表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君は僕の、座敷童  作者: 歩芽川ゆい
6/13

6:17歳秀麿

17歳になりました。従業員の女性は、杜若―カキツバタ―さんです。

12年後


 月日は流れ、4月生まれの秀麿は、無事に17歳になった。

 小学校に入ってから、秀麿は手当たり次第に本を読み、勉強も頑張った。

 体を動かすことも嫌いではなかったので、小学生からは空手教室にも通った。試合に出るためではないので熱心な生徒ではなかったが、のみ込みがよかったのかそこそこ強くもなった。

 中学からは背も伸び、いわゆるイケメンに育った。

 見た目も良く、文武両道の秀麿は中学から女の子にモテたが、そんな事よりも勉強の方が楽しかったし、自分には逢いたい人がいるから興味がなかった。――その人が誰だったか、どうしても思い出せないのだが、心の中に確かにいるのだ。

 そんな硬派なところが良いとまたモテるのだが、興味のない秀麿には迷惑なだけだった。


 

 高校3年の春、折角だから誕生日祝いにとゴールデンウイークに家族で旅行をすることになった。

 べつに毎年誕生日に旅行に行っているわけではない。4月生まれだから逆に入学や進学で忙しくて、ほとんど行ったことなどない。

 それにゴールデンウィークは観光地は激込みで、人混みの苦手な秀麿は、あまり旅行に行きたいとも思っていなかった。

 しかも今年受験なのに、旅行なんて……、と思わなくもなかったが、成績的には問題もなかったし、行くなら今だろうと言われればそうかもと思い、秀麿は旅行に同意した。


 どこへ行くのかと思っていたら、京都だという。こんな激込みシーズンに宿が取れるのかと思っていると、父親の親戚の経営する旅館に行くのだという。何だ、割引でもして貰えるから行くのかと、反抗期も入ってハスに構える秀麿は、面倒くさいなと嫌々荷物をまとめた。そうしていつの間にか父親が取っていたらしい飛行機のチケットで伊丹空港まで飛び、大阪モノレールや阪急などを使って新幹線に乗り換えて一路、京都に向かった。


 最近は仲が良いとは言い難い両親との旅行は、ちょっとだけ気恥ずかしい。秀麿は電車でも特に話もせず、電車を降りれば両親の斜め後ろについて、無表情で付いて行った。駅から旅館まではタクシーを使った。折角の京都なのに観光もせず、車はまっすぐ旅館に向かった。

 タクシーで向かったその旅館は、大きな平屋建てだった。立派な門構えに、日本庭園。それを見た時、秀麿は一気に思い出した。

 そうだ、子供の頃、ここに来たことがある。ただ記憶より至る所が老朽化し、庭園も荒れていた。こんなだっただろうか、門の前で口をポカンと開けて見上げている秀麿の隣で、両親が小声で言った。


「これはずいぶんとボロくなったな……」

「前は立派だったのに。この間の電話で、最近経営が厳しいって言っていたわよね」

「ああ、だがここまでとは。あの後アレは現れてないのかな」

「電話では何も言ってなかったわ。約束の時だ、来い、だもの」

「兄さんは本家だと未だに威張っているけどな、特に経営術があるわけじゃない。アレのおかげで持っているだけだからな」

「そうよね……」

「さあ行くぞ。ボロくても雨漏りはしないだろう」


 父親が苦笑しながら合図をして、3人とも旅館の中に入った。


 旅館の中は薄暗かった。ボロいだけでなく、生気がない。門からここまでの庭の木も、あまり手入れをされていなかった。枯れ始めているものもある。玄関脇には石庭が広がっていたが、記憶にあるほどには美しくない。正直、幽霊屋敷のようだ、と秀麿は思った。


 ごめんください、という父親の声に、パタパタと足音がして、従業員の女性が出てきた。


「予約した焔乃山です」

「承っております、お出迎え出来ずに失礼いたしました。当主は今、参ります。そちらで少々お待ちください」


 予想外に丁寧な対応だった。こんな萎びた旅館だから、妖怪みたいなババアが出てくるのでは、とか、ぶっきらぼうに対応されるのでは、とこっそりワクワクしていた秀麿は、ちょっとがっかりしてしまった。通されたロビーのソファで、出してもらったお茶菓子を味わいながら、当主とやらを待つ。秀麿はキョロキョロと周りを見渡し、そして、ケースに入れられた草履を見つけた。


 その草履は、青い鼻緒はかろうじてきれいだが、草履自体は日光や経年劣化でボロくなっていた。子供サイズの小さな草履。なんでこんなものを大切に飾っているのだろう、と秀麿は首をかしげていると、ドタドタと音がして父親より少し年上らしい、当主が登場した。


