幻竜八姫将名鑑・五卿編
●はじめに:
幻竜八姫将は基本として【一君一機一公五卿】で構成されている。
先の三人は明確な特別枠であり【生み直し】時に大幅な変化が起こりにくい存在で、後の五卿は前線で戦う現場指揮官として【使役幻魔】を操って戦うことを基本としている。ただし、現状の彼女らは天魔族との直接戦闘の少なさから、物量で押さずとも戦えると言う侮りがあったために、ほぼ全戦において敗北を喫している(【ワシュキ】による指示の影響も少なからずあるようである)。これは、【生み直し】後に全姫将全てにおいて記憶継承がほぼ行われない、すぐに若い精神に戻ってしまう彼女らの精神構造の弊害であると言える。
さて、以下は【五卿】――、すなわち【征天】【征人】【呪毒】【凍餒】【暴炎】に関する解説である。なお【征天】に関してのみ、のちにあらためて解説する簡易的な解説となっている。
★征天のナンダ:幻竜八姫将/二つ名:女武者
基礎クラス/戦歴:五卿/最上位層
髪・瞳・肌:黒髪、黒い瞳、白い肌
特異外見:なし
性格:冷徹、合理主義、無口、竜性以外無関心
侵食定理/再結晶化時間(複数ストック可不可:可の場合の上限数):■■■■(???)/24時間(可:5個)
固有能力:■■■■、■■■■、■■■■
キャラクター解説:一人称:私、又は我
五卿におけるリーダー的立ち位置にある存在。竜骨、背骨を模した刀で戦う剣士。
明確に戦闘能力が他より高く、五卿のうちの【征人】に対しては明確な上位者【姉】として命令を強制できる存在である。
一見、まさしく古風な侍のような外見で、武人のような性格にみられがちだが、戦闘における彼女は自身の竜性【征天=天魔族殺し】に従い合理主義的判断をくだす戦闘機械である。
このために、救う必要を感じないならば味方を見捨てるし、味方が勝手な行動をとっても竜性に反しない限り明確な干渉はしない(警戒はするが)。
戦闘における彼女は、ある三つの能力からまさに女武者という外見を隠れ蓑にしたような、錯誤を半ば利用した戦闘スタイルになっている(それほど驚くほどのものでもないが)。
【五卿】は【生み直し】によって、大雑把な外見、使用武器、性格の方向性、という三つを除く多くが新しく入れ替わる構造を持つ。彼女も一度【死ぬ】とほぼ別人になってしまう立場にある。
★征人のバツナンダ:幻竜八姫将/二つ名:ゴスロリ殺人鬼
基礎クラス/戦歴:五卿/中堅
髪・瞳・肌:黒髪、黒い瞳、白い肌
特異外見:普段はなし、頬まで裂けた口
性格:快楽殺人鬼、サディスト、人類はすべからく玩具である、サーガラが死ぬほど嫌い、ナンダに隷属
侵食定理/再結晶化時間(複数ストック可不可:可の場合の上限数):人類殺害系侵食定理/変動する(可:6から8個程度)
固有能力:ナイフ操作(刃列制御)、人類生命核捕食
キャラクター解説:一人称:私
五卿である【征天のナンダ】の直下兵士の役割を持つ者。無数のナイフを整列させた【刃列】を武器として戦う。
その【刃列】はその凶悪そうな見た目に反して攻撃力が低めであり、戦闘においては雑魚散らしを主任務とする兵士としての役割を担う。
もちろん、人類種を虐殺した直後は、人類生命核捕食能力によって戦闘能力が数倍に跳ね上がっており、まずは人類虐殺をさせない立ち回りが必要になる敵である。
性格は何度【生み直し】が行われようと【快楽殺人鬼】として生まれてくる。ただ、それをどう楽しむかは微妙に変化するようである。
その竜性上、【サーガラ】との相性は最悪であり、状況によっては敵そっちのけで殺し合いを始めるほどであり、唯一【姉】である【征天のナンダ】の命令でのみ止まる。
その侵食定理は、【生み直し】ごとに異なる人類殺害系の、火力が低めの大量殺戮技を獲得してくる。
★呪毒のトクシャカ:幻竜八姫将/二つ名:死を蒔く魔女
基礎クラス/戦歴:五卿/中堅
髪・瞳・肌:大幅に変化
特異外見:大幅に変化
性格:冷静、物静か、直接戦闘は嫌い、それ以外は大幅に変化
侵食定理/再結晶化時間(複数ストック可不可:可の場合の上限数):侵食攻撃系侵食定理/変動する(可:4から6個程度)
固有能力:毒生成及び疫病生成能力、軽度の精神侵食、術式行使能力
キャラクター解説:一人称:私が基本
