はそれをひとつひとつ問いただしている場合じゃないことくらい

ピーコックだってわかっている・・・・が


周りは火の海だ

先ほどの白いシメジたちのせいで道路はひび割れを起こし

水道管が破裂して水が吹き荒れている

消防隊や警察らが大勢やってきて

住民たちを避難させるのに必死になっている


その火の海の中から

ゆらりと黒い影が動く

そしてその影がゆっくりとピーコックたちに近づいてきた




「はーはっは・・・・地球はすでに我がものになったも同然・・・それよりも・・・貴様はなんだ?私の資料には記述されていなかったが?」


グーフォ・ビヤンコの総統クロウが鋭い眼光でピーコックを睨み付けた


「おまえの資料など知らない!地球はお前らの好きになんかさせるものか!」


モンドは、腰にさしている刀に手をかけクロウを睨み返す


「はーはっは!面白い、地球を守ろうというのか?・・して、地球を守るのはお前か?それとも、あそこに立っている変態仮面か?」


クロウの言葉にモンドはハッとした

仮面シメジーのことは先祖の記録で知ってるつもりだった

少々変なコスチュームであることも記してあった

仮面シメジー復活のためにいろいろ研究をしたが

実際に変身をするのを見るのは初めてだった


ピーコックに変身をさせたときは余裕がなかったが

気づいてからピーコックを見ると悲惨なことになっていた


予想の斜め上を行く姿だ

クロウの言うとおり、これはただの変態仮面だ


格好つけのピーコックがこの姿を見たら

もう部屋に引きこもって出てこないレベルだろう


あぁ、どうしよう

なるべく姿が映らないように気を使わなければならない


戦いのさなか、モンドにまた一つ心配事が増えた




そんなモンドの心配など知らないクロウがパチンと指を鳴らすと

隊列を組んでいた白シメジの集団がピーコックたちを囲う


「さぁ、これで逃げ場はなくなった!我ら白シメジ族に逆らうとどうなるのか、お前たちを殺して見せしめにしてやろう!」


大きく手を広げ、マントを風になびかせながら

はーはっはと大声で笑うクロウ


彼の笑い声に反応したのか

また紫色の雲が現れ、雷が鳴り響く




近くのビルに雷が落ちた

それが合図になり、白シメジたちがピーコックたちに襲い掛かってくる

手には原始的な棍棒しか持っていないが

ピーコックはその棍棒の威力を目の当たりにしている

ただふり下ろしただけで地面が割れて亀裂が入り

水道管が破裂するほどのものだ

自分の頭にこれがあったったらと思うと恐怖で体が動かない

逃げなければまずいと思っているのに



「びくびくするな!ピーコック!乙姫の恨みを忘れたか!」


「は?お、おう!!!」


モンドに言われて思い出した

毎日トレーニングを重ね

手に入れるのを楽しみにしていた

モヒカンだらけの中を走った

禿の親父のムカつく挑発にも勝った

それなのに、そう、それなのに

俺はこいつらに・・こいつらに・・


「俺の酒を、幻の銘酒「乙姫」を返せー!」


怒りに任せて拳を出す

その怒りの拳は炎に包まれ白シメジの頬をとらえた


「あんぎゃー!」という声とともに

白シメジ一個小隊が消し飛んでしまった




「な・・・・なんだ・・・これは?」


白シメジの頬を、えぐるようにとらえたこの拳

ピーコックも男だ、今までだって拳を使ったケンカをしたこともある


だが、こんな力が出たのは初めてだ

自分の力に驚き、ピーコックは目をぱちぱちとさせた


「それはシメジーパンチ!お前の怒りの強さに合わせて放たれる岩をも貫く最強パンチだ!」


「技の名前・・・・だっさっ!」


ダサい!はっきり言ってダサい!

シメジーパンチってそのまんまじゃん!何それ!恥かしい!

絶対そんなダサい名前を口に出したくない!

そんなピーコックの恥ずかしい思いをよそに、

モンドは襲い掛かってくる白シメジたちを切り倒しながらもピーコックへの説明を続けた


「それを使いこなすだけのスタミナはお前についているはずだ!必ずお前の気持ちに応えてくれるはずだ!」


もうこの際、ダサいのは仕方がない

大事なのは目の前にいる、この白いシメジたちを倒すことだ!

ピーコックはこくりと頷くと目をつぶり様々なことを思い返してみた

このままいけば俺はメジャーになれたはずなのに・・

俺のハーレム生活をどうしてくれる・・

俺の俺の乙姫を返せー!




徐々に体がヒートアップしてくる

自分の手を見ると炎がでているのを感じる

いや、体全体が燃えているのを感じる


「こ、これは・・・」


「飛べー!ピーコック!」


「お、おう!!!!おりゃぁぁぁぁ!」


モンドに言われるまま、ピーコックは空高くジャンプした

そして、白シメジたちに向かって蹴りを繰り出した!

ドスンといった衝撃とともに

ピーコックたちを囲んでいた白シメジたちが吹き飛ばされた


「な、なんだこれ・・・・」


ピーコックは自分がしたことが信じられなかった

あれだけいた白シメジの集団が

自分の足元に転がっている

殺してはいないが全員気絶している


「信じられねぇ・・俺がやったのか・・・?」


「それはシメジーキックだ!すごいぞピーコック!」


やっぱり技の名前ダサッ!と心の中でピーコックは大きく突っ込みを入れた




「さぁ、お前を守ってくれる兵隊たちは全滅した」


呆然と立っているピーコックに背を向け

モンドは彼らのボス、クロウと対峙していた


「このまま大人しく地球を出ていくか、この場で俺たちに倒されるか・・・二つに一つだ」


モンドの言葉に、戦いを静観していたクロウが一歩前に出る


「ふ・・・・我もなめられたものだ。たかが黒シメジ族ごときにやられるわけがなかろう」


クロウは鼻で笑うとまた指をパチッと鳴らした


その瞬間、クロウの足元に風が起こった

竜巻のように彼の体を包み、彼は宙に浮かんだ


その竜巻のせいで、ピーコックとモンドは目を開けるのもやっとの状態だ


「・・・・なんだ!ありゃ!」


「くそ!やっぱり一筋縄でいくような相手ではないのか!」


悔しそうに叫ぶモンドの声は

その風の中にむなしく散った


第1章が終わってしばらく経ってしまいましたが、いよいよ第2章スタートです。

第2章はどうなってしまうのか?楽しんで読んでいただければうれしいです。この章は、早く完結しますが、まだまだ長く続いていく物語なので、これからもよろしくお願いします。

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