「待たせたな。よく来てくれた」

「いえ。兄さんお元気そうで何よりです」

「まあな、体だけは丈夫だよ。風邪もほとんど引かない」

「それはよかった」

「おっと、その子が、あの秀麿か?」


 いきなり名前を呼ばれ、視線が集まり多少ドギマギしたが、秀麿はこんにちは、お世話になります、と挨拶をした。


「17歳になったんだな?」

「ええ、4月生まれですから」

「よし!きっとこれでこの旅館も、また盛り上がる……!」


 両親と当主はよくわからない会話を交わしている。面倒ごとに巻き込まれないといいな、と思いながら、秀麿たちは当主の案内に付いて、部屋に向かった。


 廊下の左手側に黄ばんだ障子が並んでいる。右手は庭だ。玄関わきの石庭から、庭園、その先には池が見える。庭園が正面に来る部屋の前で、ここだ、と当主が障子を開けた。梁に頭をぶつけないように気を付けながら入れば、畳敷きの部屋のそこには、大量のぬいぐるみと、おもちゃが床の間中心に所狭しと溢れかえっていた。


 なんだ、この部屋は。これはまるで。


「秀麿はここを使え」


 と当主の声がした。両親は隣の部屋らしい。


「でも、ここは……。あのオモチャとかは……」

「遊びたいのがあったら遊んでいいぞ。お前はここで明日まで過ごしてくれ。そしてここで何があったか、何を見たか、何を聞いたか、それを明日、私に報告してくれ。頼んだぞ」

「えっ、それはどういう……」


 戸惑う秀麿をその場に残し、当主はさっさと隣の部屋に行ってしまった。隣から3人の話し声は聞こえるが、何を言っているかはわからない。仕方がなく秀麿は、ボストンバッグを肩から下ろし、おもちゃのない壁際に置いた。そうして改めて部屋を見渡す。


 山のようになったぬいぐるみ。新しいのから古いものまである。汚れてしまっているもの、つぶれているもの。そうしてゲーム機。昔の物から最新鋭のものまで。棚には所狭しと並んでいる絵本に混じって、一般の推理小説なども並んでいる。


「何なんだ、これは。これじゃまるで、TVで見た、座敷童のでる部屋、みたいじゃないか……」


 秀麿はつぶやき、そうしてその瞬間に、悟った。


 なるほどそう考えれば、ここへ着いてからの両親の言葉、そしてあの当主の言葉の意味も分かる。アレが現れるとかアレのおかげ、とか、何があったか報告しろ、とか。そしてあの小さな草履。


「あれは、座敷童の草履という設定か。思い切りインチキくさいな」


 苦笑しながら座卓の前に置かれた座布団に腰掛ける。ここの部屋に座敷童が出るわけだ。 自分はここでそれに会え、と言われているのか。だがあれは余程の事がなければ出てこないはずだ。


 しかし当主とやらがしきりに17歳にこだわっていた気がする。座敷童に会うのに年齢制限があるなんて聞いたことはないのだが。


 部屋を見回しながら考えていると、失礼します、と声が聞こえ、先ほどの従業員さんがポットなどを持ってきてくれた。秀麿は思い切って聞いてみることにした。


「あの、ここは、もしかして座敷童が出る部屋、ですか?」


 従業員の女性は、ニコリとほほ笑んだ。


「ええ、そうですよ」

「失礼ですが、座敷童の出る旅館は、予約を取るのも難しいと聞いたことがあるのですが……」


 その割には客がいないですね、とはさすがに言えなかった。


「他の旅館はそうですね。ここは今、あの子の意思でこの状態です」

「あの子の意思? 貴方は座敷童に会ったことがあるんですか?」

「ええ、もちろん。私はあの子の世話係ですから。あ、今の状態があの子の意思だって、当主に言わないでくださいね。面倒な事になりますから」

「せ、世話係!? えっ? 居るんですか、本当に座敷童が!」

「いますよ。居るのだから、お世話する人も必要でしょう?」


 いやちょっと待て。この女性は当たり前のように言っているけど、普通そんな妖怪いるとは思えないし、妖怪に世話も必要ないのじゃないか!?

 秀麿は混乱したが、女性は何事もなかったかのように、平然とお茶を注いでくれている。


「座敷童って、幸運を呼ぶんですよね? ここに本当に居るなら、もっと繁栄していそうなものですが。当主さんは、座敷童に会わないんですか?」

「あの子は、当主には会いません。あの子、あの人が大嫌いだから。もともとあの子は、人前に出るのが嫌いですしね」

「それなら僕がこの部屋に泊まっても、僕の前にも出てこないんじゃ? どんな子なんです? 座敷童って」

「……それは、お楽しみに。あら、長話しすぎてしまいましたね、今日のお客さまはあなた方ご家族だけですから、ごゆっくりお寛ぎ下さい。何か御用がありましたら、遠慮なくお呼びくださいね。お風呂は17時から20時です。お客様が他にいないので、その時間しかご用意していませんから、時間内にご使用ください。露天もあるのですが、今はやっていません。内風呂だけご利用ください。それと夕食は18時です。お部屋までお持ちいたします。では」


 そういうと、女性はそそくさと出て行ってしまった。秀麿は呆然とその姿を見送った。


 いやいや、ちょっと待て。座敷童の世話係?


