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仮面シメジーJ(カケス)  作者: クロシメジ
第1章 伝説の仮面シメジー
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第3話 月からの襲撃

星空マラソン大会の優勝者は誰に?ピーコックと薄毛の「美髪」おやじとのバトルもついに決着する!そして、マラソン大会後、暗闇に紛れ現れた謎の物体の正体は一体・・・!?

3人の応援のおかげか

ピーコックの走る速度が上がった

だが、中年オヤジも負けていなかった

若者に負けてたまるか!元代表選手なめんな!というプライドが彼を走らせるのだ

お互い譲ることなく、あとわずかでゴールというところで

中年オヤジの姿が消えたのだ



そう、オヤジはパラキたちが投げたバナナの皮で転んだのだ

それもきれいに、軽やかに

まるでド○フのコントのように転んだのだ


ピーコックはそんなオヤジの様子に気づくことなく

ただゴールを目指して走り


そして一番にゴールテープを切ったのだった



「やたぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」


ゴールをした瞬間

ピーコックは両手を挙げて歓喜の声を上げた



応援していたモンドたちもピーコックに駆けつける

走り切ったピーコックは駆けつけたモンドの体に倒れこんだ


「やったぞ!優勝した!!これであの銘酒は俺のものだ!!!」


「よかったなピーコック!」



純粋に喜ぶピーコックと

これで練習に身が入らず、ライブがおろそかになることを避けることができたモンドは

肩を抱き寄せながら喜んでいた



「まさか本当に優勝するとはね!おめでとうピーコック」


ガルは右手を腰に

そして左手で長い髪をかきあげながらピーコックをほめる


「おめでとう!ピーコック!」

「唯一の特技がなくならなくてよかったね!」


双子たちもピーコックに抱きついて

一緒に優勝を喜んでくれた



転んだオヤジも立ち上がってゴール

それから数時間後

星空マラソン大会参加者が全員ゴールを果たし

閉会式が行われた



「優勝ピーコック殿!」と呼ばれ

大会参加者全員が見守るなか、ピーコックは壇上に上がった


そこに上がった瞬間

ミス乙姫たちから祝福の言葉と

メダルが首にかけられ

大会開催者から賞状を授与された


そして待ちに待った賞品授与

この手に銘酒「乙姫」が手に入る!

ピーコックは喜びに震えていた


その時


空が急に暗くなった

輝いていた星も月も全部雲に隠れてしまったのだ



「なんだ!なんだ!」と会場がざわつき始める

建物に灯っていた明かりも全部消えてしまい

周りが何も見えなくなってしまった


みな、不安でその場からすぐに立ち去りたいが

1センチ先の状況もわからぬところで

身動きが取れないでいた


「くそ!いったい何が起こったんだ!」


急に暗くなった夜空を見上げると

上から何やら白いものが降ってくるのが見えた

その瞬間に隠れていた月が現れ

暗かった会場がぱぁっと明るくなり

暗闇に目が慣れていた人たちはまぶしさに目を細めた


だがピーコックは目を見開いたまま

空から降ってくるものをじっと見続けていた



近くなってくるにつれて

降ってきたものの正体が明らかになる



それは、自分たちと同じ形をしているが

肌の色が自分たちと異なり白く眼つきが鋭い

初めて見るシメジにピーコックは困惑した



「なっ!なんだ!お前は!!!」


そう言うのが精一杯で、ピーコックはその場から動くことができなかった


そんなピーコックの様子など知らない謎の生物は

地面が近づくと軽やかに一回転し、地上に降り立った


全身タイツのような黒い服を身にまとい

胸には気色の悪いフクロウのような絵が描かれていた

顔以外の姿形はやはり自分たちと同じなのだが、どこか不気味で

大きな袋を肩から下げていた


そして一目散に優勝賞品である銘酒「乙姫」を手にし、持っていた袋に詰め

軽く地面を蹴り上げると

降りてきたときと同じ速度で

今度は空に向かって飛んで行ってしまった



あっという間の出来事に

その場にいたものは動けなかったが


「化け物!」という誰かの叫びを合図に

一斉にその場から逃げ出して行った



モンドはその人の流れに逆らい

壇上にいたピーコックのもとへ駆け寄って行った


人込みをかき分けてようやくたどり着いた友人は

肩を落としうなだれていた



「ピーコ・・・・」


「ちくしょう・・・・・」


ピーコックは小さな声でつぶやき

そして


「うぉぉぉぉぉぉぉぉお!!!」


と雄たけびをあげて体をそらせた

炎に体を包まれているように燃え上がり

そして当てもなく走り出して行った



「ピーコック!!」


モンドの叫びも聞こえないのか

ピーコックはただただ

街の中へ向かって走り出して行ってしまった



「・・・・・・くそ、なんでこのタイミングであいつらがやってきたんだ・・・」


モンドは携帯を取り出して電話を掛けた


5コール目で出たのは、少し枯れた声の男だった


「「もしもし?モンドどうした?」」


モンドは焦る気持ちを落ち着かせ

なるべく相手に分かりやすいようにゆっくりしゃべりだした


「もしもし?すまないが、至急例の物を持って俺の言う場所に持ってきてくれないか?

あぁ、そうだ・・・・ついにあいつらが現れたんだよ・・・・そう」





「白シメジ族の生き残り・・・・俺たちが恐れていた「グーフォ・ビヤンコ」が地球ここにやってきたんだよ」


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