痒み
書いては消して
書いては消して
間違えたわけじゃない
むず痒くてたまらないのだ
書いては消して
書いては消して
ズキリズキリと胸の奥がイタミだす
こんな所で躓いちゃいられないのに
書いては消して
書いては消して
どうすれば許せるのか
いつになったら愛せるのか
書いては消して
書いては消して
なんだか消すのがキモチよくなってきた
自傷行為だったのかもしれない
書いては消して
書いては
ビリッ
筆記帳は年老いた電線のように
物悲しい呻き声をもらした
僕はそれから目を背けると
逃げるように頁を捲った