 なんだそれ。伝説の妖怪なのに世話って! それじゃ伝説の存在じゃないじゃないか! しかもなんか変な事言ってなかったか? この状態は座敷童の意思? あれは幸運の妖怪だろ? それがこんな衰退させてどうするんだよ。滅茶苦茶じゃねえか!


 ……あれか? あの女性は、ちょっと頭が弱いのか? こんな所で働いていて、本当にそんなのが居ると思い込んで、世話をしているとか思い込んでいるのか?

 こわっ! 電波系か? サイコパスか!? 俺はとんでもない所の、とんでもない部屋にいるのじゃないのか、おい!!


 秀麿はぞっとして鳥肌の立った腕をさする。周りのぬいぐるみも、こうなると不気味に見える。だが秀麿は怖いなんて認めるものか、バケモノなんているものか、と変な強がりで、気力を奮い立たせた。


 そういえばあれか。この部屋で写真を撮るとオーブとかが撮れるとかいう話を聞いたことがある。それが撮れただけでも幸運だとか。撮れればどっかの雑誌にでも投稿できるか? 同級生に自慢できるか?


 そう思いつき、スマホを取り出し、適当に部屋中を撮影する。パシャパシャと部屋中あちこちを撮り、すぐに画面で再生してみた。


 再びぞっとした。オーブが写っている、なんてものじゃない。オーブだらけだ。なんだこの丸くて白くて小さいの。ベッタベタに写っているぞ。普通もう少し奥ゆかしく写るものじゃないか? まるで吹雪のように映っているぞ、おい。


 秀麿は念のため、カメラレンズを調べる。何もついていないように見えるが一応ティッシュで軽く払って、もう一度シャッターを切った。


「どう? 何か写ってた?」

「せかすなよ、今見るから……」


 再生画像を選んで、今撮ったばかりの写真を表示させる。

 今度はオーブべたべたではなかった。ただ、ど真ん中に、でかい丸いものが浮かんでいる。

「おいおい……。まじかよ……」

「撮れたの?」

「撮れたなんてもんじゃない、何だこのでか……い……」


 ちょっと待て。


 俺は今、誰と話しているのだ? この部屋には俺しかいないはずだ。今の声は子供のようだったが、当然誰もこの部屋に入ってきてない。客も俺たちしかいないはず。

 じゃあ、俺がしゃべっているのは……。


 秀麿はバッとスマホから顔を上げた。正面には誰もいない、左右、そして後ろ。


 ……誰もいない。


 ふぅうう~~~。息を一気に吐き出した。ああビックリした、気のせいか、心の声とでもしゃべっていたか。それも怖いけどな。いやいや、怖い怖いと思うから怖いのだ。うん。ちょっと庭でも見てくるかな。


 秀麿はスマホを持って部屋を出た。廊下から見えるのは今は寂れた庭園だが、かつては美しかったのだろうと想像できる。きっと夜、月に照らされたら綺麗だったのだろう。そう思いながら、縁側から置かれていた草履を借りて庭に降りて、さらに庭を下る。


 少し行くと大きな池が出てきた。覗き込むが、池には何もいない。鯉くらい居そうなものだが、と首をかしげる。鯉を維持できないほどに経営が傾いているのだろうか。ここでも何枚か写真を撮る。またしても大きなオーブが三個ほど写った。……レンズの汚れだろうか。


 そのまま旅館を見回してみる。障子は破れてこそいないが、障子紙が黄ばんでいる。普通なら張り替えるはずなのに、それもやっていない。旅館全体も静まり返っている。


 これで本当にここに座敷童が居るのか? それとも従業員が言っていたように、何か意図があって、座敷童がこの状態にしているのか。いやいや座敷童なんているわけがないが。


 秀麿は、そろそろ部屋に戻るかと縁側から廊下に戻り、両親がいる部屋の前を通りかかったとき、中からの声が聞こえた。


「最近は客も来ないんだ。まあ最低でも一日一組は居るんだがな、それじゃあ旅館を維持できないんだよ……」

「でも、アレは居るのでしょう?」

「ああ。お前たちが前に来てからしばらくの間は、結構な頻度で駆け回ってくれたさ。おかげで大繁盛した。だが2年前からぱたりと出なくなってな。そのうえ客足も、何故か一気に遠のいた。こんなことは初めてだ。今までアレが出ようと出まいと、客だけはいたのに。今はその時の蓄えがあるから何とかやっていけているが、それでも厳しいから従業員も全員解雇して、今は世話係の女と、その旦那の料理人と、俺だけだよ。これで手が回る程度にしか客が来てないんだ。これで秀麿がまた、アレに会ってくれれば、盛り返せるのだが……。今は世話係にも何も伝言はないらしい」

