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姿を消したあと、妊娠に気づきました〜ヤンデレ化した天才魔術師様が私を諦めない〜  作者: 菜々@12/15『不可ヒロ』1巻発売


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逃亡


 魔力探知できなくなる魔法がかかったネックレスを、レオルドに手渡される。

 その後すぐに、レオルドは私の足首についた拘束魔法をジロジロと見てから「うん!」と声を出した。



「あのね。このネックレスをつけるのと、この拘束魔法を解くのを一緒にやるんだって」


「一緒に?」


「そう! どっちかやると悪者に見つかっちゃうから、一緒にやらなきゃダメなんだって!」




 悪者? って……リュカ様のこと?




 私が連れ去られるところを、ニコラは見ていた。

 だから相手がリュカ様だとわかっているはずだけど、私を誘拐したのは父親だなんて言えなかったのだろう。




 悪者だなんてちょっと可哀想だけど、そういうことにすればレオルドも会わないようにするだろうし案外いい考えかも……!




「ぼくが拘束魔法を解く間に、ママはそのネックレスをつけて! そうしたら、あの家に転移するから! いい!?」


「わ、わかったわ!」



 レオルドにこの拘束魔法が解けるの? という不安はあるけど、ひとまずやってみるしかない。

 私はレオルドが私の足に触れたと同時に、急いでネックレスをつけた。



「解けた! 帰るよ! ママ!」


「えっ? もう……」



 そう言ったときには、リュカ様の部屋の景色が消えて、私は森の中にいた。

 目の前には、私たちの家。

 そしてニコラとシンが立っていた。



「アミーリア!!」


「ニコラ……シン……。私……」




 帰ってきたの?




 半泣き顔のニコラに抱きしめられて、本当に帰ってきたのだと実感する。

 レオルドはシンに頭を撫でられて、嬉しそうに飛び跳ねていた。




 本当に帰ってきた……?

 あのリュカ様のところから……。




 チラリと足首を見ると、拘束魔法が外れていた。

 あんな短時間で、レオルドは本当にリュカ様の魔法を解いてしまったらしい。

 私から離れたニコラが、今度はレオルドを抱きしめる。



「レオルド! すごいわ! よくやったわね!」


「うん! ぼく、2人に言われたとおりにできたよ!」


「えらい! すごいわ、レオルド!!」



 キャッキャと盛り上がっている3人を、ボーーッと立ち尽くしたまま見つめている私。

 急展開すぎて、私だけ状況についていけていない。



「……アミーリア、大丈夫?」



 静かに、そしてどこか気遣うように、シンが優しく尋ねてくる。

 この大丈夫? には、きっといろいろな意味が込められているのだろう。

 眉の下がったシンに、私はニコッと笑顔を向けた。



「ええ。大丈夫よ。迎えに来てくれて、ありがとう」


「……うん」



 そんな私たちのやりとりを見ていたニコラも、複雑そうな表情を浮かべている。

 2人とも、レオルドの前だからあまり詳しく聞かないでくれているのだ。

 ニコラにたくさん褒められたレオルドが、ニコニコしながら私のもとにやってきた。



「ママ! ケガはない?」


「ないわ。……レオルド、本当にありがとう。私の魔力がよくわかったわね」


「うん。街で、いきなり魔力を感じたから。シンに言ったら、きっとママだよって」


「そう。魔力探知の転移魔法はどうやって習得したの?」


「シュウトク? さっき初めてやったよ!」


「…………」



 目をパチパチさせながらニコラとシンに視線を送ると、2人は少し焦った顔をしながら「だって!」と説明を始めた。



「他に魔力を持ってる知り合いなんていないから、練習できなかったんだもの! レオルドが、絶対できるって言ってたし」


「だからって、もし失敗したら……」


「ちゃんとこの家の前に転移魔法陣を作ってからさせたわよ!? もしママがいなかったら、すぐここに戻ってきてねって! その練習はたくさんしたから!」



 あわあわと説明したあと、ニコラがシュンと俯く。



「……ごめんなさい。アミーリアが心配で……」



 現状、私を助けるにはレオルドの魔法に頼るしかなかった。

 ほんの少しでも希望があるならと、レオルドの言葉を信じて試してみたのだろう。

 天才魔術師の血を引いたレオルドへの信頼と、私の身を案じてのことだ。



「心配させてごめんね。本音を言うと、とても助かったわ。ありがとう」


「アミーリア……」


「でも、彼がいないときで本当によかったわ。たまに昼間でも帰ってくるときがあったから……」


「あ。それはちゃんと確認済みよ!」



 ニコラの話によると、レオルドは私の魔力を感知したあと、すぐ現れたリュカ様の魔力も感知していたそうだ。

 その魔力がないことを確認した上で、助けにきてくれたらしい。




 あの日、リュカ様の魔力も感知していたのね。

 やっぱりすごいわ。レオルド……!




 そんな私たちの会話を聞いていたレオルドが、得意げに話に入ってきた。



「今、その悪者がお家に帰ったよ! ママがいなくなって、きっとビックリしてるね」


「!」




 私がいなくなったこと……もうリュカ様は知ったのね。

 大丈夫かしら?




 魔力探知できなくなるネックレスの宝石を、確認するようにキュッと掴む。

 きっと今怒りに満ちているであろうリュカ様の姿を想像して、私はブルッと全身を震わせた。


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