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赤月竜戦記  作者: いかや☆きいろ
英雄の誕生
8/21

ゴブリン退治

 4/22 書き直し。

 剣の腕を磨くためにゴブリン退治をすることになった。最終的に勝てなさそうなら機竜で戦うが、恐らくゴブリンキングくらいなら聖剣の力とフィオの力で大丈夫らしい。

 まあゴブリンに負ける勇者やドラゴンは見たことも聞いたこともないし。

 三人で村を出てすぐの森に入っていく。昨日ゴブリンを倒した森だ。早朝の冷たい空気が美味しい。


「さーて、ゴブリン共はどこに隠れているのやら」


「広域サーチを掛けるわね」


「よろしく」


 聖剣でも役に立つし探知や鑑定、そして亜空間収納まで使いこなすアリスはとても有り難い存在だ。

 すぐに見つけたゴブリンの群れの方へ藪こぎしつつ向かう。


「怪我を負わせて後をつけてみるか」


「そうしようか」


「ん」


 やがて発見したそのゴブリンたちは灰色の肌で、赤い帽子を被っていた。血染めの帽子を被ったゴブリンはレッドキャップと言う強い個体のはずだ。

 しかし、フィオとアリスを持った私で難なく一体を撃退し、レッドキャップは慌てて仲間を引きずって逃げ出した。引き離されたふりをしてアリスの探知で追いかける。


 やがて大きな巣を見つけた。木造の小屋がいくつかあるので焼き払っても良いかもしれない。


「森に延焼すると止める手立てが無いな。機竜形態なら火をコントロールしたら消せるが」


「うーん、私の魔法にも火を消せるのが無いなあ」


「仕方ない、突っ込む」


 剣だけで戦うのは大変そうだ。一旦引き返しても良いのだが、延焼したら機竜になるということにして気にせず戦うことになった。


「じゃあ行くぞ、一、二、三!」


「はっ!」


 掛け声と共に斬り込む。近くにいた見張りのゴブリンたちから倒していく。すぐに他の個体に気付かれるが問題はない。中央の広場は火が焚けるスペースが有るので雑魚ゴブリンを詠唱無しの火球を放って焼いていく。サーチによると強い個体が奥にいるらしい。捕まってる人もいるようだ。


「可哀想に。今助けるよ」


「行く」


「ん、そっちは我に任せておけ。お前たちは表に出てきたキングを叩け」


 どうやら私に見せたくない物があるらしい。本で読んだ事があるのでどういう事かは解る。私も見たくはない。

 火を放ちやすい中央で周囲の監視をアリスに任せてゴブリンを斬って捨てていく。


 やがて私より大きいゴブリンが何体か出てきた。冒険者の物らしい装備を着ている。


 少し腹が立つ。全部ぶっ殺す。


 一体が斬りかかってきたところを顔面に火を放ち他の敵の動線が重なり次が攻めてこれないように斬り抜ける。できるだけ一対一の状況を崩さない。こちらの教師は勇者だ。私の腕はめきめき上がっている。

 それに、やはり聖剣、良く斬れる。


「今宵のアリスは良く斬れるよお?」


「いつも変わらない斬れ味」


「掃除機みたいだね」


「? 箒では斬れない」


「ああ、ネタが一つも通じない!」


「ごめんね」


 喋りながら戦っているが剣を受けても折れないので真っ正面から斬り捨てる。受け止めようとしても受け流そうとしても剣を叩き折るだけだ。その後で止めを刺していく。


 フィオがぼろ布を纏った女の人たちを助け出して先に逃げ出す。追い掛けていったゴブリンはフィオの拳の餌食だ。どうやら拳に竜の鱗を纏わせて殴っているらしい。器用だし強い。


 やがてキングと思しきゴブリンが現れた。大きな戦斧を振り上げて怒り狂っている。

 こちらも怒り狂っているが。


「怒り狂ってみえないよ。眠そう」


「ふつふつと燃えている」


「ヤカン乗せたら沸くかも?」


「カンカンに沸く」


 さすがにあんな斧を正面から受け止めたら力負けするので、躱して、火を放ち、目隠しをして隙を突いて斬り上げる。

 斧を少し欠かせてやった。折れてしまえば良いのだが。


 体を出来るだけ低くして攻撃を躱しつつ足元を攻める。


「足元がお留守ですよ!」


「足元さん、帰ってきてないの?」


「帰ってきません!」


「じゃあお邪魔する」


「泥棒ね!」


 脚を斬り払い、ヒットアンドアウェイで飛び下がる。これはアリスに教わった戦術だ。デカイ相手に効くらしいけど私にしてみたらホブゴブリンでも私より大きい。


「そろそろ帰ってくるわね」


「足元さん?」


「いやいや」


「でいりゃああああああああッ!」


「フィオ」


 フィオが奇襲でゴブリンキングに蹴りを入れる。頭がへこんだんじゃないかという蹴りがゴブリンキングの脳を揺らす。動きが止まったキングの首筋を狙って一閃。


 キングは暫く首を押さえて唸っていたが、更に怪我を負わせていく。そのうち出血で動けなくなったゴブリンキングは、ゆっくりと倒れた。止め。


「おーし、良くやったのだ、リンネ」


「上手く戦えた」


「そう言えばリンネはタフだよね」


「魔力が余ってるから、身体強化」


「おお、なんか戦い慣れた戦士みたいだね!」


「うむ、良い実戦経験を積めたようだな。後は魔石を回収して……」


「敵が、増援?!」


「何っ!!」


 どうやら敵の本隊ではなかったらしい。ゴブリンエンペラーがハイゴブリンを引き連れて帰ってきたそうだ。


「まあもう人質も居ない。好きに焼き尽くしてやれ」


「分かった」


「残り魔力は?」


「三割くらい」


 ちょっと不味いけど、まだ行ける。フィオも帰ってきたし。

 森を抜けて攻め込んできた尖兵の大型のゴブリンの顔面にいきなり火球を浴びせ、足元を斬り払う。この動きに慣れてきたのか上手く決まった。(とど)め。

 フィオがもう一体を殴り倒す。どうしてあんなに小さいのに大型ゴブリンの硬い骨を殴り潰せるのだろう?


 魔法で体重を増やしているらしい。さすがドラゴン、何でもありだ。私には火球しかないので更に後ろのゴブリンを焼く。しかし、魔力の壁が有ったのか魔法が弾けて消えた。それでも一瞬は目隠しできたので腕に斬りつける。相手はこちらが足元を狙うと思ってか脚を引いたのでまんまと肩口に手痛い一撃を入れてやった。


「慣れてきたねえ。適応力高い」


「頼もしいじゃないか、我らが主は」


「若いし先が楽しみだわ」


「アリスも若いだろ」


「フィオに言われると色んな意味で微妙だわ」


 古代竜だから凄い年だし、でも見た目はロリだからね。微妙。それにアリスも二百才過ぎてるし。


「追い詰めた」


「危ない!」


「!!」


 ぐ、今まで使ってこなかった魔法を無詠唱で放ってきた。火の玉が直撃する寸前にこちらも火の玉で相殺して視界を確保するために横に飛ぶ。


 そちらには既に大きく長剣を振り上げたゴブリンエンペラー。


 躱せない。






 吸引力は変わらないけど日本の掃除機の半分しか吸引力は無いらしいです。

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