「……そうなのですか」


 どう聞いても、座敷童の話題だ。なんでそんなバケモノが居る前提なんだよ。秀麿は額を抑えながら部屋に戻った。



 しかしここはぬいぐるみだらけで居心地が悪い。ぬいぐるみの山の中でも、一番上に置いてあるでかい鳥とか、トラとか、何だあのしっぽが3本あるキツネ。九尾の狐なら聞いたことあるが、3本って。あれらも客が座敷童にお供え?? するのに持ってきたのか。あの3体は特にでかいからとても目立つ。まあ子供なら喜ぶかもしれないけどな。


 秀麿はドスンと座布団に座って、お茶をズズズとすすって、大きくため息をついた。


「大体、座敷童だけに頼って経営するからいけないんだろう? まあ繁盛したって時の儲けを散財せずに蓄えていたのは、評価するけど。客が来ないならそれなりに努力しろってんだ」

「そうやそうや」

「京都にあるんだから、観光客だって呼べるだろう。ちょっと離れているけど、こういう寂れたのが好きっていう客だっているのだし。座敷童にこだわらずに、普通の客をもっと呼べばいいんだよ。経営学、学び直せってんだ」

「アイツ、経営学なんて学んでへんで? 行き当たりばったり経営や」

「おいおい、それで商売しようなんて、見通し甘すぎだろ。自分の腕が悪いんじゃないか。いい時は座敷童のお陰だけど、悪い時も座敷童のせいにすんな、ってんだ」

「そうやそうや」

「大体、努力もせず幸福だけ貰おうなんて、図々しすぎるだろ。いくら努力したって幸福が来ない人もいるっていうのに。努力して、ちょっとの幸福を分けて貰えれば御の字だ。それだって贅沢だっつーの」

「うんうん、その通りや」


 バッ!!

 と秀麿は振り向いた。だが誰もいない。立ち上がってぐるりと部屋を見回しても、誰もいない。


 何だか、また誰かと話をしていた気がする。……移動で疲れたのかな。秀麿は、屋敷に見るものもないし、と自分に言い訳しながら適当に座布団を並べて、昼寝をすることにした。



 誰かが周りを歩いている。ペタペタペタ、とっとっと。パタパタパタ。そしてヒソヒソ声、うふふ、という笑い声。

 秀麿はうるさいな、と寝ながら顔をしかめる。すると、しっ、という声がして、音がぴたりと止んだ。ああ静かになった、と安心すれば、そっと何かが体にかけられる感触。そして小さな声が聞こえた。


「また、あとで」



 ふっと、目が覚めた。腕時計を見れば17時だった。2時間以上寝たのか。昼寝でこんなに寝るのは久しぶりだ。のんびりできた。さて夕飯までに風呂にでも行くか、と秀麿は起き上がって、気が付いた。タオルケットが掛けてある。自分で掛けた記憶などない。大体こんなものが部屋にあったこと自体、知らない。母親か、先ほどの従業員が持ってきてくれたのだろうか。うん、そうだ、そうに違いない。


 薄暗くなった部屋を見回し、電気をつける。ぬいぐるみの山の前に、でかい3体のぬいぐるみ。部屋に特に変わったところはない。一応スマホでもう一度、部屋を何枚か撮る。見るのは後にしよう。怖いんじゃない、楽しみは後に取っておくだけだ。


 秀麿はスマホを置いて、ボストンバッグから着替えを取り出し、風呂に向かった。

 すでに辺りは夕暮れだ。雨戸がまだ空いているので、ただでさえ寂しい庭が、もっと寂しく見える。そこに3つほどポワンと光があるが、あれでは照らすほどでない。照明を増やすほどの資金もないのか。客がいないから付けないのか。電気がついていても薄暗い廊下を歩いて、大浴場に向かう。ロビーも通路も、最低限の電気しかついていない。まあ自分たちしか客が居なければこれで十分だろうが、寂れ感倍増だ。案外お化け屋敷としてアピールしたほうが、客が来るんじゃないのか?


