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閑話②
カイはなぜそんなにうるさいのか
「なあ」
俺は焚き火の前で言った。
「カイってさ」
「なに」
カイが即反応する。
「どうしてそんなに喋るの?」
「喋らないと死ぬから」
「嘘だろ」
「嘘じゃねえ」
カイは真顔だ。
「静かになると、考えちまう」
レナがちらっと見る。
「何を?」
「……嫌なこと」
一瞬、空気が止まる。
「だから」
カイはすぐに笑う。
「うるさくしてんだ」
「雑だな」
ユウが言う。
「雑でいい」
カイは肩をすくめる。
「静かにして壊れるよりマシだろ」
フェリスが薪を足す。
「それで?」
フェリスが言う。
「今日は何を喋る」
「飯の話」
カイが即答する。
「腹減ってると、余計うるさくなる」
「結局そこかよ」
「生きるってそういうことだろ」
カイは笑った。
俺は焚き火を見つめながら思う。
このうるささがなかったら、
多分、俺たちはどこかで止まってた。




