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第十話 不自由な自由人

 その日から彼女は()()()()に会わなかった、――いや会えなくなった。

 そして会わずに時は過ぎて……、真実を見ることを放棄した。


 彼女は、その多くの行いが自由人そのものであったが――、

 ――本当は不自由な子どもだった。



◆◇◆



 天魔族全姫が魔王城集結を始めて二週間後、総司は現在マーレ医師団団長【マーレ・ベルフェゴル】と共に、南海海域はヴィフロス半島へとやってきていた。

 天魔族全勢力――、かの反魔王軍を除いた、唯一連絡の途絶えている勢力・無限海水軍。その彼女らと直接話し合いを持とうと考えたからである。

 なぜ? それは当然、二度目の招集状を完全に無視されたのが原因である。

 このままでは天魔族の再集結は成らない。それならば、総司自身が対話のために向かうべきと、オラージュたちの反対を押し切って総司はここまできていた。

 マーレは、かの無限海水軍首領・【メイア・レヴィアタン】と直近で唯一話をしたことのある者であり、彼女をよく知るがゆえに総司の手助けになるだろうと、ついてきてくれたのだった。


「メイアさん、……会ってくれますかね?」


 沈んだ様子でそう語る総司に、少し伏せ目がちでマーレは答える。


「ええ……、多分会ってはくれるかと思いますよ」

「そうですか……」

「魔王様――」


 不意にマーレさんが、普段ではありえない感情のない表情で総司を見つめて言う。


「もし……、メイアさんが再集結を拒絶したら……、どうします?」

「……そうなる可能性があるのですね?」

「……。あの子は――。いえ……、直接会ってみたほうがいいかも知れません」


 そう言って首を横に振るマーレに、総司は少し疑問をえたが黙ってそれ以上追求はしなかった。

 そして――、



 ヴィフロス半島にある小さな漁村――、そこの港にて土地の漁師と談笑する二人の女性がいた。


「……というけで!! 吾輩らは全長十数メートルもある海魔怪獣との決戦に挑んだのでございます!! そして吾輩らが船はかの海魔との戦いで……、……、……、……!!」

「お~~い、テメエ、いい加減にその口閉じねえとナイフ突き刺すぞ? 口を縫うか? そのテキトーな嘘しか言わない無駄な口を……」

「ははははははははははは!! なにを仰る!! 我らがメイア様と全長数百メートルの大海魔との決戦のお話はこれからでは……」

「テメエ!! 巨大化してるじゃねえか!! 何だよそれ!! それはどっかで変な爆弾の変なエネルギーでも受けたのかよ!! まさかゴ●ラか?! ●ジラなのか?!」


 そう言って言い合いをするのは、背中に翼を持ち服装がまるでピエロのごとく派手であり、髪も瞳も色がバラバラなとても良く喋る女性と、それに青筋立てて怒りを表す喉元両側に魚人系天魔族の特徴であるエラを持った短髪の女性であった。

 その場に現れたマーレは、共に歩く総司に向かって言った。


「あそこにいるのが――、メイアに従う魚人系天魔族の一人、序列42番【シレーナ・ヴェパル】と、あのペラペラよく喋っている有翼人が、序列65番【メイニー・アンドレアル】ですね」