 そんなことを考えながら大浴場に入り、脱衣所で服を脱ぐ。浴室のドアを開ければ、大きな湯船には温泉があふれていた。

 ああそうだ、昔、この風呂で遊んだ覚えがある。懐かしく思いながらシャワーを使い、全身を洗い、湯船に入った。ザバアとお湯があふれる。


「ふう~。いいお湯だな」

「せやろ。自慢の温泉や。歴史ある温泉なんやで」

「へえ、どのくらいの歴史があるんだ?」

「この宿出来る前からや」

「だからそれは、何年くらい前なんだよ」

「歴史の教科書では、豊臣秀吉が天下泰平したと呼ばれているあたりやな」

「うっそだろ、300年以上かよ!」

「さすがにもう源泉が枯れかけてるさかい、こないに湯量出して貰うのんはこれで最後やけどな」

「え、じゃあ明日からの客は?」

「もう客は来いひん。君らで最後や。そやさかいゆっくりじっくり、堪能してってな」

「そうか……、って誰だよ!!!」


 ザバア!! と立ち上がって大声を出した秀麿は、入り口に目を丸くして立っている父親を見つけた。


「あれ? 父さん?」

「なに一人でブツブツ言っているのかと思えば、いきなり立ち上がって大声だして、どうしたんだ」

「……何でもない」


 ザブンと再び湯につかる。一瞬、もう出ようかと思ったが、最後だという貴重な湯を堪能しなければ、と思い直したのだ。


 しばし二人とも無言で、父親の洗う音だけが響く。湯は熱すぎず温すぎずの適温だったので、秀麿は右半身だけ浸かる半身浴をしながら、ゆっくり楽しんだ。それでも多少暑くて、起き上がって湯船のふちに腰掛け、足だけ入れてパタパタと動かしてみる。広い風呂は楽しい。しかも父親と自分しかいないとなれば、なおさらだ。


「お湯はどうだ?」


 洗い終わった父親が話しかけてきた。


「うん、いいお湯だよ」

「そうか」


 父親が湯船に入れば、ザバアとお湯があふれる。家では絶対に出来ない贅沢だ。


「もうお湯もほとんど出ないんだって?」

「そうなのか?」

「源泉が枯れかけているらしいよ。今日が最後のお風呂だから、堪能してくれって」

「そうなのか。なら俺もゆっくり入るかな」

「うん」


 多少体のほてりが収まったので、秀麿はまた半身浴に挑戦する。今度は左半身だ。広い湯船じゃないと出来ないこんなことを、世間の女性は家でやっているのだろうか。しかも何が楽しいのかよくわからない。頭を湯船に入れるのは、こういうとことでは本来はマナー違反だし、ヘタをすれば水を飲むし、鼻にも入る。そう思いつつ、半分漬かるように手を使って頑張っていると父親の声がした。


「……さっきからそれは一体、何をやっているのだ?」


 答えるためには立ち上がらなければいけない。折角うまく半分浸かっているのに。秀麿は片手を湯船の底について、体を起こした。


「半身浴」

「半身浴って……。おまえ、あれは下半身だけ、湯船に入れるってことだぞ?」

「えっ! そうなの!?」

「ぶははははは」


 父親が笑い転げる。それも確かに半身だけど、家庭じゃ出来ないだろ、それ、と笑いながら続けられて、秀麿は顔を真っ赤にした。父親は、ああでも、と続けた。


「面白そうだ、俺もやってみるか、今日はウチしかいないらしいし、大丈夫だろう。どれ」


 父親も秀麿と同じように、左半分を沈めるべく挑戦しだした。うまくいかなくて沈んだりおぼれたりしている。秀麿は最初面くらったが、父親のその行動に秀麿も笑いながら、同じように挑戦する。


 父親と風呂に入るなど小学生以来だ。最近は会話も少なくなり、気恥ずかしさもあったのだが、それも吹き飛んだ。散々「半身浴」で盛り上がると、父親は、これは難しすぎて俺には無理だから簡単な方にする、と湯船の中の足場を利用して、下半身だけ浸かった。秀麿はふちに腰掛けて、足湯状態で楽しむ。


「父さん、ここは座敷童の旅館なの?」

「……ああ」

「俺の居る部屋は、座敷童が出る部屋?」

「そう言われている部屋だ。お前、5歳の時にもここに来ているのだぞ、覚えてないか?」

「所々は懐かしい気がするんだけど、よく覚えてない。それに記憶ではもっと立派だったし」

「ああ、今は客が来ないから色々厳しいらしい。やっぱり座敷童なんていないんだよ」

「いないの?」

「そういえばお前には話した事がなかったな、焔乃山家に伝わる昔話を」


 そういうと、父親は静かに話し始めた。


 大昔、焔乃山家は座敷童を捕まえて、この家のどこかに閉じ込めた。それ以来、焔乃山家はどんな時でも滅びることなく、栄え続けてきた。座敷童には代々世話係がいて、彼らとは接触するものの、焔乃山家の人々の前にはなかなか出てこない。ただし焔乃山家の本家、分家問わず、男の子が生まれたら、5歳の時に必ずこの家に連れてくることが決まっているんだ。と。