固有武装を持たない五卿の一人。術師系五卿。
何かしら生命体を侵食し、弱体化したりダメージを追わせる侵食定理を扱う支援枠の幻竜八姫将。
ただ、彼女の場合は時に盗賊的な姿で【生み直し】が行われる場合もあるとされる。
それでも基本的能力は、毒、疫病関連と、精神への侵食能力、そして術式による攻撃・支援が中心である。
この【トクシャカ】と【アナバタッタ】は直接的な暴力を嫌う傾向があり、好戦的ではない性格をしている事が多い。
★凍餒のアナバタッタ:幻竜八姫将/二つ名:飢餓を呼ぶ亡霊女
基礎クラス/戦歴:五卿/下位層
髪・瞳・肌:大幅に変化
特異外見:大幅に変化
性格:臆病、無口、直接戦闘は嫌い、それ以外は大幅に変化
侵食定理/再結晶化時間(複数ストック可不可:可の場合の上限数):剥奪攻撃系侵食定理/変動する(可:3から5個程度)
固有能力:生命体各種リソース低減、軽度の精神欺瞞、術式行使能力
キャラクター解説:一人称:私が基本
【凍餒】とは【トウタイ】と読む。固有武装を持たない五卿の一人。
何かしら飢えさせたり、寒さに苦しむような、何かが減る事による死と災を司る。
その侵食定理も、大抵の場合何かを奪うタイプの特殊攻撃や範囲攻撃、特殊地形効果的なものになる。
固有武装を持たない影響なのか、だいぶ外見が変化するタイプの五卿であり、それでも性格を見ればそこそこの区別をつけることは可能である。
裏方として活動することが多く、精神的な欺瞞・隠蔽能力によって多くの人類に紛れたり隠れて行動する。
基本的には補助術師、戦術術師である。
★暴炎のマナス:幻竜八姫将/二つ名:卑劣悪逆な征服者
基礎クラス/戦歴:五卿/上位層
髪・瞳・肌:筋肉質という以外は大幅に変化
特異外見:鬼や竜種系という以外は大幅に変化
性格:卑怯卑劣何でもやる、勝つことが全て、弱者はいじめ殺すもの、戦いという名の一方的殺戮を楽しむ、それ以外は大幅に変化
侵食定理/再結晶化時間(複数ストック可不可:可の場合の上限数):純粋戦闘力強化系又は純粋攻撃系侵食定理/変動する(可:5から7個程度)
固有能力:不壊大剣召喚、超強筋肉、高度な戦闘センス
キャラクター解説:一人称:アタシ、や俺が多い
一見すると武人に見える詐欺五卿の一人。明確な卑劣漢にして、一方的な殲滅戦をこそ望み楽しむ暴力的戦争行為の権化。
いわゆる【戦い】ではなく【戦争】を竜性として持つ存在であり、【戦いに一定の意味を見出す武人】とは明確に違う存在である。
勝てば官軍という言葉通り、暴力的行為によって相手を圧倒して征服して命令を強制する行為こそ全てという考えの持ち主であり、対等な立場でお互いを高め合う武道の精神の真逆をゆく卑怯者である。
勝てるならば一度は侮辱にすらまみれる者であり、そうした場合もちろん勝利した後にそれをさせたという逆恨みによって、相手を徹底的にいじめ殺すと言うことを平気で行う。
まさしく【戦いを司る者】ではなく、【一方的な暴力行使による征服】をこそ司る幻竜八姫将である。
その侵食定理は、わかりやすく戦闘に関わる強化や、ただの複数攻撃必殺技になったりすることが多い(ただ、その性格上単体攻撃系にはなりにくい)。
※ 作者注:
一見すると似た性格に見える、外道幻魔八姫将の二大巨頭である【征人のバツナンダ】と【暴炎のマナス】であるが、実は【征人のバツナンダ】のほうがなんぼかマシな性格をしているw。いや【快楽殺人鬼】のほうがマシとか、どれほどだよと思われるだろうが、まさしく事実であるw。
人の命に一定の価値を見出す【征人のバツナンダ】は、いわば【殺す】事こそが重要であり【それに至るまでの虐待】などはそこまでこだわらない。しかしながら【暴炎のマナス】は【弱者、敗北者が嘆き苦しむ事】こそが重要なので常に【弱者、敗北者を長く苦しませよう】とするのである。
それほど苦しまずにあっさり死ぬ【征人のバツナンダ】の犠牲者に対し、徹底的な苦しみの果てに死ぬ【暴炎のマナス】の犠牲者という感じで、まあ結局はどっちも外道には違いはないのだが、そこらへん【サーガラ】は【暴炎のマナス】を自我の欠けたただの暴力装置としか見ておらず、ある程度の人格を持つ相手として怒りを向ける【征人のバツナンダ】と扱いが全く違っているのである。