「なるほど……」


 そのマーレの言葉に、意を決してその二人の元へと歩いてゆく総司。マーレは真剣な表情でその後を追った。


「……あ、あの」

「んあ?」


 総司の呼びかけに、シレーナがそのあまりに悪すぎる目つきで睨む。その視線を受けて一瞬総司は言葉を失った。


「あ……」

「あ? 何だテメエ……、言いたいことあんじゃんねのか?」


 その喧嘩腰の口調に、総司が言葉に詰まっていると――。


「ふははははははははははははははは!! おや! そこの貴方!! ――よく見た顔――! よく見た顔じゃないですか!! ああああああ!! 新たな魔王様!!」

「え?」


 いきなり総司とシレーナの間に割って入ってしゃべくりまくるメイニー。総司は少し表情を明るくして頷いて言った。


「そ……、そうです! 僕は……」

「テメエ!! メイニー!! 嘘も大概にしろや馬鹿!!」

「へ?」


 そのシレーナの言葉に総司は黙り込む。シレーナは青筋立ててメイニーの首根っこを掴んだ。


「お前な……、そういった類の嘘はつくなって、お頭に言われてんだろうが!!」

「ははははははは!! なにを仰る!! いやはやどうも吾輩への大いなる誤解があるようですな!!」

「五回も六回もあるか唐変木!!」

「うむ! 困った!! 吾輩が身分証明をしたことで、魔王様の身分証明にはならなくなったと!! ははははははは!! このメイニー人生最大の大失敗!! ……てへ!!」


 そう言って可愛く(可愛くないが)小さく舌を出して戯けるメイニー。それに対し殴りかからん勢いで怒るシレーナ。その二人の姿を見て、総司は困り果てて黙り込んだ。


「シレーナ……」


 離れて見守っていたマーレが声を出す。それを見てシレーナが眉を寄せて言った。


「マーレ様? なんで?」

「そこのメイニーの言っていることは嘘ではありません。この方が現在の魔王様です」

「……」


 その言葉にシレーナが驚きで目を見開く。そして首根っこを掴んでいるメイニーに言った。


「メイニー……、テメエ、魔王様関連は本当のことを言っていたのかよ?! お前……」

「……ええ、吾輩も無限海水軍の仲間ゆえに、そこは正しく護りましたとも」

「テメエ!! いつも嘘ばっかのクセに……」

「……。貴方がたや――、何よりメイア様がどう受け取るかは、別の話ですから……」


 それまでとは大きく変わった、ゆっくりとした口調でメイニーは語る。それをシレーナが怒りの目で見つめ――、不意に泣きそうな目になって言った。


「お前らしくもない気の使い方しやがって……」

「……」


 そのやり取りがなにを意味するのか分かりかねる総司。マーレは沈んだ表情で頷いて言った。


「……シレーナ。今からメイアに会いたいのですが」

「え? あ……、それは……」


 シレーナがさっきまでの強気な姿勢を消して俯く。そんな様子のシレーナにマーレが再び声をかけようとした時――。


「承知致しましたマーレ様……。お久しぶりでございます」

「あ……、ミーヌ?」


 不意に港へと遠くから歩み来る二人の人影があった。

 それは、体の各所に魚鱗を持った三又槍を手にした長身の魚人女性と、その隣でほほ笑みを浮かべる錫杖を手にした魚人女性である。

 先程の言葉を発したのはそのうちの三又槍を所持した方であり、彼女は総司たちの前に歩み来ると、膝をついて総司に頭を下げた。


「お初にお目にかかります。私は無限海水軍頭・【メイア・レヴィアタン】の相談役。天魔七十二姫、序列30番【ミーヌ・フォルネウス】でございます。――就任の際も連絡を取ることなくいた事をここにお詫び申し上げます」

「あ、いえ……」


 そのミーヌは静かに面を上げると、総司に言った。


「今からメイア様の下へお送りいたします」

「あ、ありがとうございます」

「それと……」


 不意にミーヌはメイニーの方へと向き直って言った。


「貴方には後でお話が……」

「はははははは!! これはしこたま叱られる流れですかな?!」

「……いいえ、それは貴方のお頭を思う心が成した行為でしょうから。何より――」


 ――貴方の語る真実を、嘘だと思い込もうとしたのは我らも同じですし……。


 その姿をマーレは静かに見つめる。その皆の様子に、総司は――、何かを理解した気がした。



◆◇◆



 その漁村を船で離れて数時間ほど――、総司達はミーヌに連れられて、孤島に建つ城塞へとやってきていた。

 そここそが無限海水軍の拠点の一つ、ラルヴァ水軍城塞であった。

 そこの港へと船をつけたミーヌは、総司たちを連れて城塞内部へと進んでゆく。そして――、


「メイア様――、只今戻りました」

「ぬ? おおミーヌか! いつもの煮魚料理は持ってきたか?!」

「……ええ、それは……」

「くふふ……、あの村の煮魚は最高じゃからの!! 妾の大好物で……」

「……メイア様――」


 静かに、それでも強い口調で言葉を発するミーヌ何かを理解するメイア。その時点でやっと総司やマーレの姿を認めて、そして眉を歪めて横を向いた。


「なんじゃ? マーレじゃないか……、貴様はなにをしに来たのじゃ?」

「メイア……」


 ……と、マーレが口を開きかけた時、ミーヌがそれを手で制する。

 ミーヌは静かにはっきりとメイアに言った。


「私が直近でお渡しした魔王城よりのお手紙……。見ずに焼却しましたね?」

「!!」


 そのミーヌの言葉にメイアはビクリと体を震わせ、その様子を総司は驚きの目で見た。


「は! 何ぞ魔王城が言ってこようが妾には関係ない話じゃ!! 妾の自由を犯しそうな手紙をなぜ見ねばならぬ!! バカバカしい!!」

「……久しぶりのお手紙ゆえに、私も貴方がそのような行動を取ると、忘れていた事にも問題はありますが。メイア様……、魔王城からの幹部招集状を見ずに焼き捨てるなど」


 と、不意にメイアは訝しげな表情でミーヌを見る。


「幹部……しょうしゅう? それはそのための?」

「ええ、1つ目は各勢力の今後を決めるため。2つ目は魔王城への再集結のための手紙です」

「……は、そうか……。なんだ……」


 その言動に総司は疑問を得る。メイアが何か安心した様子で笑ったからである。


「……は! 馬鹿め!! 妾はこのまま自由を謳歌するのじゃ!! 誰にも邪魔などさせぬし、魔王城再集結じゃと?! あの魔王のクソババアの顔を見ねばならぬなど、気分が悪くて嫌なのじゃ!!」