 秀麿の家はその分家の一つだという。末端すぎて本家とはほとんど交流もないのだが、結婚時、子供が出来た時には連絡することが脈々と続いてきた。

 また座敷童の恩恵のおこぼれを貰おうと、本家に近付く分家もいたが、時代と共にそれも

少なくなり、今は名ばかりの本家になっているという。


「5歳……。父さんも、来たの?」

「ああ。だが俺の時は何も起こらなかった。俺もあの部屋に泊まったけど、ただ寝て起きて終わりだったよ。もうずっとそうだった。ここしばらく、焔乃山の家の者の前に座敷童が現れた事はない。まあ客は足音を聞いただの、ぬいぐるみが動いただの、オーブが写ったと言っていたけどな。13年前、お前が座敷童に会ったと言うから、大騒ぎになったほどだよ」

「俺、座敷童に会ったの?」

「なんだ、覚えてないのか? 草履も貰っただろう? 赤い鼻緒のやつだぞ」

「あれ、座敷童に貰ったのか!?  部屋にあるやつだよね? あれは一体何だろうってずっと思っていた」

「ふむ……。確かにお前、あの日の朝は座敷童の話をしていたけど、家に帰ってからは何も言わなくなったな」


 秀麿には不思議なくらい、ここの記憶がなかった。座敷童にあった事も、全く覚えていなかった。


「さっき言っていた世話係って、あの従業員の事?」

「ああ。杜若さん、っていうのだが、代々の世話係だよ。ずっと昔から焔乃山家に仕えている」

「妖怪に世話係なんて必要なのかな」

「さあな、居るって言うのだからそうなのだろ? 昔の当主が、やはり疑問に思って杜若家を解雇しようとしたら1週間悪夢にうなされたとか、怪我など不幸に遭い続けたという話もある。焔乃山家の者全員が病気になったりとかな」

「座敷童って、狂暴なんだな」

「妖怪だからな、怒らせたら怖いんだろう。だから今は腫れ物を扱うように接しているんだ。杜若さんにも、座敷童にも」

「ふうん……」

「お前は、17歳になったらもう一度ここに来るように、5歳の時に座敷童に言われたんだ。だから必ずなにか接触がある」

「全然、覚えてない」

「もしかするとそれも座敷童のせいかもな。いたずら好きらしいから。まあ今夜ゆっくりあの部屋で過ごしてくれ。そしてその話を、明日聞かせてくれ」

「何も起こらないかもよ?」

「それならそれでいいんだ。何もなかった、で。まあ不思議な写真くらい残っていてくれればあの当主も納得するだろう。だいたい座敷童に頼っての繁栄なんて、無理があるんだ。もう解放してやってもいいさ、座敷童も、杜若さんもな」

「……ありがと」

「へっ?」

「うん? なんだ?」

「いや、いま、声が、ありがとって」

「俺には何も聞こえなかったぞ? お前、のぼせたんじゃないか?」

「いや、確かにはっきり、ありがとって!」

「ああもう出ろ、顔も体も真っ赤だ。倒れる前に、ほら。外の自動販売機でポカリでも買えよ。俺の財布から金持っていっていいから。500円しかないけどな(笑)」

「なんだよそれ。」

「お母さんがな、勝手にお土産を買ったりして無駄遣いしないようにって、それしかくれなかった(笑)」


 言いながら父親が秀麿を促して、風呂場を後にする。脱衣所に入る所でざっと体を拭いて、ロッカーで備え付けのバスタオルで全身を拭けば、確かに湯につかりすぎたらしい、軽くめまいもする。着替えて、父親の500円を使って、脱衣所入り口の自販機でポカリを二人分買って、二人で飲みながら各部屋に戻る。


 部屋ではちょうど従業員が夕食を座卓に並べてくれている所だった。礼を言いながら、汚れ物をバッグにしまい、壁に寄りかかって飲料を飲む。


「あの」

「はい?」

「いいお湯でした。でもお風呂、もうお湯が出なくなるんですか?」

「……誰からそれを?」

「誰から? 誰だろう……。誰かが言っていましたけど……」

「ええ、そろそろ出なくなると聞いています」

「ええと、座敷童に聞いたのですか?」

「ここも長いですからね、仕方がないですよ」

「300年以上あるって?」

「ええ。正確には、もっともっと、前ですよ」

「父に少し話を聞きました。そんなにずっと、貴方たちは焔乃山の家に使われているんですか? この現代でも?」

「私たちは、私たちの意思で、あの子に仕えています。焔乃山家に使われているわけじゃないのです。あの子がここにいるから、私もここにいるのです」


 杜若さんは始終穏やかに、笑みを浮かべながら言った。秀麿には言葉がなかった。杜若さんは料理をすべて置くと、1時間ほどしたら下げに来ます、と言って部屋を出て行った。


 秀麿は複雑な気分でモソモソと食事を始めた。豪華ではないが、煮魚に野菜の煮物、お刺身、ステーキも揃っている旅館の定番だ。京都だけあって、味付けも上品だ。とても美味しい。高校生の秀麿に合わせてくれたのか、分量もたっぷりあった。

 それらを夢中でいただいていると、どこからかパタパタパタ、という音が聞こえた。


 今度は何だ! だんだん秀麿にも耐性ができてきて、宙を睨みつければ、どこから入ってきたのか、部屋の中に小さな鳥がいた。雀ではない、白くて黒いサシの入った鳥。それが座卓に降りてきて、首をかしげながら秀麿を見てくる。


 うわあ、かわいい!


