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木になる女  作者: のび太
6/10

木にならない

まこが電車で木になってしまう一件があって

彼女の性質を、多くの人が知るところになってしまった


メディアを通じて公式に事情が説明され

これまでの研究結果も広く公開される事になった


そして、多くの人が、現在の科学では及ばない現象が、

身近に存在する事を知るのであった



報道は盛り上がりを見せた

しかし、彼女の個人情報は必ず伏せられた

過熱しないよう調整が入った事もあり

一時の盛り上がりは徐々に収束し始めた




人の起源、宇宙の理を覆すような事象であったが

彼女にも、静かに幸せ暮らす権利があると、テレビは伝える




半年ほどたつと、主要なメディアの報道は完全に落ち着いていた

彼女の性質を、コントロールする方法にもめどがついた時だった


そのタイミングで、まこは隣の町の女子高へ通学を始めた

最初の1年間は、研究所から車で送迎された

コンパクトカーで送迎されるまこは、

何故か『さやかお嬢様』と呼ばれ、みんなから愛された

女子高では柔道部に所属し柔らの道に青春をささげた



卒業するころには完全に普通の生活ができると判断され

その後の進路として

警察学校への進む道を、本人含めて皆の同意で決まった


まこを守りやすく、

彼女の性格、特技は警察官に向いていると考えられた



警察学校では協調性と規律の順守を学び、

多くの友人ができた

体育、武術に関する成績は特に良かった


順調に卒業し、生まれ育った地元の警察署に配属された

そこで警察官としての職務をこなしていった





まこの警察官としての適性は普通以上のものがあった


悪をにくみ弱きを助ける

お年寄りや子供の相手も好きだった

動物にも好かれる

植物にも好かれていたに違いない




まこは面倒な業務にも毅然と対応できた




お祭りの警備に参加していた時の事だ



お祭り会場のそばの道路の端に、違法駐車の車両があった

まこは車に戻ってきた若い男に違反の内容を告げた

男は車の移動にすぐに応じると答えてくれたので

彼女は今回は罰則は課さないと話した


そこには男がイケメンだった事もあった


そこから

男はまこに休みの日に大変ですねとねぎらい

警察官の恋愛事情について尋ねてきた

この時点では、まだ、彼女は悪い気はしていなかった

また非番の時に誘ってとあしらう



しかし、去り際に、男はまこを後ろから抱きしめたため


一本背負いにより宙を舞う事になった



駐車違反

強制わいせつ罪




後輩の女性巡査からは、もったいないと茶化された





ここ何年も木になっていない

まこは懐かしく思う

そんな性質もあったんだなと感じていた


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