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仮面シメジーJ(カケス)  作者: クロシメジ
第3章 伝説の仮面シメジー
12/21

第3話 心に落ちた黒いしみ その3

目を覚ますと、外は火の海。

驚いたクロウはあわてて父のもとへと向かうが、

何者かに気絶させられ、囚われてしまう。


一体何が起こったのか!?

「オラ、ガキ!来い!」

入ってきた黒いシメジは、我の首根っこをつかんで引っ張る

「ぅ・・・ん、うぅぅん!」

必死の抵抗もむなしく、我はそのシメジに担がれてしまった


「ボス、連れてきました」

「・・・・・!!!」


連れてこられたのは隣の部屋だった

そこには我と同じように手足を縛られて床に倒れている父の姿があった


「んー!んんー!」

父上!と叫ぶも、口をふさがれているせいで声にならない

「んん!ぅん!んんー!!!」

それでも必死に父を呼んだ


「うるさいわねぇ、これだから子供は嫌いよ」


部屋の奥の椅子にもう1人黒いシメジが座っていた

そのシメジが立ち上がり、こちらへと向かってきた


我を連れてきたシメジよりも体は大きく

身形は派手で、化粧をしていた

しかし、声は男だ

こんな不思議なシメジを我は見たことがなかった



「ボス!すみません!」


「子供1人も大人しくさせれない部下を持つアタシって不幸な王様」

そういうと、ボスと呼ばれた黒いシメジは

横たわっている父の方へ行き、その身をかがめた


「ほら、起きなさい!あんたの大事な息子が何か叫んでいるわよ!」


そういいながら、父の頬をたたく

その声としぐさに父は目を覚ました


「んー!んんー!」


目を覚ました父はしばらく瞬きをしたあと

我に気づき体を起こした


「はぁい、白シメジ族の王様。お・め・ざ・め?」


「クロウ!・・・貴様ら!私の息子に何をした!」


「んー!んんー!!」


父のそばに行きたくて

私を担いでいる黒シメジの上でバタバタと暴れる


「うるさいわねぇ、大人しくさせなさい!」


「は、はい!ボス!」


そういわれた黒シメジに腹を殴られた

「ん!!」


そのシメジにとっては大した力ではなかったかもしれないが

子供の我には強力で声を出すことができなくなった



「クロウ!クロウに手を出すな!」


「だってぇ、うるさいんだもの!話が進まないじゃない?」


「貴様は誰だ!何の目的でこんなことをする!」


「あぁ、ごめんなさい、自己紹介がまだだったわね」

「私はクロシメジ王国の王、クロキング

前からこの国がほしかったから、今夜もらいに来たの♪さぁ、大人しく明け渡しなさぁい」


派手な身形の黒シメジはくねくねと気持ち悪い動きをしながら

自己紹介とともにとんでもないことを口にした

しかし、気になるのはこの口調

キングというからには男だろう、体つきだって

この野太い声だってどう見ても男なのに


「おかま、か・・・・?」


父がつぶやく

その父の言葉に、クロキングの眉がぴくっと動いた


「おかまじゃねぇ!アタシは乙女だ!」


野太い声を張り上げ、クロキングは父の腹を蹴りあげた


「グフォッ・・・うぅ・・」


蹴られた衝撃で内臓を損傷したのか、父は口から血を吐いた


「ちょっと、生まれてきた性別を間違えただけよ?その辺わかってくれなきゃ困るわぁ」とウインクをした



「で、どう?この国くれるよね?シロキングちゃん?」


「ふざけるな!私はこの国をお前らなんぞにくれてやる気はない!さっさと自分の国へ帰れ!!」


クロキングと名乗る男の表情が変わった

さっきまで何を考えているかわからないようなにやけた顔が

急に険しくなった


「あんたさ・・・・自分の状況わかってる?山岳地帯を抜けたらこんなに簡単に城に侵入できちゃうんだもん、アタシびっくり!どんだけ兵力弱いのって話なんですけど?」


「私は争いごとが大嫌いだ!この国を、この国の人たちを血の色で染めたくはない!」


「き・れ・い・ご・とって言うのよ、そういうの!現にこうして乗っ取られてるじゃない?しかも、国を明け渡してくれないんだったら、結局この国の人たちは亡くさなくていい命を亡くすことになっちゃうのよ?あんたが国を明け渡さないせいでね!」


「・・・・・・貴様・・・・この卑怯者が!」


自分が子供でも分かる

この黒いシメジたちはこの国を乗っ取りに来たんだ!

しかも国民の命を盾にするなんて卑怯だ!



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