 母親にアレルギーがあって、動物を飼ったことがない秀麿は、その可愛さに、思わず食べるか? とご飯を少しだけつまんで、座卓の端に置いてみた。そしてじっとしていると、鳥はチョンチョン、と近寄ってきて、ご飯を咥えて、チョンチョンと歩いて、そして飛びあがった。ついでにいつの間にか障子が少し開いていて、そこから鳥は出て行った。


 ふあああ、かわいかったー! あっ、写真撮ればよかったー! と秀麿は思ったが、残念、鳥は出て行ってしまった後だ。よし、もう一度来てくれたら、その時は撮るぞ! と近くにスマホを用意して、また食事を続ければ。


 トコトコトコトコトコという小さな音が聞こえる。どこからだと見回してふと足元を見れば、ハムスターより大きくてモフモフしているものがいる。これはモルモットだろうか? 茶色くて黒い模様が入っている。それが器用に起き上がって、秀麿を見上げて、鼻をフンフンと動かしている。


 かわいいーーー! 秀麿は枝豆を1粒、そっと畳に置いてみた。モルモットはそれを前足で掴んで、口に入れ、トコトコとまた障子から出て行った。うっひゃーーー! 可愛いだろあれ! なんだあれ!


 あっ! しまった! 写真忘れた!! 次こそは!!


 いやまさか3回目はないよな。と料理に目を戻せば、座卓の向こうに白い短毛のネコがいた。……いつの間に。ええと猫は魚か? と刺身を1切れ差し出せば、器用に手で引き寄せて、咥えてまた障子から出て行った。そこで秀麿はハッと正気に戻る。


「……なんだこれは。ブレーメンか? 次は何が来るんだ!」

「ぼくかな」

「うわあああああああああああ!!!!!」


 横から声がしたと思ったら、横に着物を着たおかっぱ頭の子供がいた! 秀麿は思わず座ったままで後ずさり、ぬいぐるみの山に背中からぶつかる。それを見て子供は、あはは、と無邪気に笑った。


「おおおおおおおおおおお前、だれだ!!」

「さあね」

「ざさざざざざざざざ、座敷童!?」

「そう、呼ぶ人もいるね」

「うわわわわわわわわわわわわわわ! 出た! 本当に出た!」

「何だかなあ、嫌われものの甲虫やないんやから……。そんな反応されると、ぼく、傷つくわぁ……」


 5歳くらいのその子供は、目は赤く、茶髪を肩まで伸ばし、黒地の着物には花の模様が入っている。秀麿は両手を後ろについて、ひたすら呆然としていたが、その子が正座している足に手を乗せた、その手の甲の黒い文様を見て、ふと思い出した。


「もしかして、あの時の子?」

「うん。久しぶりやね」


 そういって、その子は花が咲くように笑った。ああそうだ、この笑顔。あの時見た、あの子だ!


「え、え? 俺、なんで今まで忘れていたんだ……?」

「かんにん、ぼくが君の記憶にちょい細工しとったんや。ここに来るまでは思い出さへんように。それが解けるのが予想外に時間かかったみたいやな」

「そんな事が、出来るのか?」


その子はひょいと肩をすくめた。その見た目はあの時と同じ、5歳位のままだ。やはり妖怪なのか。その子は動かずに正座している。秀麿は恐る恐る、四つん這いでその子に近づいた。


「お前か、ここに来てから俺に色々話しかけてきたのは」

「うん。君の反応、実に理想的やったで~」

「そ、それで、なんで俺をここに来させたんだよ?」

「うん、まあ、ご飯食べてからにしいひん? 折角の料理冷めてまうさかい。オカンの料理はうまいで。肉とか肉とか肉とか」

「ステーキはやらねえぞ!」


 秀麿の言葉にその子はぷう、と頬を膨らませた。そのしぐさが可愛かったので、秀麿がデザートのリンゴを一切れ渡すと、不満そうではあったが、シャリシャリと食べ始めた。


「ありがと。また後で来るね」

「え?」

「みんなが食事を終わった頃、また来るさかい。ほなな~」


 そういって座敷童は、開いていた障子をさらに開けて、出て行った。呆然としていた秀麿だが、バッと立ち上がって廊下を見る。右左、誰もいない……。


「まじかよ……!」


 食欲などすでに飛んでいた。アドレナリン出まくりで興奮しっぱなしだ。だが確かに食事は美味しいし、ステーキを食べないわけにはいかない。秀麿は食事を再開し、結局その旨さに、綺麗に完食した。