 そう言って笑顔で笑うメイア。

 その言葉に総司は驚きの目を向けて黙り込み、マーレは怒りを目にたたえて言った。


「メイア!! 貴方!!」

「は?! なんじゃ? 妾に何ぞ言いたいことでもあるのか?!」

「彼の前でその言い方……!」

「は? 彼……、そうやつは?」


 そう言って初めて気づいたかのように総司を見るメイア。訝しげに総司を睨んで言う。


「何じゃ? 魔人族? 其奴は……」


 そのメイアの疑問に、ミーヌが静かに答えた。


「この方の名は天魔総司様、本名はジード様。新たな魔王様でございます」

「は? なに言っておる……、魔王はあのクソババアではないか……」

「……先代魔王様はお亡くなりになられました。もう数ヶ月前だそうでございます」


 ……。


 そのミーヌの言葉に、一瞬、メイアの瞳がなにも映さなくなる。

 その後に、顔を歪め、歯を食いしばり……、そして、満面の笑顔を作って笑い始めた。


「はははははははははははははははははははははは!! あのクソババぁとうとうくたばりよったか!!」

「!!」


 その笑い声に、総司は流石にいたたまれない気持ちに苛まれる。そして……。


「メイア!! 貴方いい加減に……!!」

「は!! うるさいぞマーレ!! 妾の自由はこれで保証されたわ!! もはや天魔族などと使命にとらわれる必要もない……。もう妾を縛り付けるクソババアはこの世にいないのじゃからな!!」


 メイアのその言葉に、総司は遂にその場を後にして逃げ出す。もうなにも聞きたくなかった。


「魔王様!!」

「は! 何が新魔王か! 逃げよったか!!」


 マーレが、そのメイアの言葉に答えを返す。


「メイア……、貴方はまだ子どものつもりなのですね……」


 そういうが早いかマーレは総司の後を追う。その場にはミーヌ達メイア配下の天魔族と、そして不貞腐れたような、今にも泣きそうな目で横を向くメイアが残された。


「……メイア様……。逃げたのは……貴方ですよね?」

「……」


 その言葉にメイアは……、何も言わず俯いた。



◆◇◆



 港の海辺で座り込む総司を、マーレは見つけて走り寄った。


「魔王様!!」

「……あ、すみません。マーレさん……」

「……魔王様、メイアのあの言葉は……」

「情けないですね……、僕は」


 その言葉にマーレは言葉を失う。総司は静かに話し始める。


「メイアさんと話し合うと……、そう考えてここまできたのに。逃げてしまいましたよ僕……、情けない……」

「魔王様それは……」

「メイアさんと母の間に何があったのか……、あそこまで言われて怖くなりました」


 マーレは黙って総司を見つめてから、意を決して話し始めた。


「……メイアは子どもで馬鹿なんです」

「え?」

「だから……、先代魔王様は魔王軍解散を考え始めた」


 そのマーレの言葉を驚きの目で見つめる総司。マーレは静かに話を続ける。


「魔王軍解散の決定打になったのはイラ・ディアボロスの反乱……、それは確かですがその前に、そういった話は出ていたのです」

「……それは、なぜ?」

「メイアが仕事場に顔を出さなくなったから……」

「!!」


 そのマーレの言葉に総司は驚きの目を向ける。


「……先代魔王様の病状が分かって、目に見える速度で老化を始めて……。それを見て……、メイアは魔王城の自室に閉じこもって出てこなくなった。聞いた話では……、部屋の中からすすり泣く声も聞こえた……と」

「……」

「その直後です……。皆がどこかしら苦しみを抱えて嘆いている中で……、あの反乱が起こった……」


 イラ・ディアボロスの反乱……、それは第二の切っ掛け。

 その前にすでに先代魔王は、メイアのその姿に――、彼女を、そして苦しむ皆を魔王城から離して暮らさせる考えを語り始めていた。


「魔王様……。私は医療に携わる者として……、多くの救えなかった命も見てきました。だからこそ私は、あのオラージュには及びませんが、――耐えられたのです」

「マーレさん」

「でも……、皆は、天魔族は、寿命がなく、病気もなく、戦死もめったにしないがゆえに、大事な人が老いて亡くなる、その姿を眺めていなければならない事に耐性が無さすぎた!!」

「……」

「もちろん寿命を持つ【魔人族】に友人を持つ者もいたでしょう……。でも、そこを我らは異種族だと、一線引いてみていたのでしょう。だから……、我々はその苦しみに耐える力が欠落していた――」


