第7話 復讐と誓い
酒を酌み交わし理想的な国について語りあう幼馴染の二人
そのおかげで、クロシメジ国は徐々に回復することになる
この数年間がオオモンドにとって一番幸せな期間であったかもしれない
この後、彼は本当の敵に出会うことになる
これから長いあいだ戦うであろう恨みをもった最強の敵に・・・
オオモンドが王に即位してから数年
法の改正や、外交の見直し
また、イーヤンの持ち込んだ不思議なスーツと薬の研究にと忙しい毎日を過ごしていた
だが、その忙しさの甲斐があってか
国は平和になっていった
貿易も盛んになり、いろいろなものがクロシメジ王国に入ってきた
国民に笑顔が増えた
オオモンドの望んでいた国が実現していく
そんな中
恐怖が再びクロシメジ王国を襲う
「王様!大変です!」
数名の部下がオオモンドの部屋へ駆け込んできた
「何事だ!」
「大変・・・大変なんです!」
「いいから落ち着け、何があった!」
「白い・・・・」
「白い?」
「白いシメジが街を破壊しています!」
部下の言葉を聞き
オオモンドはあわててバルコニーに出る
備え付けの望遠鏡を覗くと
街が黒い煙で覆われていた
「どういうことだ?門番は何をしていた!」
「それが、正門からやってきたのではありません!攻撃は空からやってきたのです!」
「空からだと!」
オオモンドは急いで馬を走らせた
街へやってくるとあたりは火の海だった
せっかく戦争のない平和な国を取り戻したのに
一体、どこの誰がこんなことをしたのだ
「・・・・貴様が今の王か・・・」
「誰だ!」
声が聞こえ、あたりを見渡すも国民以外の姿が見えない
「王!上です!」と部下に言われ、空を見上げる
そこにいたのは
真っ黒い衣装に身を包んだ
真っ白な顔のシメジの軍隊が宙に浮いていた
「どういうことだ・・・・」
宙にシメジが浮くなど初めて見る
一体どうなっているんだ!
「フフフ、現王よ・・我はシロシメジ族の生き残り、フ・クロウ三世
我が結成した組織、グーフォ・ビヤンコは
今日、お前の国を壊滅しに来た」
「なんだと!」
「数年前・・・前王、クロキングによって滅ぼされた我が国の恨み・・・晴らさせてもらう!」
「行け!皆の者!」
クロウの号令で、彼の周りにいたシロシメジ達は地上に降り立つ
そして持っていた棍棒や爆弾で街を次々と破壊していく
あっという間に街は地獄絵図のようになってしまった
「やめろ!こんなことをして何になる!」
「我の復讐以外なんでもない!我の国が滅ぼされた恨みはこの国を壊滅することで晴らされるのだ!」
「そんなことをしても何の意味もない!話し合おうじゃないか!お互いにとって良い方向になるように」
「くだらぬ・・・・それこそ何の意味もない・・・」
「だが!」
「黙れ!口の減らない王だ・・・お前から処分する!」
どのように収納しているのか気になるような
大きな鎌をクロウは背中から取り出した
それを見たオオモンドは、腰に差している剣に手をかける
鎌を振り上げ、クロウがオオモンドに向かって飛んでくる
オオモンドは剣を抜いて構えるが
こんな大きな鎌を受け切れるとは思えない
こんな時、あの変態仮面の力があれば
こんな鎌が向かってきても立ち向かえるのに
都合の悪いことに、イーヤンは冒険に出ていた
クロウが鎌を振り下ろした
剣で受け止めるもはじかれてしまう
そのまま鎌は、オオモンドの首にかけられた
「・・・貴様は・・・」
首に鎌をかけたままクロウはオオモンドの顔をまじまじと見つめる
「どうした・・・・・殺らないのか・・・?」
「貴様・・・あのとき我を助けたシメジか?」
「助けた・・・・?あぁ!」
オオモンドは思い出した
数年前のクーデーターの時
クロキングが連れてきた
シロシメジ王国の子供たちの中の1人を助けたことを
「お前はあの時の子供・・・・なのか?」
「・・・・・・手を引こう」
「何?」
クロウは鎌をオオモンドの首から外し
また背中へ戻した
本当に収納がどうなっているのか気になるが
今は追及しないでおこう
「皆の者!ここは引き上げるぞ!」
クロウの呼びかけに
シロシメジ達は戸惑うが、彼の命令は絶対なのか
あっさりと攻撃を止めた
「・・・あの時の恩はこれで返させてもらった・・・次に来たときは必ずこの国を滅ぼす」
そういうとクロウとその仲間たちは
空を飛び、一瞬で消えてしまった
「これがクロシメジ王国の、そしてグーフォ・ビヤンコの歴史だ」
「知らなかった・・・・今、俺たちが平和に暮らしているのは
お前のご先祖様のおかげなんだな」
「オレだけじゃない、お前の先祖だって貢献しているんだ」
「でもすげぇな!オレの先祖とお前の先祖も親友だったんだな!」
ピーコックがうれしそうに言った
モンドも「そうだな!」と嬉しそうに返す
「お前の先祖が持ち帰ったスーツと薬はオレのご先祖様がずっと研究していて
それが代々引き継がれて、そして現在、オレが引き継いで研究しているわけだ」
「そっか、ということはこの研究所ってすごい歴史があるってこと?
この国が王政だった時代から続いてるってこと?」
「まぁ、そうなるな」
すげぇ!すげぇな!とピーコックはベッドの上を飛び跳ねる
静かにしろとモンドに静止され、仕方なく座りなおす
「それにしても、オレのご先祖様が冒険家とはね・・血は争えないなぁ」
「そうだな」
「あのさ、ちょっと気になったんだけど」
「なんだ?」
「話の途中でオレのご先祖様が赤い変態とか仮面の変態とか言われていたみたいなんだけど」
「今・・・・オレってどんな格好しているの・・・・?」
再びモンドに緊張が走った
これにて第4章は終わります。
物語はこれからが本番です。まだまだ続きます。
これから続きを書く作業に入りますので
しばらく更新はお休みです。
再開したときは、また読みに来てくださるとうれしいです。
ここまで読んでくださってありがとうございました!
また第5章でお会いしましょう。