 そうして部屋の中をうろうろしながら待ってみたが、座敷童はやってこない。来るというのだから、ここに居るほうが良いだろう、だがやる事もない。ふと見れば先ほど激突したぬいぐるみの山が、崩れて散乱している。なんとなしにそれを片付け始めた。全部適当にだが山盛りにして、気が付いた。


「鳥と、トラと、キツネはどこだ……?」


 ああもういい。どうせ勝手に障子が開いたり、座敷童がわいたりするのだ、ぬいぐるみの3匹位、増えても減ってもどうってことはない!


 ついでに食べ終わった食器を重ねて簡単に片づけてみた。それでもまだ食器を片付けに来るまでには30分以上ある。周りのオモチャを見て回るが、秀麿の興味を引くようなものは、何もなかった。


 そんなふうに落ち着かない時間を過ごす。隣の両親も夕食を食べ終わったのだろうか、楽しそうな声が聞こえる。ああもう、と畳にゴロンと仰向けになった。


 秀麿は、焔乃山家に本家や分家があることすら知らなかった。両親は転勤が多く、親戚付き合いをほとんどしていなかったからだ。祖父母に何度かあったことはあるが、座敷童の話など出たこともないし、そんなに古い歴史があるという事も知らなかった。大体、座敷童を捕まえて、って何だよ。拉致監禁かよ。妖怪にも人間の法律が通用するのかは知らないけれど。そんな非道なやり方で、無理やり繁栄してきたのか、焔乃山家は。最低じゃないか。


「なんで誰も、座敷童を解放してやらないんだよ」

「そら長い話になるんやけどな」

「ってわあああああああああああ!!! いきなり湧くなああああああああ!!!!」

「むーー。そやさかい、甲虫やあらへんがな」


 仰向けの秀麿を上から覗き込む、座敷童がいた。思わず手足をばたつかせる秀麿。座敷童は笑いながら、体を戻した。秀麿はすぐに体をひねって起きると、枕元に正座した小さな座敷童がいた。


「ああ、びっくりした……! 出るなら出るで一言かけてくれよ」

「わかった。次はそうする」

「頼むよ、心臓に悪い……!」


 大げさに胸を押さえて深呼吸を繰り返してやるが、座敷童はニヤニヤと笑っているだけだった。秀麿はソレを睨んだ。


「で、お前も何でこの家にずっといるんだよ」

「簡単に言うたら、結界やらな、いろいろあって、出られへんねん」

「お前、祟りとか起こせるんだろう? その位、解けるんじゃないのか?」

「ちょーっと訳アリでな。で、君の力が借りたいわけや」

「ここから逃げるために、俺を呼んだのか?」

「ちょい、ちゃう」


 座敷童は頭を振った。5歳の子供で、声も甲高い子供の声だが、しゃべり方など同級生を相手にしているかのようだ。


「前に来た時、君に玉を探して貰うたの、覚えとるか?」



 言われて記憶がどっと押し寄せる。

「ああ、3つの玉……。埋まっているのを今は掘り出さなくていい、って言っていた、あれか」

「そう。今回は、あれを掘り出してほしいんや」

「なんで俺なんだよ。自分で掘ればいいだろう?」

「こないなお子様に重労働させる気か?」


 秀麿はぐっと詰まった。妖怪だろう、と言いそうになったが、確かに子供だ。灯籠の中にあった玉にはようやく手が届く程度だったのも思い出した。


「冗談はさておき、あらちょい特殊なものでな、君しか見つけられんし、君にしか掘り出せへんのや」

「12年も待たなくてもよかったんじゃないのか? 10年もあれば……」

「そこはこちらの都合や。色々準備があってな、今年が一番よかったんや。な、掘り起こしてくれへん? 頼むわ」


 そういって小さな手を胸の前で組み、見上げてくる座敷童。その赤い瞳が綺麗で、吸い込まれそうだ。


「わかったよ。でももう外、真っ暗だぜ? 明日の朝とか……」

「いけるで、今日は満月。庭は十分に明るいさかい。ほら」


 言いながら座敷童が立ち上がって、トテトテと障子に走り寄って、開ける。


 確かに庭には月光が降り注いでいた。そしてそれでも暗い所には、小さな明かりがいくつも浮かんでいる。細かい作業は無理だろうが、掘り出す位ならできそうだ。


「さっき、みんなが食事が終わってから、と言ってなかったか? もういいのか?」

「うん。多分、時間かかるさかい、もう取り掛からな。頼むわ」

「分かったよ」


 秀麿は立ち上がって、部屋を出た。


続きはまた明日の夜に。

興味を惹かれましたら、イイネをぽちっとな!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