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色のない春
エピローグ
眼の前から儚く飛んでゆく花弁
ひらりと風に吹かれ可憐に舞う制服
期待と希望に満ちる華やかな笑顔を咲かせる少女たち。
そんな春が、青春が。
貴方の瞳にはどう色づいているのか
知ることができない
このあまりに憎く汚い瞳では
この残酷で美しい世界は全て白黒だ。
でも、
一瞬でもこの世界に色を飾ってくれたのは
他の誰でもない、貴方でした。
これは世界で唯独り白黒の私と、
あまりに眩く愛おしい笑みを浮かべる
大切な貴方との儚く色鮮やかな青春だ。