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とある本丸の審神者日記  作者: Sillver
チュートリアル
9/16

小夜君との出会い

不安を感じながら眠ったにもかかわらず案外すっきりと起きられた私は、朝食を用意しようと台所に向かうことにした。

すると、そこには陸奥守さんが既に居た。私よりも早く起きたようだった。


葵「おはよう、陸奥守さん。早いんだねー」


陸「おお、主か。主も早いんじゃのう。なに、折角人の身を得たがやき、ちっくと朝食でもとおもっての」


葵「そかそか。ありがとう、陸奥守さん。けど、いきなり料理ってチャレンジャーだねぇw」


陸「なんでもやってみないともったいないぜよ」


葵「そうだね。よし、作ろうか」


そんな会話の後に私と陸奥守さんはThe・日本の朝食!!というモノを作ったのだった。……陸奥守さん、なんで初めてやったはずなのにあんなに包丁捌きがキレッキレだったんだろ……。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




朝食後、私と陸奥守さんはこんのすけに連れられて鍛刀部屋に来ていた。本来は、鍛刀部屋は赴任直後は二部屋なのだそうだけどこんのすけ曰く、「昨日の祓えの報酬として、鍛刀、手入れ部屋を最初から四つに増やしておきました」とのこと。貰えるモノは素直に有難く頂くようにしているので、こんのすけにお礼を言っておく。


こ「さて、では審神者様。鍛刀を致しましょう。鍛刀は、資材の量を決める必要があります。資材の種類は玉鋼、木炭、冷却水、砥石です。これら四つは全て999まで一度に使うことが出来ます」


葵「なるほど。そして最初はそんなに資材も多くストックできないんだね。なら、溜めておこうか。最初の鍛刀はオール50かな」


こ「では、その様に妖精に頼んで下さい」


葵「了解。妖精さん、オール50でお願いします」


金床やその周辺にいた妖精さん達に頼むと、20分という札を渡された。


こ「その札は、鍛刀があとどの位の時間で終わるかを示す物です。その時間が過ぎれば、鍛刀した刀を顕現させることが出来ます」


葵「ふうん。かなり早いんだね」


こ「まあ、早いに越したことはありませんからなぁ。それに、身もふたもないことを申しますと本来の鍛刀方法では戦力増強には向きませんから」


そんな、本当に身もふたもない事をいうこんのすけ。……本来の鍛刀方法で作られた刀があって初めて刀剣男士が生まれ、その力を借りてやっと時間遡行軍とまともに戦えているという事をこんのすけは忘れているのかと思ってしまった。


葵「本来の方法で作られた刀があってこその今、だよ。こんのすけ」


そう言った後、初めての鍛刀という事もあり、そのまま20分程度なので陸奥守さんやこんのすけとともに鍛刀部屋で待っていることにした。少し、気まずかったけれど、しばらく雑談をしているとそれも薄れて行った。その後20分が過ぎ、妖精さんに渡された札が光り出した。


こ「札が光り出したという事は鍛刀が終了した合図です。これから新たな刀剣男士を顕現させましょう!!」


妖精さんから出来たばかりの刀を受け取る。大きさからみて短刀のようだ。


陸「新入りはどがな奴じゃろなぁ」


葵「分かった。じゃあ、顕現して貰うね。『出でませ、出でませ。新たなる器を得られし付喪神よ』」


わたしの言霊に反応して依代となる刀が輝き、桜の花びらが辺り一面に舞い散る。桜の乱舞が収まった時、そこに立っていたのは大きな笠を背中にやっている小さな少年だった。


?「……僕は小夜左文字。貴女は……誰かに復讐を望む?」


葵「……いきなり、物騒な事を問うんだね。(・・・)は(・)復讐(・・・・)を(・)望んで(・・・・)望まない(・・・・・)よ」


小夜「??」


そう、言葉遊びをしておく。式達が騒めいている。……ああ、なんて厄介な置き土産をあの人は残していったんだろう。暗く、呼吸が出来ない苦しみを思い出す。


陸「……主、大丈夫がか?顔色が悪うなりゆう。何ぞ、嫌な事でも思い出したか?」


葵「大丈夫。何でもないよ」


そうして、新しく顕現した小夜君に笑顔を向ける。彼は、何か不味い事をしてしまったのかと不安そうにしていた。まだ、私が乗り越えられていないだけで彼は何一つ悪いことをしていない。


葵「自己紹介がまだだったね。私はここの審神者をやっている葵。これからよろしくね」


陸「わしは陸奥守吉行じゃ。折角、人の身を得たがやき一緒に楽しくやるぜよ!」


一通り自己紹介を終え、広間に移動し一息ついた時、こんのすけが話しかけて来た。


こ「では、このままリベンジと参りましょう!!」


葵「却下」


こ「何故です!!」


こんのすけは今にも飛び掛かってきそうな勢いで来た。少し考えれば簡単な事なのに。

うちに配備されているこんのすけは少々残念な仕様なようだ。


葵「まず、理由一つ目。鍛刀が出来るようになったのだから最低限第一部隊の六枠は埋めておくべき。数はそのまま力になるからね。二つ目。戦闘をするなら全て(・・・)の準備を整えてからやる。当り前の事だけどね。こんのすけ、まだ審神者がやるべき事全て教えてくれた訳じゃないでしょう?」


こ「あ、はい……。まだお話できていないことがあります。刀装作り、内番、演練です」


葵「刀装、と言うからにはそれは戦闘用品なの?」


こ「そうです。戦闘時、銃兵、投石兵、弓兵であれば先手を取り攻撃する事ができ、騎兵や重歩兵と言ったものは刀剣男士の各ステータスを上げます」


葵「……ねえ、こんのすけ。私が今何を考えているか分かる?」


親友にもよく言われる、笑っているのに笑っていなくて怖いと評判の笑顔をこんのすけに向ける。


こ「分かりますがしかし、これはこんのすけにはどうしようも出来ない事なのですが……」


陸「主、殺気がすごいぜよ……」


私が何に対して怒っているのか分かっていない陸奥守さん。すると、ここまで黙っていた小夜君が口を開いた。


小夜「やっぱり、貴女は誰かに復讐を望むの??」

2018/08/17 友人からの指摘で、小夜君の鍛刀時間が間違えていることを教えてもらいました。ので、小夜君の鍛刀時間を30分→20分に修正しました。

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