第四話 神界へ
いや、本当にワクワクする。元々感情を表に出さない俺だけど、今はきっと笑っているのだと思う。
レイルは何やら忙しそうだ。魔法をひたすら唱えている。
徐々にうっすらと扉のようなものが見えてきた。ほんのり光っていて、見る者を圧倒するような大きな扉だ。
「これは神界への扉みたいなやつ?あ、敬語じゃなくて砕けた話し方でいいよ。俺もそうするから」
「…わかったわ。そう、これは神界への扉。これから火ノ神を神界へ連れていくの。まずは最高神の方々に挨拶と、世界についての説明。その後に火ノ神の担当、つまりは役職を決めることになっているわ」
「じゃあ行きましょう!神界へ!」
久しぶりなのか張り切っているようだ。可愛いな。
レイルがどんどん砕けていっている。というか、明るくなってる?
-----扉を開けよう。
ぎぃぎぃと音を立てながらも、光が差し込んでくる。そして扉が完全に開けると、光が俺とレイルの全身を包んだ。
―――少し意識がとんでいたようだ。いつの間にか俺は細い道に立っていた。小さなトンネルのようで、影はなく、どこを見ても白く輝いていた。
「気がついた?」
「ここは?」
「ここは神界までの道。神界へはセキュリティ的な問題でテレポートができないから『導き』の私が扉を呼ぶの」
「…先が見えないんだけど?」
ちょっとまっててと言って、レイルは魔法の詠唱を始める。
「『光速』」
と、短く呟いた瞬間、かつてないスピードで俺たちはトンネルを走っていた。
人間的な時間では2時間くらいだろうか。
目の前に黒塗りの扉が見えた。レイルの出した扉の色違いのようで、それ以外に違いは見られなかった。
「さあ、覚悟はいい?」
…え、なんの?
「うぉぉぉおおおおお!?」
突如体が扉に引っ張られ、強引に突き破ってしまった…。
何が起こったのかわかんなかったけど、その先には何柱もの神々が俺を見ていた。
正直怖いです…。