 マーレは静かに微笑んで総司を見つめる。


「……そして、あの子は、メイアは、あの時点で生まれたばかりで……、先代魔王様を母親のように慕って、いつも楽しそうにしていて……」

「……」

「だから……、一番、私達の中で一番……、耐える力がなかったのです」


 その言葉を聞いて、総司は決意の目を空に向ける。そして再び立ち上がった。


「……メイアさんに言わなければならない事ができました」

「魔王様……」

「魔王として……、母の意思を継ぐ者として……。あの子を叱ってあげないといけません」


 その総司の言葉にマーレは疑問を得る。総司は強い意思のこもった瞳で、再びメイアの元へと歩き始めた。



◆◇◆



 総司が再びメイアのもとに現れると、メイアはバツの悪そうな表情で俯いた。

 ミーヌが総司に声をかけようと動くが、総司の手がその動きを征した。


「……メイアさん、貴方の本心を聞きに来ました」

「本心……じゃと? 今更なにを……」

「さっきの発言は貴方の本心ではないですよね?」


 その総司の言葉に、怒りのこもった目でメイアは言う。


「マーレに何ぞ吹き込まれたのか?! 馬鹿め!! どうせあの女の事、妾があのクソババアから逃げただのと言ったのであろうが!! バカを言うな!」

「……」

「妾が逃げなどするか!! そもそもかつて逃げたとしても、今の妾はあのクソババアの事など気にもとめておらぬわ!!」


 そのメイアの言葉にミーヌが怒りの表情で前に出る。それをメイアは睨んで……目をそらす。


「メイア!」

「ミーヌさん……、待ってください」

「……?」


 怒鳴るミーヌに総司が優しく笑って言う。そして、意思の光の灯った瞳でメイアを睨み返した。


「……ならば、なんで手紙を燃やしたのですか?」

「!!」

「しばらく魔王城からの手紙はなかった。そもそも、連絡を取る手段を絶っていたので、何とかルートを作って送ったあの手紙が、最近の二枚ですよね?」


 その総司の言葉に、メイアは苦しげに俯いた。


「……だから、貴方は思った……。このように特別に送られてきた手紙だからと……、()()()()()()()()()()()と……」

「違う!!」


 メイアは頭を抱えて叫ぶ。総司はそれに強く言葉を返した。


「違いませんよね? 貴方はあの手紙が……、母さんの、魔王様の死を知らせるものだと、そう恐れて……、見ることなく焼却した」

「う、ぐ……」


 メイアは思い出す……。あの手紙が来た時のことを。

 怖くて、手が震えて……、見たいと思った、見るべきだと思った、でもそれでも見る勇気が出ずに……、涙ながらに手紙を焼いた。

 怖くて、見ていられなくて……、辛くて、耳や目を塞いで……、メイアは……、あの日から大好きな【クソババア】から逃げ続けた。

 

「ううううう……」


 メイアは苦しげにその場にうずくまる。総司は静かにメイアに近づいて、そしてその肩をしっかりと掴んだ。


「メイアさん! こっちを向いてください!!」

「いやじゃ……、妾は……」

「貴方は……、やってはいけないことをしたんですよ? わからないんですか?」

「やっては……、いけない……」


 総司の目に涙が溢れ始める。


「貴方は……、あの日から母さんの前に出てこなくなった。そして、そのままこうして離れて……、二度と母さんの顔を見ることはなかった」

「ううう……」

「……母さんは、あの日から……。あの日から貴方の顔を見てはいない……、最後の最後まで見ることが出来なかった」

「あ……」

「……貴方と会って、話したいことも、話すべきこともあったのに……」


 メイアは総司にすがりついて泣き始める。その涙はまるで無限海の海水のようにひたすら流れて。


「うああああああああああああああああああああああああああああああ……、ごめんなさいまおうさまぁ!!」


 総司はメイアを静かにしっかりと抱きしめる。


「ああああああああああああ……、逃げてごめんなさいいいい……、会いに行けなくてごめんなさいいいい……。弱虫でごめんなさいいいい……」


 ミーヌやマーレ、他の天魔族達も、静かに二人を見つめ続ける。


「会いたかったよおおおおおおおおお!! 話したかったよおおおおおおおお!! まおうさまああああああああ!!」

「……そうですよね。会いたかった……、本当に……、会って話したかった……」


 ――母さん。


 そうしてメイアの涙はそのまま溢れ続け。それを止める術はないように見えた。



◆◇◆



 海原を往く船の上でメイアは苦しげに大陸を見つめる。

 その肩に総司の手が置かれて――、メイアは小さく微笑んでそして大陸へと視線を戻した。


 ――ああ、遅くなったが、間に合わなんだが――、妾はそれでも貴方に……、魔王城に会いにゆくぞ――。

 ――クソババア……。

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